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交配番号「SN-5」 経過報告

2014年12月06日 23時00分00秒 | ■「実生」関連
※2014年12月16日内容更新(品種名記載)

交配番号「SN-5」
品種名=C. Mai Hoa Smile(マイ・ファア・スマイル)

交配=C. Dal's Jackpot‘Black Berry’x C. Waianae Sunset‘Kadooka’
受粉=2007年1月16日
播種=2007年9月
フラスコ出し=2008年9月
初花開花=2014年12月6日
品種登録日=2014年12月15日


 「SN-5」は“極整型濃色大輪の新世代のサンセットカラー系花”の創出を目指した私のオリジナル交配です。
 種子親の C. Dal's Jackpot‘Black Berry’は赤花としては特筆すべき極整型花として以前から注目していた花でこの「SN-5」での結果が良ければ今後の私の育種交配計画の中で、濃色の極整型花を生む親として重用しようと思っています。ただし、リップに軽微な奇形が見られる点が気になっており、要チェックだと思っています。
 ちなみに、この交配には、C. Waianae Sunset、C. Royal Emperor、C. Pirate King という言わずと知れた銘花にして銘親たちが名を連ねており、優秀な次世代の創出に大いに貢献してくれることを期待しています。




※2014年12月06日の様子(実際の花色は画像よりも濃いです。)
 花色は薄いオレンジを予想していましたが、結局、やや黄味がかる特異な色調の赤紫になりました。花型はある意味期待通りのペタルのオーバーラップする整型となりましたが、花径は約12cmの中大輪と、正直なところ、両親の特長を足して2で割った結果、中途半端な花になってしまった。という印象は否めません。
 また、気になっていたリップの軽微な奇形も親から遺伝してしまっているようで、神戸のdannyさんから送っていただいた兄弟個体(花色はオレンジ)もリップに奇形が見られましたので、C. Dal's Jackpot‘Black Berry’を親に使う場合はその点には要注意だと思います。
 ちなみに、この個体の黄目の入り方は面白くて気に入っており、笑顔の口に似た形状にも因んで、この交配の品種名に「スマイル」を使いました。
 いずれにしましても、今回もまた交配の奥深さ、難しさ、面白さを実感できた貴重な機会になりました。



※2014年12月06日の様子(実際の花色は画像よりも濃いです。)


※2014年12月06日の様子(実際の花色は画像よりも濃いです。)


※2014年12月06日の様子(実際の花色は画像よりも濃いです。)


※2014年12月07日の様子(実際の花色は画像よりも濃いです。)



※2014年11月30日の様子
 受粉から約7年。我が家の環境下では早い方だと思いますが、それでも、ようやく、いよいよの開花です!
 花色は薄いオレンジ?



※2014年11月30日の様子
 株のダメージを最小限に抑えるために、鉢増しのみでここまで来たこともあり、大暴れです(苦笑)



※2014年11月23日の様子
 ようやく、もうすぐ開花です。黄色?薄いオレンジ?


※2014年11月23日の様子
 ここまでの株になってようやくの開花です。ご覧の通り、大暴れです(苦笑)


・この秋~冬に初花が見られそうな5個体を以下にご紹介します。
なお、昨年末に開花した花は奇形の為、非公開とさせていただきましたが、リップに黄目が大きく鮮明に入る濃いワインレッドの花でしたので、以下の個体たちにも自ずと期待が高まります!



※2014年08月13日の様子(逆光でスミマセン)
この個体は、花粉親の C. Waianae Sunset‘Kadooka’に株姿が似ており、日光を求めてバルブが暴れまわります。今回は立派なシースができましたので開花してくれると思います。


※2014年08月13日の様子(逆光でスミマセン)


※2014年08月13日の様子(逆光でスミマセン)


※2014年08月13日の様子
この個体は種子親に似て、株姿が素直です。


※2014年08月15日の様子




※2013年12月23日の様子
 この画像は2番目に大きい苗(株)の蕾です(ちょっと奇形っぽい?(汗))。5号鉢植えのもっとも大きい苗(株)よりも先に開花します。ちなみに、この個体は、以前、葉にトゲ(イボ)状のものが発生していたことから注目していた個体です。期待に応えてくれるのかどうか?ワクワクします!



※2013年07月27日の様子
 現在、我が家の「SN-5」の中でもっとも大きい苗(株)。5号鉢植えです(汗)。


※2013年07月27日の様子
 上の画像の株のリードです。立派なシースが完成しました!


※2013年07月27日の様子
 我が家の「SN-5」の中で2番目に大きな苗(株)こちらにもシースができました。


※2013年07月27日の様子
 我が家の「SN-5」の中で3番目に大きな苗(株)です。こちらも立派なシースが完成しました!


※2013年07月27日の様子
 我が家の「SN-5」の中で4番目に大きな苗(株)です。こちらも立派なシースが完成しました!



※2013年06月16日の様子
 現在、我が家の「SN-5」の中でもっとも大きい苗(株)です。


※2013年06月16日の様子
 上の画像の株のリードです。ようやく待望のシースが顔をのぞかせました!


※2013年06月16日の様子
 我が家の「SN-5」の中で2番目に大きな苗(株)です。


※2013年06月16日の様子
 我が家の「SN-5」の中で3番目に大きな苗(株)です。こちらも待望のシースが発生!


※2013年06月16日の様子
 我が家の「SN-5」の中で4番目に大きな苗(株)です。この画像ではわかりにくいのですが、こちらもシースが見えています!



※2013年01月04日の様子
 現在、我が家の「SN-5」の中でもっとも大きい苗(株)です。4号鉢植えでかなり大きくなっていますがまだシースもできません。シース無しで花芽の上がってくるタイプかもしれません。今年はなんとかして咲いてもらおうと思います(苦笑)。


※2013年01月04日の様子
 上の画像の株を真上から撮った画像です。



※2012年07月29日の様子
 現在、我が家の「SN-5」の中でもっとも大きい苗(株)です。ちょっと暴れ気味に生育しています(汗)。


※2012年07月29日の様子
 上の株の別角度の画像です。大きなリードが伸長中ですが、厚みが無く、シースは期待できそうにありません。


※2012年07月29日の様子
 現在、我が家の「SN-5」の中で2番目に大きい苗です。1番目に大きい苗と比較して生育が素直です。


※2012年07月29日の様子
 上の画像のリードです。待望のシースが顔を覗かせました!



※2011年10月01日の様子


※2011年10月01日の様子 新芽が3つも動き出してしまいました(汗)
 現在、我が家の「SN-5」の中でもっとも葉の大きい苗です。この画像ではわかりにくいですが最も大きいな葉の長さは約30cmあります。
 チッソ系肥料が多過ぎるのか、やや芽吹きが良過ぎるような気がしますので来年はややチッソ系肥料を控えようと思っています。ちなみに、葉の形状は種子親似でクセの無い印象です。




※2011年06月12日の様子
 現在、我が家の「SN-5」の中でもっとも葉の大きい苗です。葉の長さは25cmあります。
 じつはこの「SN-5」の苗は、生育の良い順で3つのグループに分けた内、2番目に生育の良かったグループの苗で、2009年の10月12日の記事で“葉にトゲのある苗”としてご紹介していたものですが、その後、抜群の生育力で現時点では葉の大きさでは最も生育の良かったグループを追い抜きました。やはり、この“トゲ”は何らかの“良い意味での細胞異常のようなもの”なのでは?と考えています。



※2009年の10月12日の記事でご紹介していた葉にトゲのある「SN-5」の苗画像。赤線で囲っている部分が“トゲ”。この時点ではまだプラグトレイ植えでした。

●カトレヤの“トゲ(イボ?)”についての記事は、こちらをクリック!



※2011年02月27日の様子(500mlペットボトルと)
 我が家の「SN-5」の中でもっとも生育の良い苗です。前回の約4ヶ月前の報告から、3本の新芽が発生して完成しました。いずれもややクセのある赤味の強い葉とバルブで、突然変異的な良花の出現を期待しています(苦笑)
 ちなみに、現在、この「SN-5」の苗は我が家に13個体あります




※2010年10月10日の様子
 我が家の「SN-5」の中でもっとも生育の良い苗です。じつは、もっとも大きかったバルブを梅雨時期に軟腐でダメにしてしまいました。それでもなんとか持ち直して、現状、2.5号鉢植えです。
 ちなみに、現在、この「SN-5」の苗は我が家に15個ありますが、いずれも、なんとなくクセのある硬めの苗で、そのあたりがまた、濃色のいい花を咲かせてくれそうな感じがして、勝手に期待を膨らませています(苦笑)




※2010年03月07日の様子
 室内ワーディアンケース内で栽培している「SN-5」軍団です。
 画像の左の方にある赤味を帯びた大きめの葉の苗は前回 2009年10月25日の記事でご紹介していた最も生育の良かった苗です。やはり、この葉にも例のトゲ(イボ?)があります。下の拡大画像をご覧下さい。




※上の画像の左の方にある赤味を帯びた大きめの葉の拡大画像
 葉の付け根あたりに例のトゲ(イボ?)があり、このトゲを持つ個体が僕の推測どおり、両親の持つ優れた性質や特長を超越する可能性を秘めているとすれば、いったい、どんな花が咲くのか?今からとても楽しみです!



※2009年10月25日の様子
 もっとも生育の良いグループ。一番大きな苗の葉の長さは 130mm です。
 ちなみに、画像の苗3つ全てに以前、記事にしたトゲ(イボ?)があり、その意味でも期待大です!

●カトレヤの“トゲ(イボ?)”についての記事は、こちらをクリック!



■僕の交配「SN-5」の苗(2009年5月31日の状態、2号鉢植え)。最も生育の良いグループの中からの3苗。
 この交配の苗は、ややクセのある苗と素直で生育の良い苗に2分されている感じです。最終的にはクセのある苗3つと素直な苗7つくらいにまで選抜して絞り込む予定です。




■僕の交配「SN-5」のフラスコ(2008年9月13日の状態)。



■「SN-5」の実。2007年9月に播種を委託したときの画像。



※「SN-5」の交配親(種子親)
■C. Dal's Jackpot‘Black Berry’
カトレヤ ダルズ・ジャックポット‘ブラック・ベリー’
(C. Royal Emperor x C. Pirate King (07/12/1995))
●C. Dal's Jackpot についての記事は、こちらをクリック!



※「SN-5」の交配(花粉親)に使用した親株の元株の開花画像です!(画像提供=サンセットさん)
■C. Waianae Sunset‘Kadooka’SM/JOGA
カトレヤ ワイナエ・サンセット‘カドオカ’
(C. Dorothy Fried x C. Mysedo (01/01/1963))
●C. Waianae Sunset についての記事は、こちらをクリック!



◆「シンのカトレヤ交配記録」についての記事は、こちらをクリック!



◎情報提供・お問い合わせ等の連絡先メールアドレスは、こちらをクリック!

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