ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

最高の・・・

2007年10月14日 | TC-1

今日はとても良かった。
ベルリン国立歌劇場の来日公演(5年ぶり)、「トリスタンとイゾルデ」。NHKホールにて。
自分はかなりのワーグナー好きを自認しているけど、とりわけ「トリスタンとイゾルデ」は、特別な作品。音楽に限らず、あらゆる芸術作品の中の最高に位置づけられるほどの物だと思っている。その最高の作品の、最高ランクの上演に接することができるとは、これ以上の幸せはないでしょう。

くどくど記してもきりがないので、簡単に。オケ良し、歌手良し、ということ。
今回はバレンボイムの指揮が絶好調(5年前の「指環」チクルス時と比べても)。真にこの曲を隅々まで知り尽くしていることの確信が伝わる。相当細かく場面場面に応じた表情付けがなされているが、全く流れを損ねることなく、すべて的確。オケの音がまた、すこぶる美しい。
イゾルデ役のワルトラウト・マイヤーは、5年前のジークリンデの圧倒的名唱が強く印象に残っているが(私、泣きましたよ、比喩でなく)、今回も十分期待に応えてくれた。とにかくこの人の歌唱は、意味が、感情が、よく伝わってくる。
圧巻は、マルケ王を演じたルネ・パーペ。信じられないくらいよく響く美声。完璧な歌唱と演技。気品と深みを備え、オーラただよう堂々たる風姿。カーテンコールで最も多くの拍手とブラボーを受けていた。パーペの歌は、今まで2度ほど('02ベルリン・シュターツオーパーと ’06MET、ともに来日公演)フンディング役で聞き、それなりに好印象ではあったが、難役マルケ王がこれほどはまり役だったとは。
トリスタンのクリスチャン・フランツ、5年前のジークフリートの時より好調と感じたが、脇役に至るまで表現の巧みな歌手を揃えた今公演の中にあっては、やや力まかせの感も。尤も、声量があるということ自体は、ヘルデン・テノールとしての魅力十分ではある(日本人歌手にはなかなか期待できない点だし)。

ま、とにかく、今回はかなり満足度の高い公演でした、ということで・・・。


camera: Minolta TC-1  film: Konica SINBI100 Professional(SRP)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿