ニガイメ記

文章が苦手なので、イメージ写真でお茶をにごす日記
・・・の略。

第九

2005年12月23日 | T-PROOF

年末はやっぱり第九ですか、そうですか?
なぜか自分にはあまりそういう感じがしないもので。
クラシック音楽好きとして過ごしてきたこの四半世紀の間に、年末行事としての第九を聴きに行ったことはほんの数回だけ。
が、今年はちょっと惹かれる指揮者の公演があるので、きりん氏を伴い本日聴きに行く。

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮、読売日本交響楽団。東京芸術劇場にて。
御年82歳、現役最長老の「巨匠」との触れ込みであるが、巨匠には違いないのだろうが、どうも自分には巨匠風というより「マニアック」というイメージが未だに強い。
スクロヴァチェフスキのベートーヴェンは、3番(読響)、4,5,7番(N響)とナマで聴いた体験があるが、いずれも面白く、好印象。
今回の9番も期待どおりの演奏。とにかく明晰でスピーディ。すべての音符ひとつひとつの意味と価値とを明確に表していく強い意志の力。ふだんは聞き過ごされてしまうような対旋律や伴奏音型を、ふわっと浮かび上がらせたり突如強調させたり、必ず何か仕掛けてくるのでおもしろい。そんな細かいワザの数々を繰り出しながらも、全体は引き締まった見通しの良いフォルム。かなり速めのテンポで突き進む。力強くよく鳴っているが、重くならない明るく開放的な響き。好みの分かれるタイプの演奏ではある。年の瀬ムードを味わいたい人向きではないかも(笑)

さて最新ニュースによると、スクロヴァチェフスキ氏は、2007年度から読売日本交響楽団の常任指揮者に就任。2年契約。84~86歳の間の仕事として、現場職の最高責任者のポストを受けるとは、まだまだお若いことで。常任といっても年に6週間だけとか、N響にもっていかれないためにポストで縛ったとか、そんな話も聞きますが。まあ、今後もこの希有な貴重な指揮者には注目していきますよ。


camera: Kyocera T-PROOF  film: Kodak MAX beauty400