お家でベトナム料理が食べたい!

日本にある材料で簡単に作れるベトナム料理のレシピを、在日10年のベトナム人が紹介します。

TETについて

2007-02-26 23:42:52 | Tet料理
今回はレシピからちょっと離れて、ベトナムの習慣について紹介します。

ベトナムのTET(I)

毎年、TET(テト)が来る度、故郷の思い出で胸がいっぱいになります。TETというのは、旧正月に行わせるベトナム伝統の新年祭のこと。ベトナム育ちの私は、日本に暮らす今もベトナムの習慣が染みついています。10年ほどベトナムから離れていても、TETは毎年一年中で一番特別な時期。

TETでは、単に家族や親戚間の新年会としてだけではなく、神様への感謝をこめた習慣がいくつかあり、大変重要な意味を持っています。
一つは、仕事の神様への挨拶。昔各家庭は別々の仕事を持っていて、その代々伝わる仕事を一番最初の先祖に教えてくれたのは仕事の神様と信じられています。
二つ目は、土地を守ってくれる神様や台所の神様などへの挨拶。
また、先祖の霊が家に帰るため、美味しいおせちや果物などを供えます。

今日は、竈の神について紹介します。

竈の日(かまどの日)
旧暦の12月23日、竈の日から、TETの雰囲気が盛り上がります。昔、竈を使ってご飯を炊いていたベトナム人は、竈の神が3人いると信じていました。これは2人の男性の神と一人の女性の神で、一年中で仲良く三宝(現代のガスコンロにも見られるなべやフライパンを支えている部分)のつめの部分にそれぞれ立っていて、人間を手伝い、この神様のおかげで毎日美味しいご飯を作ることができると言われました。
このお礼に、12月23日の早朝から市場に行き、生きている鯉を三匹買い、ボールに用意した水に入れて、お仏壇に供えます。この時、鯉は元気で泳げる鯉で、しかも黒い鯉2匹、黄色い1匹でなければいけません。なぜなら、女性の神は黄色が好きだから。
買った鯉と、前日竈の神のため買った紙の帽子や紙の靴、紙の服などを一緒に仏壇に供えます。またお供えの料理も欠かせません。竈神のおかげで、一年中ご飯を食べられるので、感謝する意味です。お供えした後で、料理を食べる前に、神の服3セットを燃やし、3匹の鯉を大きい池や湖に放流します。竈の神が新しい服を着、帽子をかぶり、靴を履き、鯉に乗って天国まで帰るので、非常に遠くて、時間がかかるので、それぞれの家庭は明るい内に急いでやります。それが終わったら、供えた料理を食べながら、前年の食生活を家族で皆は話し、見直して、また来年に向け気持ちを新たにします。

次回はTETの装飾について紹介します。お楽しみに・・・