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Hitomiのブログ☆

だいじなもの

2015-12-13 01:26:04 | 加藤シゲアキ小説
「ピンクとグレー」で主に描かれていたのは芸能界。その中で、売れていく人間と売れない人間、それぞれの光と影。葛藤。
一方、このスピンオフで描かれているのは、ごっちでもりばちゃんでもない、ごくごく普通の一般人として成長した木本。
胸に刺さったのは、木本がごっちの葬儀に向かうシーン。
幼馴染み。それは、関係者でもなく、ファンでもない、微妙な位置。幼馴染みとしての自負心と、一方で関係者ではないという卑屈な思い。その境界の揺らぎ。
有名になった人間にだけドラマがあるわけじゃない。
有名人をただ見つめるしかない名もなき人間にも、木本にも、過去があり、思いがあり、葛藤がある。そして今がある。
そして、それはあなたも同じ。あなたはあなたでいい。偶然に縛られるなんて、バカみたいだ。
そうそっと温かく語りかけられているような、勇気づけられているような、そんな気がしました。
シゲといえば、人間同士や一人の人間の中の感情といった様々なものの境界の揺らぎを描くのがすごく上手な印象があったんですが、今回もそれが本当に丁寧に描かれていて、すごくよかったです!!
やっぱりシゲの小説好きだ!!今後の作品も期待してます!!


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