La La Singin' Music♪

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Paul Chambers / Whims of Chambers

2006年09月10日 23時16分33秒 | -音楽-
ジャズ・ベーシストといえば、ポール・チェンバース。ビル・エヴァンス・トリオのスコット・ラファロも好きだけど、やっぱりポール・チェンバース。弱冠20歳でマイルス・デイビスの黄金のクインテットに参加した経歴はダテじゃない。このアルバムは、そんなポール・チェンバースがマイルス・デイビス・クインテット全盛期に、クインテットの仲間を引き連れ作った初リーダー作。

彼のプレイは、神がかったピチカートのアドリブソロやボウイング(弓弾き)、そして何と言っても4ビートのウォーキング・ベースの美しいメロディー。1小節に「ボン、ボン、ボン、ボン」と4つのビートを刻むベースの音こそ、ジャズの心臓の鼓動そのもの。チェンバースのウォーキング・ベースは、その鼓動を躍動させ、他の楽器をもグルーヴの渦へ巻き込む。アドリブ・ソロも素晴らしいが、このウォーキング・ベースだけを聴いていても楽しい。これがチェンバースのベースの素晴らしいところ。ジャズ・ベースをやる人は必ずお手本にするベーシスト。あと、弓弾きのソロがあるが、ちょっと調子ハズレな感じが良い味出してます。なんかノコギリの音みたい。

ベーシストがリーダーのアルバムということで、ふだんジャズをあまり聴かない人にはとっつきにくいイメージがあるけども、このアルバムは別。もちろんベースが目立つ部分も多いけど、他のパートの人たちもしっかり活躍してます。何せ、参加しているミュージシャンはすべて超一流。なんといっても、テナー・サックスのジョン・コルトレーンのプレイは素晴らしい!マイルス・バンドのそれよりも、リラックスした感じで、自由に思いっきり演奏しているといったかんじがする。偉大なマイルスがいないからリラックスしてるのかな?コルトレーンのサックスは注目して聴くべきところ。その他にも参加している一流ミュージシャンたちの演奏は秀逸です。

このアルバムで好きな曲は、ラテン調のイントロで始まり、トランペットとサックスが元気にユニゾンする〔1〕Omicron、各パートのソロの後ろでチェンバースのウォーキング・ベースが十分に堪能できる〔3〕Nita、チェンバースによる驚愕の弓弾きソロで始まる〔6〕Tale of the Fingers なんかが良いです。これ以外もどれも素晴らしい曲ばかりです。

アルバムのジャケットもなかなか良いです。ウッドベースを抱えて歩道を歩く風景は、これからスタジオに出かけますみたいなフツーな感じが出ててほのぼのします。ていうかこの時まだ21歳のチェンバース。貫禄ありすぎ。

豪華なメンバーに素晴らしい演奏、曲。ジャズの隠れた名盤と言えるかも知れません。ぜひ聴いてみてください。
(1956年作品)

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