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四川省めぐりの旅 (その4) 嘉陽小火車 編

2009年11月03日 01時03分18秒 | -旅日記-
■炭坑の蒸気機関車 「嘉陽小火車」

「蒸気機関車」というと、今ではほとんど見かけなくなり、観光用でしか走っていないことも多いが、
四川省楽山市中心部から南へ68kmのところにある街、犍為(チエンウェイ)郊外の炭坑の村に、
今でも現役で走っている蒸気機関車があります。

その名も「嘉陽小火車(芭石鉄路)」という。

中国語で『汽車』は自動車、『火車』は鉄道という意味だが、
線路幅の狭く、小さな蒸気機関車が走っているこの鉄道は、『小火車』と呼ばれて、
石炭を運ぶため、そして沿線住民の足として、毎日モクモクと煙を吐きながら元気に走っている。



嘉陽小火車(芭石鉄路)は全長20kmほどで、開業は比較的新しくて1959年。
もともとは、一番山奥の終点駅、黄村井で採れる石炭を岷江沿いの石渓まで運び出すために作られた。
しかし黄村井の炭坑は1980年代に閉鎖。その後石渓に近い三井という場所で石炭採掘が始まったため
一時は廃線の危機に見舞われたが、並行道路が無い山間部の村の住民の貴重な足として、
さらに最近になって中国の観光ブームに乗って、古い蒸気機関車が見られる観光名所として注目されるようになった。

今回の四川省の旅で、世界遺産を見て、パンダを見て、四川料理を食べるだけでは普通のツアー旅行と同じになってしまう。
何かプラスアルファのものを探していたら、ネットで嘉陽小火車の存在を知り、見てみたくなった。

そんなことで、成都から南へ200km以上離れた犍為という、こんな片田舎まで来てしまったわけだ。


■嘉陽小火車を見る

10月25日。
前日夜は、宿泊しているホテルすぐ隣の屋台街が午前2時ぐらいまで騒がしく、熟睡できず。
そのため予定より30分寝坊。

バタバタと出発の準備をして午前7時過ぎにはチェックアウト。
まずは嘉陽小火車(芭石鉄路)の始発駅である石渓駅へ向かいます。

石渓駅へは犍為の市バスに乗って途中下車。
事前にネットで調べた情報では、犍為の北門バスターミナルからバスが出ていると書いてあったので
北門バスターミナルへ向かうが、それらしきバスが見当たらない。
窓口のおばちゃんに聞くと、道路沿いの市バスのバス停から「三井」行きバスに乗れと言う。

ちょうど「三井」行き市バスが来たので乗り込み、運転手に「嘉陽小火車行きはこのバスか?」と聞くと、
「そうだ」と言うのでそのまま乗車。バス代3元。



市バスは犍為の街中を出ると、岷江沿いの田舎道を走り続けた。
そして30分後、車掌のおねえさんが「着いたわよ」と教えてくれて、嘉陽小火車の石渓駅付近で下車した。

バスを降りた辺り。
この辺りは炭坑がいくつかあって、そのせいで空気が悪く、すべてが霞んで見える。


バスを降りた道路から上り坂の道を進み、ボロい門をくぐる。


すると線路が見えてきた。


でも駅のホームが無い。どうやら入り口を間違えたようだ。
ここは一般客立ち入り禁止のエリアでした。

石渓駅のホーム発見。




僕が駅に着いた時間は、まだ次の列車が来るまでしばらく時間があり、駅は閑散としている。


待合室へ。


切符売り場があり、切符を買う。


切符は観光用座席と一般座席があり、観光用片道10元、一般片道5元。
せっかくなので、快適な観光用座席のチケットを購入。往復20元。
午前9時30分の出発までまだ時間がある。



待合室から見た岷江。天気が悪いのと空気が霞んでるのとで何にも見えない。。


嘉陽小火車を紹介する大きな看板。


しばらくすると、遠くから蒸気機関車の汽笛が聞こえてきた。
さっそくホームへ出てみる。

すると、来た、蒸気機関車だ!




モクモクと煙を吐きながら、機関車トーマスのような小ぶりの蒸気機関車がホームに入線した。

列車が停車すると同時に、地元客がたくさん降りてきた。まさに朝のラッシュだ。


荷物は生きたニワトリ。


この辺りでは子供はカゴに入れられるのかな?


これが一般車輌。なんだか護送車のようだ。窓ガラスも無い。




列車を降りた乗客はそれぞれの目的地へ向かって去っていった。


休憩中の蒸気機関車。


ちなみに、ここ石渓駅から隣の躍進駅までの1区間だけ電化されていて電気機関車も走っている。


石炭を満載した貨物列車。


蒸気機関車も貨物を運んでいきます。




やがて自分が乗る9時半発の車輌が到着。




モクモク煙を上げます。


乗車時間を待つ地元民。


ここに来る前は、廃線間近の廃れた鉄道をイメージしていたけど、地元の人たちがたくさん利用している
けっこう繁盛している鉄道のようです。


■嘉陽小火車に乗る

午前9時15分ごろ、乗車開始。
1両だけ連結された観光用車輌に乗り込みました。


いよいよ出発です。


ボッボッボッと味のある音ともに出発進行です。


写真に写っている男の子はずっと窓から顔を出していたので、顔がススで真っ黒になってました。


普通に座って乗っているだけなら、特に蒸気機関車だろうが電車だろうが違いは無いと思っていたけど、
思いのほか蒸気機関車のケムリの威力はすごい。。

みんな窓を開けているので、煙がガンガン入ってきてものすごく煙い。。

トンネルも通過します。



トンネル通過時は、車輌に電気が無いため真っ暗。
しかも車内が煙だらけになる。

やがて、車掌のおっちゃんよる記念品販売が始まった。


記念に絵葉書を購入。乗車記念スタンプが押された。


列車は順調に走る。


やがて次の駅、躍進駅に到着。
ここには炭坑があり、そこで採れた石炭を使って発電する火力発電所もあります。


発電所から煙がモクモクと上がっている。


さらに列車は走り、蜜蜂岩という駅に到着。
ここは駅だけどもホームなんてものは無い。


この駅ではスイッチバックを行い、列車は進行方向を変えます。
そのため、蒸気機関車も前から後ろに移動。




スイッチバック完了後、再び発車。


のどかな山間を走り続けます。


線路ギリギリに店があったりします。


菜子貝という駅に到着。ここもホームはありません。


なぜか駅前にはたくさんの子供達がいた。




子供達が自転車で列車を追いかけてきます。


煙をモクモクと上げ、さらに走り続けます。


焦貝駅にて停車。


石炭を運ぶ蒸気機関車の通過待ちのためしばらく停車。


この辺りには車が通れるような道路が無く、線路が唯一の「道」となっています。


やがて、終点の一つ手前の駅、芭溝駅に到着。
芭溝駅はこの辺りでも比較的大きな集落がある場所です。

いったんここで降りることにしました。


たくさんの村人が降りていきます。




機関士さんもちょっと一服。


やがて列車は終点駅、黄村井駅に向かって走り去りました。


列車が走り去った後、駅には静寂が戻ります。


線路の曲線にアートを感じる。


静寂に包まれたのもつかの間、次の列車に乗るため村人達が集り始めました。


15分後、終点の黄村井駅で折り返してきた蒸気機関車が再び現れました。


村人達が一斉に車両に乗り込んでいく。


ここからまた同じ線路を通って、始発駅の石渓駅へ戻りました。
最後の方は同じ景色に飽きてうたた寝してしまった。

正午12時半ごろ石渓駅到着。


嘉陽小火車は、レトロな蒸気機関車と、田舎のゆったりとした雰囲気が味わえるとてもよい場所でした。
ここまで来るのが多少面倒ですが、来る価値はあると思います。
まさに旅の穴場ですね。

もし時間があったら、途中下車して線路沿いを歩きながら沿線の村々をゆっくり散策してみたかったですね。



最近はこの鉄道も有名になってきて訪れる観光客もかなり増えていると聞きますが、
こののどかな雰囲気はこのままずっと残っていって欲しいと思います。

2月から3月の菜の花が満開の季節は絶景だそうです。


さてこれから旅は、再び成都に戻り、クライマックスに向かいます。


(つづく)



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