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世界遺産 福建土楼を巡る旅 (その1)

2011年01月03日 01時08分02秒 | -旅日記-

2010年12月24日~27日、香港のクリスマス連休を利用して、
中国福建省にある世界遺産、福建土楼を巡る旅に行きました。

土楼とは、福建省南西部や広東省北東部の山岳地帯で客家(ハッカ)が造り出した建築様式の一つです。
通常長方形か円形で、分厚い土壁を持った複数階の巨大な建築物であり、大集団がそこで生活しています。



客家は漢民族の一族で、古代中国においてもともと黄河中流域に暮らしていた貴族の末裔と言われています。
長い中国の歴史の中で戦乱を逃れる為に、一族で南へ南へと逃れて移動と定住を繰り返しました。
居住地は江西、福建、広東の奥地や、四川、台湾、海南島まで広範囲に及びました。
香港にも客家の人たちが今も住んでいます。

客家の移住先では、もともと住んでいた原住民との軋轢も多く、「よそ者」「お客さん」の意味で「客家」と
呼ばれるようになったと言われています。



移住先では、よそ者の客家の人々は辺鄙な土地に暮らさなければなりません。
そういった場所では自然災害も多く、強盗、猛獣などからも一族の身を守らなければなりませんでした。

そのため客家の人々は、数十家族が安全に暮らすことができる、分厚い土壁に囲まれた巨大な住居を造りだしました。

それが福建省を中心とする地域で生まれた福建土楼です。
福建土楼は客家土楼とも言われます。



2008年に、福建土楼はユネスコの世界文化遺産に登録されて、ここ数年一気に注目されだしました。

地図上で見ると、香港から土楼のある福建省永定県はけっこう近い。
そこでクリスマス連休を利用しての土楼巡りの旅を計画しました。


■旅の計画

土楼が点在する福建省永定県へは、主に福建省沿岸の大都市アモイから向かうか、
福建省内陸の都市、龍岩市から向かうかの2通りあります。

限られた時間を有効に使うために、香港のお隣の深センから寝台列車で龍岩へ向かい、
龍岩からバスで永定へ向かうことにしました。

旅の主要な目的の一つは土楼を見るだけでなく、土楼に宿泊することです。

写真を見て「ここに行きたい!」と思った初渓村を訪れてそこにある土楼に宿泊です。
そして朝日を浴びる初渓村土楼群の景色を見ることが一番の目的です。


以下のような3泊4日の土楼巡り一人旅です。

12月24日 深センから寝台列車に乗り込み列車泊。
12月25日 早朝に龍岩着、永定土楼民俗村で土楼見学、午後初渓村へ。夜土楼泊。
12月26日 永定土楼民俗村へ戻り田螺土楼群などを巡る。夕方龍岩へ移動。龍岩泊。
12月27日 龍岩から列車で深センへ戻る。




■深センから寝台列車で福建省龍岩へ

12月24日。クリスマスイブ。
香港の街はクリスマス一色。行き交う人たちもどこか楽しそうです。

この日は会社も通常より早く終了。
午後6時ごろ、嫁さんに送り出されて自宅を出発。バスと電車に乗って香港・深セン国境の羅湖口岸へ向かいました。

が、、ここで痛恨のミス。
香港出境には香港IDカードが必要なのだが、家に忘れてきてしまった。。
途中駅で気づいて急いで嫁さんに届けてもらい、何とか事なきを得ました。助かった。。

そんなこんなで予定より大幅に時間がかかって羅湖口岸へ到着。
香港のイミグレを通り無事出境。そして深セン川を渡り中国のイミグレを通り無事中国入国。

羅湖口岸を抜けた目の前に深セン駅があります。
ここから21時26分発の福州行き列車に乗って福建省の龍岩へ向かいます。

深セン駅前。


深セン駅に到着した頃にはもうすでに列車の乗車が始まっていた。
急いで駅の中へ入り列車の待合室へ向かいました。

深セン駅にもクリスマスツリー。


これから乗車する深セン発福州行き列車の待合室。

深セン駅はとても近代的できれいでした。

待合室に着いた頃はもうすでに乗車が始まっていて、すぐにホームへと向かいました。

駅のホームではすでに乗車が始まっている。


深セン発福州行き。福州は福建省の省都です。


切符を見せていよいよ乗車。これから龍岩までの約8時間半の列車の旅です。
中国の寝台列車に乗るのは2007年のチベット旅行以来。
ちょっとドキドキする。

深セン駅で事前購入済みの龍岩行き切符は、ランクが一番上の「軟臥」。269元です。
お値段がリーズナブルな寝台「硬臥」は、切符発売初日に買いに行ったけどすでに売り切れでした。

軟臥は4人コンパートメントで、狭いけどベッドもちゃんとしていて快適です。


下段ベッドの左側が今晩一晩過ごすベッドです。


21時30分ごろ、列車は深セン駅を出発。
深センの街並みを通り過ぎ、列車は一路、広東省から福建省へ向けて走り出しました。


列車の中では特にやることが無い。
そして仕事の疲れですぐに眠気が襲い、ガタンゴトンと列車の走る音を聞きながらそのまま就寝となりました。


■龍岩到着、そして土楼村を目指す

12月25日、朝。
列車は早朝6時に龍岩駅に到着です。

到着30分前の5時半ごろに列車の係員のおねえさんに起こされる。
寝ぼけながら急いで降りる準備をする。

外はまだ真っ暗です。
顔を洗って歯を磨いて荷物をまとめているうちに、列車は龍岩駅に到着。



列車を降りると、めっちゃ雨が降っているではないか。。
この先の旅が非常に不安になるも、とりあえず駅を出る。

駅の出口を出ると、当然まだ外は真っ暗。
朝早くから群がるタクシーや三輪バイクの客引きを無視して、とりあえず明るくなるまで切符売り場周辺で待つことにした。

切符売り場は早朝にもかかわらず窓口が開いている。


切符売り場に来たついでに、帰りの12月27日の深セン行き列車の切符を購入。
寝台席はすでにすべて売り切れ。そのため一番安い「硬座」の切符を購入。99元。安い。軟臥の3分の1だ。
8時間以上座りっぱなしは辛いけど、まあ朝出発で夕方深セン着の昼間移動なので良しとしよう。

切符売り場のベンチで明るくなるのをひたすら待つ。
外は雨が止む気配がない。。そしてめっちゃ寒い。。
待っている間に防寒対策をばっちりした。

龍岩駅前。


午前7時ごろ、やっと外が明るくなってきた。

そこで、約1時間ほど過ごした切符売り場のベンチを出る。
まだ外は雨が降っています。
土楼へ向かうため、まずは龍岩のバスターミナルへ。

バスターミナルが遠いのか近いのかよく分からないので、とりあえず駅前を走っていたタクシーを拾い、
龍岩のバスターミナルへ向かうも、意外と近く、5分ぐらいで到着。

龍岩バスターミナルから土楼観光の拠点となる永定土楼民俗文化村行きのバスが出ています。
すぐに乗れるバスが7時30分発ということでさっそくチケットを購入。
バスに乗り込み、時間通りの7時30分に土楼村を目指してバスは出発。
このころには幸いにも雨は止んでいた。


バスは龍岩市内を出ると、ひたすら田舎道を走っていく。


バスターミナルを出た時は乗客は自分を入れて3人だけだったけども、途中色んな場所でお客を拾ったりして、
バスはすぐに満席になった。

乗客は自分以外はすべて地元の人たち。
福建語だか客家語だか分からない言葉が飛び交っている。

それにしてもこんなド田舎にも中国は人がたくさんいる。

日本なら過疎化で人もまばらであろう農村にも人が山ほどいる。
この人口の多さが中国経済の原動力であることは間違いない。

途中、小さな町をいくつか通り過ぎて、龍岩を出て1時間半後いよいよ「土楼」の看板が見えてきた。
このころから、道路の大規模改修工事をしているせいで、道路が舗装されていない土道になっていた。

雨が降ったせいでとてもぬかるんでいて、バスは慎重に進んでいく。

福建土楼が2008年に世界遺産に登録されたことによって、周辺の大規模開発が始まっているようです。
道路改修は別にに良いと思うのですが、改修中の不便さを一切考えないところが中国だなと思う。
泥のデコボコ道をひたすら走らされる通行車両のことは一切念頭にないようです。

龍岩を出て2時間半後、周囲に土楼らしき建物がちらほら見えるようになってきた。
しばらくして、バスは「永定土楼民俗文化村」と書かれた門の前に到着。ここがバスの終点です。


バスを降りて、ここからいよいよ土楼巡りの始まりです。


(つづく)







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