「かえっておいでアホウドリ」
竹下文子・文 鈴木まもる・絵
ハッピーオウル社 32p ¥1400+税
2010年1月
絶滅したと思われた鳥島のアホウドリは、
ひっそりと生きのびて ひなを育てていました。
「むかしのようにふやすには どうしたらいいだろう」
アホウドリをまもるさくせんがはじまります。
アホウドリ復活の軌跡をたどるノンフィクション絵本
(初版オビより)
あおい うみの うえを とりが とんでいます。
つばさを ひろげると 2メートルいじょうもある
おおきな とり。アホウドリです。
(p2-3)
むかし、このしまには
アホウドリが とても たくさん きました。
しまじゅうが アホウドリで いっぱいになり、
じめんが みえないほどでした。(略)
(p.6-7)
プラスチックに いろをぬった ほんものそっくりの
デコイが たくさん できました。
それを しまの にしがわの あたらしいばしょに はこび、
とおくからでも よくみえるように ならべました。(略)
(p.22-23)
デコイを おいて 2ねんめの あき。
かんさつに やってきたひとが、そうがんきょうを のぞいて
「あっ!」と こえを あげました。
すわっていた アホウドリが たちあがったとき、
おなかのしたに しろいものが みえたのです。
「たまごだ。たまごを うんでいる」(略)
(p.26-27)
裏表紙
《制作ノート》
この企画がでたとき、「おっ、鳥島に行ける」と喜んだのだが、
いろいろ、いろいろ、紆余曲折…どうにも仕方のない諸々のこと等々あって、
鳥島に行くことはできませんでした。残念。
まあ、世の中、仕方のないことはたくさんあるものです。
行けなかった分は、たくさんの資料と想像力と創造力、
アホウドリに魅かれる気持ちで補い、絵を描きました。
昔、鳥島がアホウドリでいっぱいだった場面や、
人間たちによる悲劇、ティッケル先生のことなどは、
山階鳥類研究所やTV番組の動画で見ることができました。
あと、写真だと、どうしても地上からアホウドリを見るという
同じアングルになってしまうので、そうでない構図を工夫しました。
今までは、写真とデータ的にアホウドリを扱った本が主だったので、
子供にもわかりやすい美しい文と、写真では出せない絵の力で、
アホウドリの復活していく様子が伝わればと思っています。
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かえっておいでアホウドリ (おはなしのほん) | |
鈴木 まもる | |
ハッピーオウル社 |