Japan is Cool !日本ってカッコイイ!

日本人の皆さん20世紀、世界で一番貢献したのは日本なんですよ。
そして21世紀、世界中で日本がカッコイイんです。

おすすめ本!『新幹線がなかったら』/山之内秀一郎 著

2007年07月02日 | 日本の誇り 新 幹 線
第1章 鉄道大国日本

世界の鉄道利用客の半分は日本?

いまから四年ほど前、フランスの鉄道雑誌に日本の鉄道を紹介した記事を見つけた。読んでみると、なんと「世界で一日に鉄道を利用する人の半分は日本だ」と書いてある。これにはびっくりした。
さっそく調べてみると、世界で一日に鉄道を利用する人は全部で1億6000万人。そのうち実に6200万人が日本なのである。世界の中にはもちろん中国やインド、ロシアも含まれている。半分とまではいかないが全世界の40%に相当する。
この数字の中には JR と民鉄や地下鉄など異なった会社に乗り換えて利用される方は二重、三重に計算されているので、実際にはもう少し少ないのだろうが、それにしても日本は大変な鉄道大国なのである。


もし新幹線がなかったら

最近日本を訪れたフランスの鉄道マンが大変面白いことを言った。
「ヨーロッパでホテルに泊まると窓から線路が見えることがよくあるが、なかなか列車は来ない。ところが、日本に来て京都のホテルに泊まったときに窓の外を見ると、いつ見ても目の前を新幹線が走っている。」
東海道新幹線は多い時には一時間に11本の列車が走っている。往復でみると、20本以上の列車が走っているので、3分ごとに列車が通ることになる。フランス人の言うことも当然なのである。
こんな鉄道は世界にも例がないといってもいいだろう。なにしろ東海道新幹線の輸送量だけでフランス国鉄の全輸送量の70%に相当するのだから。

フランスの新幹線にあたる TGV の路線の中でも最も輸送量の多いパリとリヨン間ですら1日の利用客は4万8000人。その輸送量は東海道新幹線の7分の1で、上越新幹援と同じらいなのである。
それでもフランス国鉄にとってはドル箱路線のようで、1997年に日本を訪れたガロワ総裁は私に「もしパリとリヨンの間の TGV 路線だけを残して、あとの路線を全部廃止できたらこんなに幸せなことはないのだが」と語ったものだった。
もし日本の国鉄が東海道新幹線をつくっていなかったら、どうなっていただろうか。
新幹線のできる前の最も速い特急電車「こだま」は東京と大阪の聞を6時間30分かかって走っていた。途中に急曲線や分岐器の多い旧東海道線ではこれ以上のスピードアップはむずかしい。
当時はまだ航空運賃が鉄道よりもはるかに高かったので、それでもたくさんのお客様が利用してくださったが、運賃にあまり違いのなくなった現在では、6時間半もかかるようでは列車を利用する人はほとんどいないにちがいない。当然、その後にできた山陽、東北、上越などの新幹線も生まれなかっただろう。
そう考えると、もし、いまから約40年前に新幹線をつくるという英断をしていなかったならば、日本の鉄道は東京、大阪などの大都会の路線を除くと、ほとんどの路線は赤字のローカル線になるか、あるいは姿を消していたかもしれない。ひとつの意志決定が日本の鉄道を救ったのである。

それだけではない。日本の新幹線の成功が鉄道の先進国ヨーロッパにショックと刺激を与え、フランスの TGV やドイツの ICE を生んだ。日本が新幹線をつくっていなかったならヨーロッパの高速鉄道も生まれず、鉄道の旅客輸送は衰退していたにちがいない。
さらに、アジアでは、いま韓国をはじめ中国、台湾などで新幹線に相当する高速鉄道の建設計画も動き出している。新幹線をつくるという意志決定は世界の「鉄道」という産業の将来を左右する意志決定でもあったのである。

もし新幹線をつくっていなかったならば、航空機で同じ数のお客様を運べるだろうか。東海道新幹線は十六両編成で一本の列車で、1300人の乗客を運ぶことができ、多いときには5分間隔で走っている。
試みに東海道新幹線のお客様を航空機で運ぶとしたら、航空機が何機必要になるか計算をしてみた。新幹線を利用されるお客様でも近距離の旅行の方は自動車に移ると思うので、300キロ以上の距離を旅行される方が航空機に移ると仮定した。

その結果、ジャンボ機が約百機必要になるという答えが出た。日本の圏内航空の全輸送量の約半分に相当する乗客が東京ー大阪間に増えることになる。東京ー札幌聞は世界で最も乗客の多い航空路線で一日に約2万人が航空機を利用しているが、その9倍の乗客を運ばなければならないことになる。これはとても不可能だろう。
また、もし新幹線の代わりにパスで運ぶとしたらどうなるだろうか ?
計算をしてみると40人乗りのパスで同じ数の乗客を運ぼうとすると十秒間隔でパスを走らせなければならないことになる。実際には航空機とパスの両方で運ぶことになるのだろうが、それでも新幹線と同じ数の乗客を運ぶことは不耳能だろう。

有名なイギリスの経済雑誌「エコノミスト」の1998年2月21日号は「鉄道の新時代」という記事の中で、「もし東海道新幹線が建設されていなくて、同じ人数を乗用車で運んだとすると、毎年1800人の死者と1万人の負傷者が出ることになる」と記している。新幹線をもしつくっていなかったなら、現在の日本の経済成長は不可能だったのかもしれない。
ひとつの意志決定が国の経済の将来を左右していたかもしれないのである。

新幹線がなかったら 山之内秀一郎 朝日文庫 ¥760 より抜粋

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国際派日本人養成講座 人物探訪:島秀雄 ~ 新幹線の生みの親
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