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【サッカー】06-07CL各グループ分析(2)E~H

2006-08-26 22:58:50 | スポーツ
☆Group E【レアル・マドリー/リヨン/ステアウア・ブカレスト/ディナモ・キエフ】

・・・このグループは一番予想が立て易いだろう。余程のアクシデント(主力選手の怪我による長期離脱など)がない限り、普通に上2つで決まる可能性は極めて高い。

マドリーはジダンが引退したとはいえ、監督はカペッロ、戦力的にもV・ニステルローイ、エメルソン、ディアッラ、カンナバロなど相当な補強を行い、チームとしての連携が整う・戦術が浸透するまでにある程度時間を要するとはいえ、GLを突破する力がこのグループであるのは明らかだ。(もっとも開幕したリーガ・エスパニョーラの第一節はホームで出来がかなり悪くスコアレスドローだったようだが)
何よりもカペッロは守備からチームを造る「手堅い」監督だし実績は十分、チームがフィットしてくるであろう来年の決勝Tになれば、優勝候補一番手のチームになっている可能性も出てくるだろう。

リヨンは中盤の守備の要のディアッラを件のマドリーに持っていかれ少々苦しくはあるが、ここ最近のCLでは常にダークホース扱いされる常連、チームの熟成度の点からすれば一位通過する可能性は十分あるだろう。

ブカレスト、キエフは、やはりどう見ても苦しい。キエフは一応最近のCL常連であるからともかく、ブカレストはCLは久しぶりの筈だ(ただポッド3に入れられたということは、UEFAカップではそこそこやっていたかもしれない。ちょっとこのクラブの情報についてはよく知らないので申し訳ない)。
ただブカレストは全員自国ルーマニア人で固めているようなので、意思疎通連携面のアドバンテージで頑張るしかないだろう。キエフは、寒くて他のクラブが嫌がるホームで如何に頑張れるかだ。又、第二節でマドリーとアウェーで当たるが、まだチーム作り直しの最中のマドリーをもし叩くことができれば突破の芽も出てくる。


☆Group F【マンチェスター・U/セルティック/ベンフィカ/コペンハーゲン】

・・・このグループは、同じプレミアのリバプールが入っているGroup Cと同じような感じだろう。マンUがあっさり抜けてもおかしくは全くないが、混戦になる目もある。

マンUは今のところ目立った補強は中盤のキャリックのみで、しかもニステルローイはマドリーに移った。但し、昨シーズン長期離脱していた怪我人(スールシャールやスコールズなど)が殆ど戻ってきて、今のところプレミアでは好調である。
チェルシーが大型補強をしてリーグ連覇した過去2シーズンはマンUはリーグでもこのCLでも少々揮わなかったが、補強を控えた今シーズンは逆に上手く噛み合う可能性はある。

しかしながら、ファーガソンが長期政権過ぎること、選手層がこれまでほどには厚くないこと、ロイ・キーンやバットが抜けてから中盤の守備に貢献できる選手が未だに固まっていないことなど不安材料はやはりあって、試合数がかさんできて歯車が狂うと途端におかしくなることも考えられるのだ。

セルティックは、PSVの巨漢FWフェネゴール・オブ・ヘッセリンクを補強し、FWの軸ができた印象がある。ペトロフや俊輔のCLでの活躍は未知数だが、俊輔は正確なFK・CKが蹴れるので、セットプレーからヘッセリンクの頭に合わせるのはなかなか怖い攻撃になる筈だ。

ベンフィカは昨シーズンのCLでマンUとGLで当たり、お互いにホームで勝利を収めたが、結果的にマンUは最下位にまで落ちたので、マンUとしては余りいい感じは持っていないだろう。加えて、ベンフィカはシモンやルイゾンやM・フェルナンデスらの主力の放出は免れたうえに(移籍市場は今月いっぱいなのでまだ分からないがおそらく大丈夫だろう)、ミランからルイ・コスタが戻ってきており、なかなか侮り難いメンバーになっている。第二節でホームにマンUを迎えるがここを昨シーズン同様勝利できれば、首位通過も有り得るかもしれない。

コペンハーゲンは苦しいのは間違いないが、グロンケア、リンデロート、アルベックなど馴染みのあるメンバーも加わっており、予備選ではアヤックスを(運もあったとはいえ)退けて本戦に勝ち上がってきているため、他の3クラブにとってもそう安易に軽視できる相手とは言えない。私も情報が殆どないためこのクラブ(のサッカー)については殆ど知らないが、組織的なサッカーを展開できればサプライズを起こす可能性もあるだろう。


☆Group G【アーセナル/ポルト/CSKAモスクワ/HSV】

・・・ここも、プレミアのクラブがいるからという訳ではないものの、Group C,F同様、いくらアーセナルが昨シーズンのCLファイナリストと言っても混戦になる目は否定はできない。

前線のタレントだけを見れば、エースのアンリにW杯でブレークしたV・ペルジーにロシツキーも加わったアーセナルが頭一つ抜けていると言ってもいいが、最終ラインは長期欠場のローレンに代わって右SBで出ているエブエは攻撃力はあるが守備は雑、同じく長期欠場センデロスに代わりCBを務めているジュールーも若さが残り、左サイドのA・コールはチェルシー移籍がまだ噂されてるせいかリーグ戦には出ていない。A・コールと引き換えにギャラスを獲れてセンデロスも戻ってこればセンターの守備は安定するが、そうならない限りは最終ラインは不安定なままだ。

実際、直近のリーグ戦では、これまでカモだったマンCに、アウェーとはいえプレミアシップに改名されて以来初めての黒星を喫している。攻撃面でも、アンリのコンディションが整っていない今は、チャンスは作り出せてもなかなか点が決まらない。元々綺麗なサッカーを志向するベンゲルの下では折角ポスト役で獲った筈のアデバイヨールもコンスタントに出番がなく、出ても彼の特性は余り活かされていない。
そういった点から、「ヨーロッパ戦ではどうもイマイチ」なアーセナルが復活してしまうことも有り得る訳だ。

一方、ポルトは、モウリーニョが中心選手ごと抜けてからは相当の弱体化が予想されたが、昨シーズンのCLもそこそこの戦いを見せていたし、メンバーを見る限りそれなりにやれる筈だ。ただ、期待はされながらも開花しきっていないクァレスマやポスチガなどがしっかり仕事ができないと苦しいことは苦しいだろう。

CSKAモスクワは、一昨シーズンのCLではさほど印象がなかった。ロシアのクラブだけにロシア代表クラスのメンバーは結構いるが、ロシア代表自体最近不振である。ただ、それでも前線にはまだヴァグネル・ラブやオリッチなどの選手もいるので、ホームでいい戦いができれば突破を争うこともできるだろう。

HSVは、昨シーズンは途中までバイエルンとブンデス・リーガで優勝争いを演じ久しぶりのCLになるが、守備の堅さを担っていたV・ブイテン、ブラルーズの不動の2CBが抜かれ、前線ではベテランのアイウトン、バルバレスまでいなくなった。
CBとしては若手のホープのコンパニやマタイセン、FWではゲレーロやサノゴなども一応補強できたが、若い人材ばかりなうえセンターラインの急な入れ替えでリーグとCL二束のわらじを履くのは少々厳しいものがある。
但し、潜在能力のある若手が多いので、調子に乗ればグループをかき回せる面白い存在になれるかもしれない。同時に、全く噛みあわず空中分解のおそれもある。


☆Group H【ミラン/リール/AEKアテネ/アンデルレヒト】

・・・一部のサッカーファンの間では八百長とまで叩かれるくらい、ポッド1の8クラブの中で、ミランは最もラクなクジを引いた、まぁそう言われても仕方のない組み合わせではある。もっとも、Group Aを筆頭にB,C,Gなどで厳しいグループができたので、どこかで戦力的に差があるグループができるのは当然と言えば当然なのだが。

ミランは、セリエAの八百長疑惑に絡んで予備選からの参加を余儀なくされ、補強も遅れている。ただ、レンタル先から復帰した選手もおり、層が薄くなってるとはいえここでの敗退は許されないところだ。
気がかりなのは、エースとして活躍しなければならないジラルディーノが、昨シーズンのCLも今シーズンの予備選でも未だにゴールがないことだ。予備選はレッドスター相手に格の違いを見せつけ難なく本戦出場を決めたが、FWでゴールを決めたのは「相変わらず」ヨーロッパ戦に強いピッポ・インザーギの方だった。いくらピッポがヨーロッパ戦で強いと言っても既に大ベテラン、ジラルディーノの「覚醒」は今後必須になるだろう。

リールは、昨シーズンのCLに引き続きの出場で、昨シーズンはマンU・ビジャレアル・ベンフィカと同居する厳しいグループに入り善戦したものの、後一歩で決勝Tを取り逃がした。昨シーズンからのメンバーとは殆ど変わっていないので躍進が期待されるが、堅実さの裏返しで爆発力が今ひとつない点が不安材料ではある。
ただ、リーグアンでもコンスタントに結果を出しているので、ミラン以外には十分戦えるだろう。

AEKアテネ、アンデルレヒトは、それぞれクラブの所属する国の代表クラスの選手が結構揃っているとはいえ、どうしても所属リーグのレベルの差からして、ミランやリールを食うのは少々厳しいだろう。
もっとも、ミランはともかく、AEKアテネやアンデルレヒトは昨今のCLの出場経験においてはリールよりも上なので、その点をアドバンテージに手堅い戦いができれば2位通過も狙えるだろう。