東アジアサミットと東アジア共同体
日本は中国・韓国との間で歴史認識問題や領土問題などで外交的政治的な面での対立や摩擦を解消できていない。一方で、経済的には東アジア・東南アジア地域の巨大な市場と急速な経済成長で相互の結びつきを強めている。
こうした状況を背景にヨーロッパにおけるＥＵ（欧州連合）を手本に東アジアにおける政治的経済的地域統合を目指すものとして構想されているのが「東アジア共同体（ＥＡＣ）」構想である。具体的には、まずアジア共通通貨（「アセアナ」）を導入して、各国の為替相場の安定を図り、経済統合を進めようとするものである。
昨年12月14日、マレーシアのクアラルンプールで東アジアサミット（East Asia Summit：EAS）の第一回会議が開催され、「東アジア共同体」に関してはじめて公式に論議された。しかし、日本と中国との間での主導権争いやアメリカのけん制などもあり、今後の道筋が見えてはいない。
◇東アジアサミット、30億人市場統合促進・共同体構築へ宣言（2005.12.14）
【クアラルンプール＝佐藤賢、伊東義章】東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）加盟国と日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16カ国は14日、マレーシアのクアラルンプールで初の東アジア首脳会議（サミット）を開いた。域内の経済統合を促進することなどで合意し、将来の東アジア共同体構築で「重要な役割を果たし得る」と明記した共同宣言に調印した。人口30億人、域内総生産（ＧＤＰ）8兆2000億ドルの巨大市場の新たな枠組みづくりが始動した。
サミットには小泉純一郎首相、中国の温家宝首相、韓国の盧武鉉大統領、インドのシン首相らが出席、マレーシアのアブドラ首相が議長を務めた。開会式ではゲストとしてロシアのプーチン大統領も演説。毎年、ＡＳＥＡＮの議長国でサミットを開くことで合意し、来年はフィリピンで12月に開く見通しだ。
抗ウイルス剤の共同備蓄を柱とした鳥インフルエンザ対策に関する特別声明も採択する。 （NIKKEI NET から引用）
参考：東アジア首脳会議（外務省）
東南アジア諸国連合（外務省）
日本アセアンセンター
（設問 １）東アジアサミット参加国の基本データ（元首・通貨単位など）を表にまとめなさい。
（設問 ２）東アジアサミットに、本来「東アジア」という地理的な条件にはない国が参加しているのはなぜか？
（設問 ３）EU（欧州連合）に加盟している国で通貨「ユーロ」を採用していない国をあげなさい。
（設問 ４）次の通貨単位はどこの国のものか？
①「クローネ」 ②「ランド」 ③「バーツ」 ④「ポンド」 ⑤「ルピア」 ⑥「リンギ」 ⑦「レアル」 ⑧「ドン」 ⑨「ルピー」 ⑩「ルーブル」