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逐条審議

またまた何だかんだで更新が滞ってしまいました・・日々、勉強です。

さて、今回は逐条審議について紹介したいと思います。

逐条審議は、昭和30年代までの国会で、重要法案を審議する際に利用されていました。

逐条審議とは、その名のとおり、法律や条約などの箇条を一つひとつ取り上げて審議する方法です。

昭和26年の第12回臨時国会の「平和条約及び日米安全保障条約特別委員会」では委員長から逐条審議を行う旨の発言があり、各章を9回に分けて審議の後、総理への補足質問、総括質疑を行いました。

国会会議録から、具体的な内容を数例だけ挙げてみます。

昭和26年10月18日:衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会

○委員長

これより会議を開きほす。平和条約の締結について承認を求めるの件、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の締結について承認を訳めるの件、右両件を一括議題として質疑に入ります。質疑はまず両件に対する総括的質疑をなし、次いで各條約ごとに逐條質疑を行いたいと存じます。

昭和26年10月20日:衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会

○委員長

これより会議を開きます。昨日までの総括的質疑によりまして、両條約の大綱及びこれに関連する基本的な諸問題の概略を明らかにすることができたと存じます。

本日より各條項について逐條審議の形式によつて質疑を続行することにいたします。平和條約から始めることにいたしまして、便宜上各條ごとに議題に供することとし、各條ごとに通告に従いまして質疑を許すことにいたします。まず平和條約前文を議題に供します。

昭和26年10月22日:衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会

○委員長 

これより会議を開きます。前会に引続きまして、質疑を継続いたします。平和條約第二章第三條を議題に供します。

昭和26年10月23日:衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会

○委員長

会議を開きます。本日は安全保障條約及び交換公文に対する逐条の質疑を行うことといたします。まず安全保障條約の前文及び交換公文を合せて議題に供します。

今後の我が国の在り方を大きく転換することになるであろう束ね法案の審議も、かつての例を見習って、細かく審議すれば、論点がもう少し明らかになり、国民にとって分かりやすい議論になるのかもしれません。

そもそも、法案を束ね過ぎですしね・・。

束ね法案であったとしても、個別の法案ごとに審査や参考人質疑を行うこともありますので、次は、その事例をひとつ紹介したいと思います。

[追記(7/4)]

いやー、びっくりしました。

実は、文章をアップした後、誤字脱字があれば、直さねば、と思うこともあるので、落ち着いたら見返すようにしているのですが、一日以上経ってからですが、さきほど見返したら、??という箇所がありました。

で、私がコピペを間違ったのかと思いきや、そうではなく、結構驚いています。

上記で過去の国会会議録を引用しましたが、昭和26年10月18日:衆議院 平和条約及び日米安全保障条約特別委員会の開会部分です。
            
「これより会議を開きほす。」??いくらなんでも、開きほすって・・。

発音間違いとも、聞き間違いとも思えないので、これは原因を探りたい!と思い、ちょっと調べたらすぐ分かりました。

おそらく、過去の会議録をデータに変換する際に、紙媒体の会議録をスキャンしたうえで、機械に読み込ませたのでしょう。当該会議録のpdfを見てみると、「ま」の真横に、縦線が。。おそらく、この汚れと思われる縦線のせいで、スキャンした際に、「ま」が「ほ」になったんでしょうね。
              
これは、国立国会図書館に指摘すべきかどうか、迷うところです。
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