劇場レポート③は「光合成生物」についてです!
それではさっそくいきましょう。
①光合成生物が登場したのはなんで?
レポート①にあるように、生命が誕生した頃の地球はCO2だらけ。
その頃の生物は窒素や硫黄をエネルギー源としていました。
O2・太陽光は当時の生物にとって生死を分けるとても危険なものだったのです。
しかし、約35億年前、逆にO2をエネルギー源とする原始酸素生物、太陽光をエネルギー源とする光合成生物が誕生します。
光合成生物ははじめは酸素不発生型でしたが、光合成で酸素を発生させる酸素発生型が後に登場します。
その代表例がシアノバクテリア。
(東京薬科大学 細胞機能学研究室より)
約27億年前には他の生物が生きられないところでも生きられる、エネルギー効率の高い、シアノバクテリアが海を埋め尽くすほどの大繁殖を遂げます。
光合成生物の大繁殖にともなって地球にはどんどんO2が増えていきます。
すると、それまでは少数派だった酸素生物が増加したO2をエネルギーとして増殖していきます。
②真核生物が登場したのは何で??
真核生物とはそれまでの原核生物とは異なり“はっきりとした“核を持つ生物のことです。
今から20~15億年前に誕生したと考えられています。さて、その真核生物はどのように誕生したのでしょう?
一般的には有害なもの(酸素や光)から自分のDNAを保護するために細胞を大きくしていき、さらにDNAを核膜の中に保護した(膜進化説)といわれることが多いようですが、果たしてそれだけなのでしょうか?
ここでレポート2に出てきた「膜」に注目してみるともうひとつの説がみえてきます。
酸素の増加や好気性細菌やシアノバクテリアの増殖に対して、敵であった生物を取り込むことで、
共生を図ったのではないかという説(共生説)です。
取り込まれた生物(真核細胞の各機能)もまたそれぞれ細胞膜をもっています。これらの膜の「認識機能」を使って、細胞内の機能分化が可能になったと考えられます。
(なんでや劇場資料21より)
ちなみに好気性細菌はミトコンドリアに、シアノバクテリアが葉緑体になりました(どちらも独自のDNAをもっています。)
このとき、各機能間の情報伝達も当然行われていたでしょう。これが神経系(情報伝達)を発達させた多細胞生物へ足がかりにもなったと考えられます。
このようにして真核細胞が生まれたわけです。
光合成生物、酸素生物など異種要素のとりこみは生物にとって大きな賭け でした。
しかし、その賭けによって、より効率的なエネルギー生産システムと細胞としての安定性を確立していったのです。
生物誕生から約18億年の歳月をかけて、やっとひとつ細胞の原型を作り上げた生物。
このあと、どのような外圧により、どう進化していくのでしょうか?
次回の劇場もたのしみですね!
3回に渡った劇場レポートいかがでしたでしょうか??
これを読んでちょっと生物がおもしろくなったっていう方はぽちぽちぽちとお願いします。
以上m!sh!でした
それではさっそくいきましょう。
①光合成生物が登場したのはなんで?
レポート①にあるように、生命が誕生した頃の地球はCO2だらけ。
その頃の生物は窒素や硫黄をエネルギー源としていました。
O2・太陽光は当時の生物にとって生死を分けるとても危険なものだったのです。
しかし、約35億年前、逆にO2をエネルギー源とする原始酸素生物、太陽光をエネルギー源とする光合成生物が誕生します。
光合成生物ははじめは酸素不発生型でしたが、光合成で酸素を発生させる酸素発生型が後に登場します。
その代表例がシアノバクテリア。
(東京薬科大学 細胞機能学研究室より)
約27億年前には他の生物が生きられないところでも生きられる、エネルギー効率の高い、シアノバクテリアが海を埋め尽くすほどの大繁殖を遂げます。
光合成生物の大繁殖にともなって地球にはどんどんO2が増えていきます。
すると、それまでは少数派だった酸素生物が増加したO2をエネルギーとして増殖していきます。
②真核生物が登場したのは何で??
真核生物とはそれまでの原核生物とは異なり“はっきりとした“核を持つ生物のことです。
今から20~15億年前に誕生したと考えられています。さて、その真核生物はどのように誕生したのでしょう?
一般的には有害なもの(酸素や光)から自分のDNAを保護するために細胞を大きくしていき、さらにDNAを核膜の中に保護した(膜進化説)といわれることが多いようですが、果たしてそれだけなのでしょうか?
ここでレポート2に出てきた「膜」に注目してみるともうひとつの説がみえてきます。
酸素の増加や好気性細菌やシアノバクテリアの増殖に対して、敵であった生物を取り込むことで、
共生を図ったのではないかという説(共生説)です。
取り込まれた生物(真核細胞の各機能)もまたそれぞれ細胞膜をもっています。これらの膜の「認識機能」を使って、細胞内の機能分化が可能になったと考えられます。
(なんでや劇場資料21より)
ちなみに好気性細菌はミトコンドリアに、シアノバクテリアが葉緑体になりました(どちらも独自のDNAをもっています。)
このとき、各機能間の情報伝達も当然行われていたでしょう。これが神経系(情報伝達)を発達させた多細胞生物へ足がかりにもなったと考えられます。
このようにして真核細胞が生まれたわけです。
光合成生物、酸素生物など異種要素のとりこみは生物にとって大きな賭け でした。
しかし、その賭けによって、より効率的なエネルギー生産システムと細胞としての安定性を確立していったのです。
生物誕生から約18億年の歳月をかけて、やっとひとつ細胞の原型を作り上げた生物。
このあと、どのような外圧により、どう進化していくのでしょうか?
次回の劇場もたのしみですね!
3回に渡った劇場レポートいかがでしたでしょうか??
これを読んでちょっと生物がおもしろくなったっていう方はぽちぽちぽちとお願いします。
以上m!sh!でした
ちなみに、ミトコンドリアや葉緑体等の各器官と核との関係ってどんな関係なんでしょうね?
ミトコンドリアのDNAの幾らかが核に取り込まれているというのを聞いたことがあります。
共生って互いに住み分けるというよりは、融合に近い関係なのかも。
ミトコンドリアとかシアノバクテリアの方が強いのに…彼らにとってもなんらかのメリットがあったってことかな?
そのほうが安定できるからじゃないでしょうかね。
たとえば、
・好気性細菌はO2が多い環境では生存可能性は大きいが、そうでない環境だと生存できない。
・シアノバクテリアは太陽光が当たるところでは生存可能性は大きいが、そうでない環境だと生存できない。
要は、限定的な環境でしか生存できない存在だったので(もちろんそれもアリだし、今でも彼らは単体で生存してますが)、より安定的、すなわち変わり続ける環境に適応してゆくために膜の中に共同体を作り、協働して適応していったのではないか、とおもってます。
言わば、細胞内に新たな外部空間を作り、そこに異種要素を引き入れることで、協働を可能にしているらしい。
生命の粘り強さや、適応戦略のすごさに驚かされます。
参考になりそうな記述を見つけたので、紹介しておきます。
>ミトコンドリアや葉緑体は独自のDNAを持っている。ただし、現在ではそれ自身のDNAだけでは自分を複製できなくなっている。長い間共生を続けた結果、自分自身のDNAの一部が共生した細胞の核に取り込まれてしまったらしい。
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/seimei/seibutsunoshinka-01.htm
>長い間共生を続けた結果、自分自身のDNAの一部が共生した細胞の核に取り込まれてしまったらしい。
こう考えると、長い何月で考えるとたしかに融合ともとれますね。