ブログ de なんで屋 @東京

みんなで「これからの社会」を考えるために、『場』と『認識』を提供する社会事業です。

ドル暴落のババを引くのは誰か?(2)

2008-01-07 18:26:51 | なんでや劇場
続きはポチッとお願いします。
にほんブログ村 政治ブログへ


●ドルはババ抜きのババ
しかし、略奪(軍事力)や騙し(世論操作)による収奪特権が永続しないことは歴史の法則である。もはや世界中の反米意識の盛り上がりは止めることができない。ドル離れは世界的な潮流になっており、アメリカがどうあがこうともいずれドル暴落は避けられない情勢になってきた。おそらく、金貸したちはそのことは分かっている。中国やロシア、イラン等の中東諸国、南米、EC等、各国の指導者たちも当然わかっている。今やドルはババ抜きのババ状態であり、誰が最初に仕掛けるか、誰が最後にババを引くのかのせめぎ合いになっていると見るべきだろう。

今後の世界情勢は、アメリカVS中国・ロシア・中央アジア諸国・イラン(及びインド・パキスタン等を加えた上海協力機構)の構図で読み解く必要がある。アメリカは一極支配でドル基軸通貨体制を維持しようと悪あがきをする。それに対して中国・ロシア等はアメリカの一極支配を打倒し、多極化を図るべく、目下のところは共闘している。大局的に見れば、アメリカと新興諸国が覇権を争い合っている状況にある。

中国は、目下のところアメリカとまともに戦う実力はない。おそらく中国の戦略は当面ドル主導で経済成長を続け、その隙に生産力と軍事力を蓄えて、来るべき戦いに備える(おそらく将来的にはアメリカ・台湾・日本との戦争も辞さない)という戦略だろう。目先的にドル売りを仕掛ければ、加熱しているバブルの崩壊は避けられない。従って、目先中国が仕掛けてくる可能性は低い。

ロシアは、エリツィン時代の借金を完済し、プーチンになって明らかなるアメリカへの対抗姿勢を見せている。プーチンが仕掛ける可能性はあるかも知れない。しかし、ロシア経済はまだまだ足腰が弱く、石油・天然ガスや武器の輸出頼みである。世界恐慌になれば、ロシアの利益の中心であるEUや中国といった輸出先も大打撃になる。ルーブルを決済通貨にするにも未だ時間がかかる。おそらく、ロシアはアメリカに対する恨み心頭(冷戦時代の覇権争いには負け、アメリカの言いなりでやった市場化では大混乱)であるが、当面は中国等の出方を伺うしかないのではないだろうか?

●誰がババを引くのか?
そう考えると、ドル売りを仕掛けるのは、やはり金貸し(D.ロックフェラー等の国際金融資本)である可能性が高い。とりわけ、D.ロックフェラーは、元々多極派であり、アメリカに対するこだわりもない。基本的に儲かりさえすれば寄生先はどこの国でもいい。

おそらく、金貸したちは日本の郵貯等を軍資金にしてドル売り→世界恐慌を仕掛けるだろう。彼らは用意周到に石油や食料、金、レアメタル等の現物は押さえてあるので、ドルが暴落してもちっとも構わない。それどころか、世界恐慌は思う壷で、ドルや石油等の先物取引で儲けた資金で暴落した日本企業の株を買い占めてゆくだろう。さらには、バブル崩壊による中国の政情不安にかこつけて、民主化運動を焚きつけ、共産党を打倒して傀儡政権を樹立するよう画策するであろう。また、ロシアのプーチン(及びKGB一派)を打倒し、エリツィンの時のような傀儡政権を奪回しようと動くであろう。

つまり、アメリカはもう衰退国として見捨て、日本を完全支配した軍資金を元手に中国・ロシア等を新たな覇権国家(新たな寄生先)として育ててゆくというのが彼ら金貸しの戦略であろう。そして、ユーロやアジア共通通貨等、ドルに替わる新たな基軸通貨を発行する特権を手中にすることを狙っているに違いない。

金貸したちは、ババを引かないように焦っており、彼らの戦略が現実のものとなる日は遠くない。(ヘタをすると今年がその年になるかも知れない。)今のままでは、最後のババを引くのは間違いなく日本である。アメリカの属国である日本の政府や機関投資家は、売るに売れずにドルや米国債を最後まで手放すことができないだろう。

一刻も早く、金貸し→アメリカ→官邸→マスコミ支配から脱却しなけばならない。
路上から、ブログからジャンジャン発信しよう!


※参考(こちらも読んでね)
基軸通貨を守り通すということは、必然的に世界に暴力と戦争をふりまく
なんで屋劇場『金貸し支配とその弱点、'08経済破局は来るのか』4 ~基軸通貨体制崩壊後の世界
ドル基軸通貨体制崩壊が始まるのは7月か?(山崎拓、中川、中曽根が7月の大連立を示唆)

最後まで読んでくれてありがとう。
byゆっきー

最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (matsu子♂)
2008-01-08 20:52:41
わかりやすい記事をありがとうございます。

一気に読みきってしまいました

>今のままでは、最後のババを引くのは間違いなく日本

ここまで分析がされているので、この一文は非常に恐ろしく感じました。

>一刻も早く、金貸し→アメリカ→官邸→マスコミ支配から脱却しなけばならない。

ほんとにそうですね。脱却できるようにがんばっていきましょう
ババがあるなら (ニシヒデ)
2008-01-08 21:18:10
ドルの暴落が不可避なら、ババを誰かが引くのも不可避ですね。

で、このままいくと日本の資産は一部の金貸しの好き勝手に使われそうです。

それならば、いっそババがババであることを世界に知らしめ、手の内をオープンにして日本が主導権を握って積極的に資産を投入することで世界経済をソフトランディングさせれば、新しい時代の「Japan as No.1」が共認されるのではないでしょうか。
Unknown (オオモリ。)
2008-01-08 21:45:30
金貸したちが焦って日本の政界に介入し、大連立を謀っているのなら、それを逆手にとれないか?

たとえば、表面では金貸しの言うとおり大連立しておいて、与野党一体化したあとギリギリで国益派に鞍替えする。とか。

とにかく、日本が一枚岩になって金貸しどもに“NO”というしか道は開けない。
日本の政治家には踏ん張ってほしい!
Unknown (一文字)
2008-01-11 01:13:14
今年の課題は、これです。
教えてください~ (andy)
2008-01-17 02:47:27
>金貸したちは日本の郵貯等を軍資金にしてドル売り→世界恐慌を仕掛けるだろう

郵貯・簡保に預けられた350兆円の資産をどういう風に運用するんですか?
ゴールドマンサックスを使って、「資産運用先を日本国債から米国債やドル買いに変える=金貸し側から見るとドル売り」
ということですかね?
ただしそうなると日本国債の買手がなくなり、国債の下落になりかねないので、そんなことを郵貯銀行が短期間でするんでしょうか?
Unknown (ゆっきー)
2008-01-17 13:12:37
いろんなやり方があると思いますが、
例えば、ドルの現物売り・先物買いというやり方があるでしょう。

ドルの現物を大量に売り(その替りにユーロや円など比較的割高となると思われる通貨を買う)、ドルを下落させておいて、下がったところで買い戻す(ユーロや円は売る)というやり方です。
そうすれば、ドルが下落した分儲けることができますし、ユーロや円が値上がりした分でも儲けることができます。(勿論ユーロや円で持ち続けてもいい。)

※他には、米株や米国債を同じような現物売り・先物買いの手口で仕掛けるというやり方も考えられます。そうすれば、米経済の衰退予測からドルも下落します。たぶん、為替・株・国債の売り仕掛けと石油や食料、金等の現物買い仕掛けとのの併せ技で来るでしょう。(石油や食料、金等は現物買い・先物売りで大儲けです。)

ドル・米株・米国債が下落すれば、輸出頼みの日本の株も下がるでしょう。(日本の国債は、なんだかんだ言ってまだ安心だということでそれほど下がらない可能性もあります。この点は別途分析要。)

そうやって、為替や石油の現物取引等で儲けた資金で日本企業の株を買い占めるという戦略だと予想されます。

実際の郵貯の運用の仕方は、直接郵貯に圧力をかけてドル売りを仕掛けさせる、郵貯からファンドが金を借りてファンドが仕掛ける、といった方法が考えられますが、日本が自らドル売りを仕掛けるのは難しいでしょうから、おそらく後者の方法をとるでしょう。

※「日本国債から米国債やドル買いに変える」というのはドル買いですので、ドル売りにはなりません。
ちなみに (ゆっきー)
2008-01-18 15:41:19
念のため調べてみたのでですが、ドルの現物売り・先物買いをやる方法として「外国為替証拠金取引」なるものがあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E7%82%BA%E6%9B%BF%E8%A8%BC%E6%8B%A0%E9%87%91%E5%8F%96%E5%BC%95

現在円しか持ってなくても、ドルの売りから入ることができます。
しかも、証拠金を積めば、その何倍もの取引をすることができます。

この制度は、1998年につくられています。
アメリカが日本支配戦略を強めていった時期と符合します。

金貸したちのハゲタカファンドは、この制度を使って仕掛けてくるのではないでしょうか。