M!SH!→YAMACOWさん→ヤマナさんとリレーでお届けしてきた「なん劇レポート」
ここまでは「精子」と「卵子」の分化のおはなし。
まだオスとメスに躯体が分かれたわけではないんですね。
「えっそうなの?」と驚いた方もいるのでは?
なんでや劇場でも「精卵分化」=「オス・メスの躯体分化」だと混同されてる方が多かったようです。
今回はいよいよクライマックス。
「オス・メスの躯体分化」に迫ります。
では高ぶった気持ちを落ち着かせる意味でもまずはポチっとお願いします。
進化史上、オスとメスに躯体が分化したのは結構、最近の話なんですね・・・
(といっても何億年も前ですが・・・)
下の表を見てください。
拡大するためには「ここ」をクリック
脊椎動物の進化系統を見ると、魚類に進化するまでは、一つの体で精子も卵子もつくる生物が結構います。
(これを「雌雄同体」っていいます。)
魚類に進化したあたりで、ようやく精子をつくる躯体と卵子をつくる躯体が分かれるようになってきましたが(これを「雌雄異体」といいます)、魚類の段階では「オス」「メス」を行ったりきたりするもの(つまり性転換)もいるんです。
実際、「ファインディング・ニモ」のモデルになってる「カクレクマノミ」は集団の中で一番からだの大きい固体がメスになります。性転換って「どんだけぇ~!」って感じですが(汗)これも「種を残す」上での適応戦略なんですよね。
興味のある方はコチラを読んでみてください。
「魚類の性転換の事例」
「魚の性転換~子孫を残すための戦略~」
では本題!
オスとメスの躯体が分化したのはなんででしょうか?
ここで1回目のレポートを思い出してください。
ポイントはオス・メスの躯体が分化していく背景にある
摂取機能の高度化⇒種間圧力上昇・・・
この循環的な外圧上昇構造により、体細胞系列の高度化が要請されるのと同時に、各々の配偶子、生殖巣、生殖器etcを緻密につくりあげるためには、精子をつくる躯体(=オス)と卵子をつくる躯体(=メス)を分化させたほうが合理的なんですね。
さらに、動物ゆえの種間圧力⇒摂取能力高度化・・・に対応するため、幼体保護と防衛力上昇の要請が加わります。
これは必然的に(保存性に特化した卵子を持つ)メスの生殖負担の増大をもたらします。そして、それとバランスするようにオスの闘争負担が増大させる方向へつながるのですね。
これは脊椎動物の進化史とも符合します。
これらにより、動物のオス・メスの躯体は分化していったと考えられる。
■まとめ ~オスとは何か? メスとは何か?~
今回の劇場で学んだオス・メスの分化史(①殖産分化→②精卵分化→③雌雄躯体分化)を通して、オスとは?メスとは?の本質は
変異性の上に、闘争能力(役割)が塗り重ねられた存在=オス
保存性の上に、生殖能力(役割)が塗り重ねられた存在=メス
ということがわかったと思います。
生物数十億年の歴史の中で、外圧に適応していくために役割分担と調和が塗り重ねられてきました。
これこそがオス・メス分化の真髄!
オスという役割(存在)、メスという役割(存在)があわさってはじめて、外圧に適応的たり得たし、種をつなぐこともできたのです!
我々も例外なく、この進化の塗り重ね構造の先にいる動物です。
進化史を学ぶことで、この世に「オスがいてメスがいる」という当たり前の事実にすら感謝の念を覚えますよね。
以上、4回にわたってなんでや劇場レポート「オス・メス分化したのはなんで?」をお届けしました。
(しみっちょ)
ここまでは「精子」と「卵子」の分化のおはなし。
まだオスとメスに躯体が分かれたわけではないんですね。
「えっそうなの?」と驚いた方もいるのでは?
なんでや劇場でも「精卵分化」=「オス・メスの躯体分化」だと混同されてる方が多かったようです。
今回はいよいよクライマックス。
「オス・メスの躯体分化」に迫ります。
では高ぶった気持ちを落ち着かせる意味でもまずはポチっとお願いします。
進化史上、オスとメスに躯体が分化したのは結構、最近の話なんですね・・・
(といっても何億年も前ですが・・・)
下の表を見てください。
拡大するためには「ここ」をクリック
脊椎動物の進化系統を見ると、魚類に進化するまでは、一つの体で精子も卵子もつくる生物が結構います。
(これを「雌雄同体」っていいます。)
魚類に進化したあたりで、ようやく精子をつくる躯体と卵子をつくる躯体が分かれるようになってきましたが(これを「雌雄異体」といいます)、魚類の段階では「オス」「メス」を行ったりきたりするもの(つまり性転換)もいるんです。
実際、「ファインディング・ニモ」のモデルになってる「カクレクマノミ」は集団の中で一番からだの大きい固体がメスになります。性転換って「どんだけぇ~!」って感じですが(汗)これも「種を残す」上での適応戦略なんですよね。
興味のある方はコチラを読んでみてください。
「魚類の性転換の事例」
「魚の性転換~子孫を残すための戦略~」
では本題!
オスとメスの躯体が分化したのはなんででしょうか?
ここで1回目のレポートを思い出してください。
ポイントはオス・メスの躯体が分化していく背景にある
摂取機能の高度化⇒種間圧力上昇・・・
この循環的な外圧上昇構造により、体細胞系列の高度化が要請されるのと同時に、各々の配偶子、生殖巣、生殖器etcを緻密につくりあげるためには、精子をつくる躯体(=オス)と卵子をつくる躯体(=メス)を分化させたほうが合理的なんですね。
さらに、動物ゆえの種間圧力⇒摂取能力高度化・・・に対応するため、幼体保護と防衛力上昇の要請が加わります。
これは必然的に(保存性に特化した卵子を持つ)メスの生殖負担の増大をもたらします。そして、それとバランスするようにオスの闘争負担が増大させる方向へつながるのですね。
これは脊椎動物の進化史とも符合します。
これらにより、動物のオス・メスの躯体は分化していったと考えられる。
■まとめ ~オスとは何か? メスとは何か?~
今回の劇場で学んだオス・メスの分化史(①殖産分化→②精卵分化→③雌雄躯体分化)を通して、オスとは?メスとは?の本質は
変異性の上に、闘争能力(役割)が塗り重ねられた存在=オス
保存性の上に、生殖能力(役割)が塗り重ねられた存在=メス
ということがわかったと思います。
生物数十億年の歴史の中で、外圧に適応していくために役割分担と調和が塗り重ねられてきました。
これこそがオス・メス分化の真髄!
オスという役割(存在)、メスという役割(存在)があわさってはじめて、外圧に適応的たり得たし、種をつなぐこともできたのです!
我々も例外なく、この進化の塗り重ね構造の先にいる動物です。
進化史を学ぶことで、この世に「オスがいてメスがいる」という当たり前の事実にすら感謝の念を覚えますよね。
以上、4回にわたってなんでや劇場レポート「オス・メス分化したのはなんで?」をお届けしました。
(しみっちょ)
>保存性の上に、生殖能力(役割)が塗り重ねられた存在=メス
変異と保存、、、両者の調和があってこそなんですね
ところで、魚類以降ほとんどの生物が有性生殖になったようですが、どのような外圧状況が有性生殖=躯体分化を推し進めたのでしょうか?
教えてください
「雌雄分化とは、原理的にはより安定度の高い性(雌)と、より変異度の高い性(雄)への分化(=差異の促進)に他ならない。」
「オスの変異性って、具体的には何?」というのが長年の疑問だったのですが、それが解けていく。そんな劇場でした。
一つだったものが二手に役割分化していった訳だから、そこに出会い=引力が働かなくっちゃ意味が無い。
次の劇場が、また楽しみになってきますね。
まとめありがとうございました!
これはかなり気づきでした。
当然体ありきだと思っていたら・・・・体が先ではなくて、精子と卵子の分化が先であり、重要ってこと。
しかもその本質は殖産分化ってこと。
>①殖産分化→②精卵分化→③雌雄躯体分化
現在の人類は躯体の外側に更に道具等を用いて分化を促進させていますが、殖産→精卵→躯体の流れの上に塗り重ねられたものなのかどうか?という視点で見てゆくことが大事だと思いました。