ブログ de なんで屋 @東京

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1/25なんでや劇場レポートⅢ『生命の起源にせまる3~どうやって生命は誕生したの?(仮説)~』

2009-02-06 23:40:22 | なんでや劇場

かなり遅くなりましたが、申し訳ありません。。。
1月25日に行われた第99回なんでや劇場レポートのラストを飾ります

なんでや劇場では(経済や日本人の起源とかをあいだに挟みながらも)約1年半に渡って生物史を追求してきましたが、いよいよ大詰めです

今回は、劇場の後半で扱われた内容かつ、もっとも盛り上がった部分をレポートします。なぜ盛り上がったかというと、世界中のあらゆる学者も未だ解明できていない未明課題生命の起源~どうやって生命は誕生したの?~」に挑んだからなのです。

それでは、いよいよ本題に迫ります。

★★生命の起源(仮説)★★
生命は、約40億年前の海の中で生まれました
約40億年前の海がどんなだったかというと、現在の海と違って、水素、ナトリウム、カリウムなどの元素や、シアン化水素、硫化水素、リン酸、塩化ナトリウム、水などの物質がどろどろに溶け合ったスープ状態だったと言われています。

また、熱エネルギーがふんだんにあり、メタン・水素・硫化水素などの還元性ガスの濃度が極めて高く、還元的な環境になっていたと推測されます。
海底火山の熱水噴出口をイメージしていただければ良いかと思います

このような
原始スープの中で、まずは低分子化合物がつくられます。前回までのレポでおなじみの、ATPやGTPなどのヌクレオチドも初期段階に形成されたと考えられます

ここでおさらいです
ATPとは、生命活動を支えるエネルギー源で、GTPとは細胞内シグナル伝達やタンパク質の機能の調節に用いられます。

やがて、GTPが自身の吸引力でアミノ酸をひきつけ、自身のリン酸を用いてアミノ酸を重合します。そうしてタンパク質が作られるようになったのです。

同様にかなり初期段階で、脂肪酸、糖も形成されたと考えられます。

一方、ヌクレオチドが長く繋がることで、RNAが出来上がります。ただし、この間の結合は脱水反応のため、水溶液中では自然に起こる事はありません

RNAを生成するには、内と外とを区画するものが必要になってきます。それは何かというと、初回から参加している方はピンときましたね
そう、『細胞膜』です

細胞膜が出てきたあたりで、劇場では前回のレポートに登場した中心体原基細胞膜とではどちらが先に生まれたか?の議論に発展していきました

まずは、現象事実を見ていきましょう
1.中心体原基は細胞骨格をつくる事ができる。
2.原始スープの中でタンパク質は単独で存在できる。
3.代謝性能が高くないとアミノ酸を合成できない。
4.膜タンパク質がないと細胞膜内に物質を透過できない。
5.細胞膜貫通型のタンパク質は、合成しながらでないと細胞膜に組み込むことができない。

これらの事実を整合させるなら、中心体原基が先でないと現象の説明がつきません!
決定打はですね。中心体原基の接着材の役割を担うGTPがアミノ酸を合成→タンパク質を合成して内側から細胞膜に組み込んだと言えるのではないでしょうか?

こうして『細胞膜』が完成しました。

細胞膜が作られると、次に何が起こるのか?ここからは一気に展開します

1.細胞膜の内と外に境界ができたことで、ヌクレオチドなどの材料を取り込み、蓄積することができるようになった。
            
2.クエン酸回路ができるので、ATPを増産できるようになった。つまり、生体内エネルギー生成機能を獲得した。
            
3.高分子の多様なタンパク質合成を可能にするRNA生成の条件が整った。

ここまできたら、生物まであと一歩です
                 
4.やがて変異性に富んだ性質をもっているRNAは、自信の情報をDNAに保存するようになった。

それでは、なぜDNAが形成されたのでしょうか?
それは、保存性の悪いRNAに依存すれば、種々雑多の次世代ができるだけで、進化スピードは速が安定性に欠け、絶滅してしまう可能性があるからです。

そもそも、生物の最重要課題は、「種の保存」にあります。
安定性の高いDNAに情報を保存することが必要だったのです。そして、DNAに情報を保存することができてはじめて、分裂→複製する機能を獲得したのです。

DNAによる保存⇒複製機能を獲得できたこと。
これが、原核生物のはじまり(=原始生命の誕生)なのです!

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生物界では、ここ最近まで、生命の起源はDNAにあるという思想が支配していました。しかし、なんでや劇場に参加している人は、議長も含め素人の集まりです

ただし、素人ゆえに、生物学会という狭い固定観念に惑わされることなく、なんで思考、仮説思考を用いて事実を積み重ねていくことができるのです。

事実、なんで屋劇場では、DNA起源説に惑わされることなく、生命の起源を探る上で、かなり前からヌクレオチドとタンパク質で構成されている「中心体」に着目していました。恐るべしなんで屋です

また、なんで屋劇場の生命の起源仮説が優れているのは、単体のヌクレオチドに着目している点だということも付け加えさせていただきます。

今回の劇場は、生命の起源が明らかになったということだけではなく、仮説思考のプロセスを生で体現できたことが非常に勉強になりました。間違いなく、現実課題にも役立ちます!!

改めて、
固定観念に振り回されることなく、とことんなんで思考、仮説思考を用いて追求できる素人だからこそ、答えにたどり着いたのだと想います。

次回のなんでや劇場は3月1日(日)に開催されます
テーマは未定ですが、生物史の場合は、これまでの総集編をまとめて扱うとのことですので、みなさん参加必須ですよ~


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1 コメント

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Unknown (よっし~)
2009-02-12 23:05:16
>今回の劇場は、生命の起源が明らかになったということだけではなく、仮説思考のプロセスを生で体現できたことが非常に勉強になりました。

そうですね
まさに
『大胆な仮説の裏には、地道な追求がある!!』
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=197180

ことを体感できたなんで屋劇場でした
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