デンカの宝刀(弁護士・不動産鑑定士・大東流合気武道教授代理の資格三冠王)

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日本の伝統芸能としての古武道「 各論⑨ 柳生心眼流 (2) 」

2010年11月30日 | 武道・武術

    

        

    「 甲冑拳法 柳生心眼流 」

     島津兼治 著 (日東書院)

   

柳生心眼流は技術体系的に

前に紹介した立身流(たつみりゅう)と通じるところがある。

  

立身流は、向(むこう)・圓(まるい)という2つの形(かた)が

基本にあり、

立身流の居合・剣術の全ての形がこの2つの形の応用として

体系づけられている。

  

柳生心眼流素振りという基本の独演形があり、

相対形(あいたいかた)は、この素振りの動作をそのまま使って

行われる。

また、武器の形も、この素振りの形を武器を所持した状態で

行うように体系化されている。

  

中国拳法の場合だと、套路と呼ばれる独演形と相対形との間に

やや飛躍がある。

そのため、

套路の「用法」ということを別途口伝で習う必要があったりして、

独演形をそのまま対人技法として使えば良いというようには

なっていないらしい。

  

空手の場合も、独演形を対人技法として使うには

空手型の解釈や意味づけが必要で、

その解釈・意味づけについて色々と説があったりする。

  

これら中国拳法・空手に比べると

柳生心眼流の独演形から相対形への体系は

極めて分かりやすくできている。

 

柳生心眼流の場合、素手の体術だけではなく、

鎧組打ち、太刀、十手、棒、半棒、火縄銃などの技法も含んだ

膨大な体系であるため、

汎用性の高い形を基本として、全ての技法はその応用という体系

にすることが最も妥当・適切であったためかもしれない。

  

技術の体系化という点で

柳生心眼流立身流は日本武道・武術の双璧であると思われる。


日本の伝統芸能としての古武道「 各論⑨ 柳生心眼流 (1) 」

2010年11月29日 | 武道・武術

武道に関する写真の中で、

わしが最も好きなのは

「秘伝」(BABジャパン)vol.18

に掲載された

柳生心眼流 対 八極拳 の写真だ。

    

Photo_2      

              

島津兼治師範と蘇昱彰老師の

それぞれ弟子が向き合って対峙し、

柳生心眼流は腰を落とした山勢厳の構え、

八極拳は手を把子拳にして手首を手の甲側に

軽く曲げた同拳独特の

肘打ちの形に騎馬式を深く取った構え、

双方の代表的な構えをして

弟子どうしがにらみ合っている

そういう写真。

 

写真だけではなく、

両師範の対談など興味深い記事もある。

柳生心眼流八極拳

技法的、体系的に相似した部分がある

ということから実現した夢の対談だ。

    

ところで、  

 

流名に「柳生」を冠しているのは

柳生但馬守との関係によるもので

あり、また、

鎧甲を着用した正統な技法を

伝えていることからすれば

その起源は少なくとも戦国時代には遡る

伝統ある武術なのは間違いがない。

  

だが、その技法体系において

他の伝統武術とは異なる際だった特徴

がある。

  

まず第一に、

「素振り」と称する空手の型のような

一人で演武する形が存在し、

これが同流の基本となっている点。

琉球武術に由来しない日本武道で

一人形に重点を置くのは

居合(抜刀)くらいであり、

特に柔術などの素手武術は、

二人で攻防を演ずる相対形(あいたいかた)が中心

であることに比べると

柳生心眼流は変わった流派ということになる。

  

第二に、

これも他の柔術流派と比較した場合の特徴であるが、

突きと蹴りが技法の重要部分を占めているということ。

  

第三に、

その突きをする場合の拳形が他の柔術流派の当て身では

あまり見られない拳形であること。

  

第四に、

その突きのやり方も、

振り突きという独特の突き方で行うこと。

   

などなど

伝統武術であるのに

他の伝統武術とは異なる変わった技法を有する。

 

柳生心眼流

は、東北地方(仙台)を発祥の地とする謎の拳法だ。


名古屋の中学受験(その34:愛知県の試験始め:中堅校VS奨学生)

2010年11月27日 | 中学受験・高校受験を論じる

愛知県の中学入試2011年

試験始めは1月22日(土)

らしい。

 

試験実施校は、

共学校で

愛知愛知工業大

附属(奨学生)

名古屋国際(奨学生

A.O.含む)

愛知産業大学三河

(奨学生・Ⅰ期)

名古屋経済大学市邨

(Ⅰ期推薦2科・一般

 4科)

名古屋経済大学高蔵

(Ⅰ期推薦・特奨・一般

 4科)

 

女子校で

金城学院

名古屋女子大学(特奨)

となっている。

  

愛知金城学院という中堅校

(著名校)の一般入試 

   対 奨学生・特奨入試

     

といった構図だ。

  

名古屋女子大学の特奨を見ると、

特奨生にも色々な段階があるが、

最上位の特奨生S

入学金・授業料が全て免除らしい。

ただし、2年時以降は

進級時に再審査があるので

特奨入試のSに合格したから

といって6年間無料で通える

ことが保証されるわけでは

ない。

(まあ、当たり前か)

入学金は22万円、授業料は

月額33,800円なので

特奨生Sになると

年間62万5,600円のお得

ということになる。

  

名古屋の場合、

入学金・授業料とも、

東京の私立中学に比べると

それほど高額というわけでは

ないので

子供を進学塾に

数年間通わせてきた家庭ならば

そんなにお得感を感じないかも

しれない。

愛知は中堅進学校としての

認知度が高く、

金城学院のネームヴァリューは

極めて大きいものがあるので

単純にお金の問題だけでは

済ませられないというのもある。

( ただし、奨学生入試を

 別途実施している学校も

 名古屋では結構名前の

 知れている学校が多い

 ので、 

 学校自体に魅力を

 感じている父兄も相当数

 いると思われる )

         

あと、

トップ層の女子の場合

今年は、

試験始めの1週間後

(1月29日)にいきなり

愛知県の私立中学最高峰の

南山女子の試験があるので

その関係でも

お試し受験として

1週間前にどこを受けておくかは

気になるところだ。


名古屋の中学受験(その33:今の時期に親が精神を安定させる方法)

2010年11月26日 | 中学受験・高校受験を論じる

1月に入った本当の

直前期には

もう余計なことは

考える余裕もなくなっている

人も多いが、

今の時期だと

まだまだ色々と

余計なことをあれこれ

考えてしまう。

  

併願校をどうするとか、

これからの勉強をどうする

とか、

そういう具体的なことを

考えるのは当然であるが、

余計なこと

落ちたらどうしようとか、

ホントに受かるんだろうか

とか、

考えてもしょうがないことを

クヨクヨと考えてしまいがち。

  

で、

何か意味不明の不安感

みたいなものが

胸にグーッと来て

なんとも嫌な感じがして、

家事や仕事が上の空に

なったり、

意味もなくため息ついたり。

     

余計なことを考えても

しょうがないのに

と思っても

自然と湧き上がってきて

しまう気持ちは

どうしようもない。

  

こんなとき、わしは、

中学受験が全て完了した

3月のことを

思い浮かべるようにした。

   

どこに合格し、

どこに落ちるか、

それはまだ分からない。

でも、3月になったら

入学する学校も決まって

制服を買いに行ったり、

入学前の説明会に行ったり、

いろんな入学準備をしてる

んだろうな。

受験が終わって家族で

一緒に出かけたりも

できるようになるな。

(といっても、ウチでは

 せいぜいモリコロパーク

 とか

 名古屋駅前・栄とか

 映画館とか

 そんなもんだが)

  

などなど

3月になったらやってること

を思い浮かべる

少しは気が楽になった。

わしが単純なだけかも

しれんが、

まあやってみてちょ。

コメント (1)

名古屋の中学受験(その32:受験願書記入などの失敗談)

2010年11月25日 | 中学受験・高校受験を論じる

愛知淑徳の受験願書を

ミシン目に沿って

切り取るときに

失敗して願書部分を

一部ちぎってしまった。

  

受験願書に貼る写真の裏に

氏名を書くのを忘れて

貼ってしまった。

 

写真の貼付をしっかり

固定しようと

上から指で押さえたら、

指紋が付いて汚くなって

しまった。

(貼った写真の上に

 紙などを載せて

 静かに押さえるように

 して固定しましょう。

 間違っても

 ゴシゴシとこすって

 固定しようとしない)

    

大事な願書だから

体を清めてから書こうと思い

風呂から出た直後に書いたら

体がまだ水気を帯びていた

ため

字がにじんでしまった。

  

受験者の氏名欄に子供の名前

ではなく、

自分の名前を書いてしまった

  

うまく書き上げたぞと思って

願書を指定の封筒に入れ、

封をしようと思ったそのとき

「あっ、ひょっとして」と

思って確認したら

前年度の願書だった。

(前年度以前のパンフレット

 や願書は

 どこかにしまっておこう

  

12月の個人面談のときに

南山女子愛知淑徳

調査票を担任の先生に

お願いしたが、

南山女子の調査票は

小学校の封筒ではなく、

願書に添付されていた

指定封筒に入れなければ

ならないことに

冬休み中に気がついて

3学期の始業式に

長女に指定封筒を持たせて

登校させるハメに。

  

万年筆やペンでは

インク漏れのおそれがある

と思い、

油性ボールペンで願書を

書いたが

なんか貧弱な感じがした

ので

ゲルインキのボールペン

書き直した。

  

願書のハガキや封筒に貼る

切手

必要枚数買ったつもりだった

のに

いざ願書作成の際には

なぜか足らなかった。

  

願書を受付期間の前々日

深夜に速達で出したため

もし願書受付期間の前に

届いたらどうなるんだろうと

ちょっとドキドキ。

  

春日丘中学の受験願書は

郵便での受付がなく

直接学校まで持って

行かなきゃならなかったが、

自分も妻も

願書を持参する日程の都合が

なかなかつかず

ちょっとイライラ。

     

片山学園中学の受験にあたって、

受験料を多めに振り込んでしまい

受験後に学校から返してもらう

ハメに。

(塾からの紹介受験になる

 ので、

 受験料が少し割引されると

 学校から連絡があった)

        

まあ、最後の最後まで色々と

ありますよ 

 

願書に貼る写真を

余分にいっぱい用意しておいて

よかった、よかった 

願書も複数用意しておいて

よかった、よかった 


名古屋の中学受験(その31:受験票の写真の貼り方)

2010年11月24日 | 中学受験・高校受験を論じる

受験票に写真を貼る作業

あれ結構大変だったりする。

  

剥がれないように満遍なく

「のり」を付けると

貼ったときに「のり」が

はみ出して

 ゲッ 

ということに。

 

はみ出した「のり」を

拭き取ろうとしたら

写真部分に「のり」が

付いちゃって、

それを拭き取ろうとしたら

あげくのはてに写真部分が

一部剥ぎ取れちゃったり

 

それに受験票に貼る写真って

写真の裏にも氏名などを

書けっていう指示があるけど

写真の裏に「のり」を付けると

せっかく書いた氏名が

「のり」のせいで、にじんで

読めなくなっちゃったり。

(写真の裏に氏名などを

 書かせるのは、

 万が一写真が剥がれて

 しまったときに、

 誰の写真なのかを

 学校側が容易に判断できる

 ようにするため)

  

「のり」がはみ出さない

ようにと、

少なめに「のり」を付けると

「のり」の量が足らないために、

写真の角のところが

浮き上がったり

 

で、

これらの悲劇? を避けるため

には両面テープを使うのが良い。

  

まず、両面テープを写真の

裏に貼る。

(写真の裏に氏名などを

 書いたあとに貼ってね)

                                 

 

両面テープ1枚きりを

ベタッと貼ってしまうと、

剥がすときに

剥がしにくいので

上の写真右のように

2枚を上下(又は左右)に

貼る。

 

次に、

表に返して、

両面テープの

はみ出た部分を切る

(ここんとこが、

 ちょっと難しい?)

               

 

できあがり

 

ほんのちょっとテープが

はみ出てたりしても

大勢に影響はないので無視。

(むしろ、完璧にテープを

 残さず切ろうとして、

 写真部分を切ってしまわ

 ないように注意)   

 

あとは、剥がして貼るだけ

 

   

こうすると、

写真の裏に書いた氏名などが

にじんで汚くなることもないし、

受験票に綺麗にピッタリと

貼ることができる。

    

受験票写真貼りの秘技(大げさ)

でした 

 


名古屋の中学受験(その30:去年の今頃:受験票に貼る写真撮影)

2010年11月23日 | 中学受験・高校受験を論じる

去年の11月23日

(勤労感謝の日)は確か

月曜日で

御器所の近くの

名古屋国際中学・高校へ

日能研の南山女子部トライアル

を受けに行った。

  

長女はそのときに

小学校の知ってる子を

見つけて

「あの子も南女を

 受けるんだ~」 

などと言っていたっけ。

  

トライアルのあとは

自転車で家に帰る途中にあった

塩付通り沿いグッピー(?)

という写真屋さんで

受験票などに貼る写真を

撮影した。

中学受験は一生に一度のこと

だからと

奮発して専門の写真館などで

撮影する子もいるようだけど

この時期は時間がもったいない

ので

普通の小さな写真屋さんで

済ませた。

こだわりたい人はこだわっても

いいけど

やっぱ合格するかどうかは

写真をどこで撮ったかとは

関係ないし。

(写真撮影にあたっては

 必要枚数と写真の大きさを

 間違えないように!)

  

写真をとった後は、

明倫ゼミナールで通常授業と

あの頃は

忙しかったねえ(日曜も休日も

関係ないって感じ)

  

今、受験勉強中の6年生と

その親御さんも色々と大変だけど

あと2カ月かそこら

経っちゃうと

もう少し待ってと思っても

受験期間は

強制的に終了してしまう 

  

もう少しの辛抱だ 


対決! 加藤晋介 対 伊藤真 (刑事訴訟法編)

2010年11月21日 | 資格・法律・不動産

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伊藤氏の入門は、

これまたコンパクトに

180ページ程度にまとまった

簡明な入門書。

全ての法律科目について、

その基本を同じ程度の分量に

まとめきってしまうのは、

さすが予定終了時間に

ほぼきっちりと講義が修了する

伊藤氏ならでは?

        

加藤氏の入門は、

これまた実務家の視点からの入門書。

伝聞証拠の定義に関して

実務はそんな甘いもんじゃないよ

という記述があったりして

実務家になろうとする者にとっては

楽しく読める。

  

また、排除法則など、

中央大学の名物教授であった

渥美東洋氏の説を紹介し、

渥美説を切り口にして通説・判例を

解説するところがある。

加藤氏が司法試験受験生だったころは

渥美東洋氏は、司法試験委員では

なかったので、

たまたま勉強したから渥美説を引用したと

いうことではない。

  

渥美説については、

加藤氏の弟子?で、

辰巳法律研究所の人気講師だった

沢井真一氏(弁護士任官してしまった)も、

挙証責任に関して、

名誉毀損罪の真実性の証明のところを

論理的にきちんと説明できるのは

渥美説だけなので、

敢えて渥美説に走る人がいても無理には

止めない。

でも通説に日和った方が試験的にはいいよ

という説明をしていた。

( ちなみに、わしが司法試験の受験勉強で

 渥美刑訴を基本書として使っていたのは、

 別に沢井氏のこの言によるものではなく、

 大学時代に渥美先生の講義を聴いていて

 慣れ親しんでいたから。

 わしは、

 大学時代は結構真面目に講義に出ていたのだ。

 渥美説は通説・判例がグダグダ言ってる

 ことをキッチリ説明できる部分が多い。

 〈渥美先生は、外国の法理論を変に

  ゆがめて輸入していないので当然と

  いえる。〉

 例外は、強制処分法定主義の解釈と

 それに関する緊急捜索押収だが

 これも形式的な解釈だと実質が窮屈に

 なるため

 それぞれ縮小解釈・拡張解釈したもの

 だから、

 それこそ市民感覚?を生かした解釈で

 あるのに対し、

 通説は、全般的にどの論点でも

 形式〈被疑者等の人権尊重など〉と

 実質〈捜査の必要性など〉との間で

 グダグダになっているので〈どっちつかず

 という意味〉、それに比べれば欠点と

 いえるほどのものではない? )

      

渥美東洋氏という法学者は、

商法の木内宜彦氏と並んで

私大出身の法学者としては

東大シューレに匹敵するトップクラス

という認識が加藤沢井ラインにはあった?

      

ま、現在渥美説を採る人はいないだろうけど。    

( わし自身も、基本書は渥美刑訴を使い、

 渥美刑訴によって刑事訴訟法を理解したが

 〈基本書だけでなく渥美先生の著書・論文

  を色々と読んだ〉

 それとは別に、

 関西の辰巳法律研究所の看板講師だった

 密克行弁護士の著書である

 「チュートリアル刑事訴訟法」〈絶版?〉

 で通説・判例をマスターし、

 司法試験の答案は通説・判例で書いた。

 弁護士のチュートリアル・シリーズは、

 司法試験に必要な定義・判例・学説などが

 きちんと整理された詳しめのサブノートと

 いった感じで、勉強が進んだ人には、

 まさにこれだけでOKという優れものだった。 )

       

渥美説云々じゃなくて

実務法律家を目指す人には、

加藤氏の入門がお薦め(のような

気がする)。

      

あと、

伊藤氏の入門には「 法学 」、

加藤氏の入門には「 行政法 」が

あるが、

科目が違うので

加藤氏と伊藤氏の対決はこれでおしまい。

 

 

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対決! 加藤晋介 対 伊藤真 (民事訴訟法編)

2010年11月20日 | 資格・法律・不動産

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伊藤氏の入門は、

他の法律科目同様にコンパクトに

整理されている。

ページ数も180ページ程度と

他の法律科目同様に抑えられている。

民事訴訟法について最低限押さえて

おくべきコトが簡明に解説されており

民事訴訟法の本を見るのもイヤだ

という法学徒には、

(ほんとはこうだと困るんだけど)

ちょうどいいかもしれない。

  

これに対して

加藤氏の入門はやや分厚く350

ページを超えている。

しかし、ページ数はやや多いものの

読み物としては面白く、

法学部の学生なら

加藤氏の入門の方が一気に読めそうな

気もする。

  

加藤氏の入門で特に面白く感じる部分が

あるのだが、それは、伊藤氏の入門には

全く書いてない。

 

それは、

加藤氏の実務家としての民法学者に対する

不満が炸裂しているところだ。

民法学者の手続法(民事訴訟法)に関する

無理解について、

文章上は、怒りをやや抑えながらも、

(行間を読めば怒りまくっているのが

 分かるかも  )

民法学の泰斗である我妻栄氏の跡を継いだ

民法学者たちに対して実名を挙げて(星野

英一、米倉明など)批判している。

  

加藤氏のこの怒りは

実務家から見ればもっともなことであり、

この辺りを深読みすると

実務家養成機関である法科大学院で

実務経験がない法学者が主導権を取るのは

どうかという意識が垣間見える。

  

加藤氏の民法学者に対する怒りの部分は

法学部や法科大学院で

法学者の言うこと、法学書に書いてある

ことを鵜呑みにしがちな法学徒は

是非とも読んでみることを勧める。

  

ただ、この怒りの部分は、

本全体から見ればほんのちょっとだけ

なので、

ここだけ読むために本を買うのは

もったいないということになる。

プロの法律家を目指すならば、

この程度の入門書は一気に全部

読み切って欲しいところだ。

 

 


名古屋の中学受験(その29:12月の個人懇談に心の準備を)

2010年11月18日 | 中学受験・高校受験を論じる

前にブログの「受験記」に

書きましたが

12月に小学校で個人懇談

あります。

  

この個人懇談

中学受験生を持つ親にとって

重要なので

ちゃんと心構えを作っておく

必要があります。

  

まず、

受験する中学校が

調査票を提出しなければ

ならない学校であるならば、

この個人懇談のときに

担任の先生に作成をお願いして

3学期の頭にもらえるように

手はずを整えておかなければ

なりません。

 

長女の場合、

南山女子・滝・愛知淑徳の

3校が調査票を必要とする

学校だったので

12月個人懇談のときに

担任の先生にお願いしました。

受験する学校の調査票の要否

調査票がいる場合の、その様式

(封筒は小学校のものか、

 指定されたものか等々)

などをきちんと確認して

おきましょう。

  

先生に頼むときには

ただ、よろしくお願いします

と普通に頼むだけにして

成績の方をよろしく

お願いしますとか、変なことは

言わないようにしましょう。

調査票の成績は受験の合否

 に関係ありません)

  

それと、

3学期になって、受験のために

学校を休む予定ならば

その話もしておいた方がいい

でしょう。

長女の場合も、

何も話していないと、

毎日毎日連絡帳

「今日は休みます」と書いて

分団の生徒に先生への連絡帳

手渡しを頼まなきゃならない

という面倒な方式だったので

何日から何日まで休みますと

12月個人懇談のときに

先生に告げておきました。

地域によっては、

欠席届が必要なところも

あるようなので

荘司雅彦氏の

 「中学受験BIBLE」

 には、欠席届を出したと

 書いてある)

そういう面倒なことは、

やっぱ年内に片付けておいた方が

良い。

  

担任の先生に調査票の作成を

依頼し、

3学期の受験時には学校を休む

ということを伝えると

親として、なんかこう

「もう逃げも隠れもできないな」

という感じになる。

 

中学受験生活の一つのケジメ

としても

12月個人懇談は重要だ。


名古屋の中学受験(その28:さあ!これからが正念場)

2010年11月17日 | 中学受験・高校受験を論じる

11月も半ばを過ぎ、

ところによっては

クリスマスソングが

聞こえてきたりする

今日この頃

中学受験生とその親は、

まさにこれからが正念場

 

これからが

長い中学受験生活の総決算

 

そんな大事な時期である。

  

この大事な時期に

中学受験生を持つ親としては

相矛盾する二つの判断を

迫られることがある。

  

第一志望校の合格に

今一歩及ばないが

ここであきらめずに

初志貫徹するという判断と

 

今までの第一志望校を

きっぱりとあきらめて

第一志望校を変更する

という判断である。

 

(男の子であれば、

 同じ受験日の東海と

 南山男子について

 東海を受けるのか、

 南山男子に替えるのか

 女の子であれば、

 同じ受験日の愛知淑徳と

 椙山女学園について

 愛知淑徳を受けるのか、

 椙山女学園に替えるのか

 などなど)

  

全く相反する判断であるが、

どちらが正しく、

どちらが間違っているとは

言うことができない判断だ。

  

思うに、

もしお子さんが第一志望校を

どうしても受験したい

と言うのであれば

それを尊重してやった方がいい。

子供の意思を無視して

無理矢理第一志望校を

変更した場合

第一志望校を受験していたら

受かっていたかもしれない

という思いを長く引きずる

ことになる。

  

なので、子供が第一志望校に

どうしてもこだわる場合には

なるべく、その意思通りに

受験させてやり

親としては、

第一志望に落ちた場合の

フォロー(第二志望をどこに

するかなど)に考えを尽くし、

なるべく後悔のないように

してやった方が後腐れがない。

 

ただ、この場合に

注意しなければならないのは、

子供が第一志望校を

どうしても替えたくないと

言ったときに

必ずしも本心でそう思っている

のではなく

自分に期待してくれている

親を気づかって

あえてそう言っているだけ

という場合があることだ。

  

だから、子供に対しては

別に無理をして

あの学校にこだわらくても

いいんだよ

というシグナルを

送っておいた方がいい場合も

ある。

  

ただ、ただ、これも程度問題で

あまり露骨に言ってしまうと

今度は、子供が、

「お母さん(お父さん)は

 僕(私)が絶対に

 第一志望校に

 受からないと思ってるんだ」

と変に解釈してしまうことも

あるので、

それもまた考えものだが。

  

この段階になると

今までに親子で

どれだけ本音で真剣に

中学受験のことを話し合って

きたかということが

大きなカギになる。

何かを言って、それが良い方

に出るか、裏目に出るかは

結局は、これまでに養った

親子間の信頼関係次第と

いうことになってしまう。

  

良い親子関係にあるかどうか

は、神のみぞ知ることなので、

(自分では、私は子供とは

 良い関係にあると

 思っていても、

 現実は違うかもしれない

 ので)

この時期に来たら

あまり小細工はせず

第一志望校について

思っていることを

率直に言ってしまうしかない。

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名古屋の中学受験(その27:塾に何年生から通えばよいか?②)

2010年11月10日 | 中学受験・高校受験を論じる

小学校1年や2年の

低学年の時期から

進学塾に通わせること

については

低学年の頃から塾通い

なんてカワイソウという

意見と

中学入試では先行逃げ切り

が重要(和田秀樹氏などの

説)だから

早いうちから塾通いして

おいた方がいいという意見の

両極端の意見がある。

(ただし、和田秀樹氏は、

 先行逃げ切りが重要とは

 言っているが、

 小学校1年生から

 進学塾に通えとは

 言っていない(と思う))

  

まず、

低学年の頃から

塾通いなんてカワイソウ

という意見については

そんなことはない

というのが結論。

       

なぜなら、

小学校1年生の場合、

進学塾であっても

せいぜい週に1回

時間も1時間程度

だったりする。

たとえば、

毎週土曜日の午後に

1時間だけの授業という

のは、大して負担に

ならないし、

お稽古事感覚で気楽に通える。

週1回程度だから、当然、

他にお稽古事をやったり

友達と遊んだりという余裕も

十分にある。

    

武道、楽器、バレエ、

フィギュアスケートなど

ハードな

お稽古事に週何回も(毎日?)

通っている子の方がはるかに

カワイソウだ。

            

もっとも、塾に通うのが週に

1回程度だとしても

塾から宿題が出るだろう、

宿題の負担はどう考えるとの

疑問がわくかもしれない。

しかし、どこの家庭でも、

多かれ少なかれ、

ベネッセをやらせたり、

市販のドリルをやらせたりと

色々勉強をさせているはずで、

それらが塾の宿題に代わるだけ

ということもできる。

それに小学校1年生に出す

宿題など、

しょせん大した量でもない。

親が宿題につき合えば

親子の良い

コミュニケーションになる

くらいだ。

  

と、こんなことを

書いてきたのは、

わが長男が夏休みまで

さくらアカデミーという塾に

週1回通っていたから。

夏休みの講習は

ある程度連日になるが(それも

1週間かそこら)

長男にとっては

夏休みにやった楽しいこと

のうちの一つになった

らしい。

わしが塾に迎えに行くと、

かわいらしい?1年生と

いうこともあってか

上級生のお姉さんたちに

囲まれ

カバンにテキストなどを

しまってもらったりして

色々と世話をされていた。

       

長男にある程度勉強の習慣

がついたと判断したこと、

親の方も

低学年のうちの勉強を

どうすれば良いかということ

について

塾の先生のアドバイスなど

から分かってきたこと、

他のお稽古事との関係

(スケジュール調整の負担

と月謝の負担)

などの理由で

2学期になって止めてしまった

が、

1学期の間の塾通いは

親子共々良い経験になった。

さくらアカデミー

 なかなか良い塾だと

 思った )

  

次に、

中学入試は先行逃げ切りが

重要だから

低学年から進学塾に通わねば

ならないという意見についても

そんなことはないというのが

結論。

    

進学塾といっても、

小学校1年では、

算数では足し算・引き算、

国語ではひらがな・カタカナ・

簡単な漢字から始まり、

そんなに難しいことを

やるわけではないので

(ただし進度は早い)、

家庭での勉強で十分に

対応できる。

1年・2年の頃は、

ベネッセでも十分。

あえて進学塾に通う必然性は

ない。

言い換えれば、

小学校1年生から進学塾に

通ったからといって

それが決定打となって

進学できる中学のレベルが

決まることはない

やはり中学受験の勝負は

4年生以降ということに

なる。

     

なので、

小学校1年・2年から

進学塾に通わせるかどうかは

お好みでということになる。


名古屋の中学受験(その26:塾に何年生から通えばよいか?①)

2010年11月07日 | 中学受験・高校受験を論じる

将来わが子に中学受験を

させたいと思った場合に

多くの親を悩ますことが

何年生になったら

塾に通わせるようにすれば

良いのかということだ。

  

最初に注意して

おかなければならないのは

この悩みは、その問いかけ

の仕方によっては

ある種の矛盾を抱えること

になるということだ。

  

たとえば

 

「東海に合格するため

 には

 何年生から塾に

 通わせたらいいですか」

 

という一般的な質問

  

中学受験とは、

わが子を塾に入れたら、

はい、それでおしまい

というわけではなく、

入塾後も、

わが子の能力とわが子の成績

とわが子の志望校との関係で

何をやるべきかということが

受験生個人個人別々に

決まってくるのであり、

みんながみんな同じコトを

同じ塾で同じ時間だけ

やるわけではない。

人それぞれ個別性が非常に

強い。

何年生から塾に通えば良いか

ということも同じだ。

何年生から塾に通うべき

という一般論は本来はない

はずで

本来ないはずのことを

あるものとして尋ねる

上の質問は矛盾そのものだ。

       

たとえば、学力レベルの

非常に高い学区の小学校で

一番の成績の子が

SSKのどれかに入れれば

良いというのであれば

6年生になってから

塾に通っても十二分に

間に合うし、

逆に、クラスで真ん中

くらいの成績の子が

南山女子に受かりたいと

いうのであれば

5年生からでも遅すぎる

ということになる。

一般論として何年生から

塾に通うべきというのは

ない。

  

ということを押さえた上で、

あえて言うならば

小学4年生の頭(小学3年生

が終わったあとの春休み)から

進学塾に通うのが最も無難だ。

クラスでトップクラスの子

でも

多くが落ちる南山女子を

狙うのであれば

小学4年のときから

じっくりと3年かけて

学力を伸ばすのが良い。

わが長女は、

5年生の頭から

明倫ゼミナールに通ったの

だが

塾に通い始めた当初

進学塾に行くのは4年生から

がいい

ということを言っていた。

5年生から始めた子は、

4年生から塾にいる子よりも

余裕がないらしい。

  

また、そんなに難しい中学に

行かなくても良いと思って

いても

受験勉強しているうちに

親も子も欲が出てきて

少しでも難関の中学に

行きたいと思うようになる

ことは、よくあることで

そんなときに、

「4年生からちゃんと

 やっておけば

 もう少し上のレベルの

 学校に行けたかも」

と後悔しないとも限らない。

 

よくある悪い例は、

わが子が小学校で

非常によくできる生徒で

南山女子や東海などの難関校を

受験させるつもりで

5年生やあるいは6年生に

なってから塾に入れ、

「まあ、わが子は小学校で

 飛び抜けて勉強ができる

 方だから

 最初のうちはともかく、

 すぐに追いついて

 難関中学に合格してくれる

 だろう」

と思っていたところ、

塾の週テストや模擬試験で

信じられないような点数を

とってきて、

第一志望校の合格可能性が

ほとんどないという成績表を

見て、

その時点で、「なんじゃこりゃ」

中学入試の厳しさに気づくパターン。

  

こんなことにならないためにも、

わが子に中学受験をさせると

決めており、

金銭的に余裕があるなら

小学4年生から進学塾に

通わせるのが良い。

  

それでは、

さらに小学1年生とか

2年生で塾通いさせるのは

どうか?


名古屋の中学受験(その25:塾の年末年始ホテル合宿に行くべきか、行かざるべきか)

2010年11月05日 | 中学受験・高校受験を論じる

中学受験では、

年末年始にかけて

ホテル合宿を行う塾が多い。

で、このホテル合宿

参加した方がいいのか

悪いのか。

  

受験直前期だからこそ

年末年始に

勉強をサボらないために

参加した方がいいのか

受験直前期だからこそ

自分のペースで

勉強すべきであって

参加しない方がいいのか

 

ホテル合宿に参加しないと、

参加した受験生に比べて

後れを取ってしまうのでは

ないかと

強迫観念に駆られている方も

いるかもしれない。

が、結論から言ってしまうと、

ある程度目鼻の付いている

受験生は

別にホテル合宿に参加する

必要はない。

  

長女が通っていた

明倫ゼミナールでは、

栄のアパホテルというところで

年末年始にホテル合宿

開催したが、

自分のペースで勉強したい

と言って

ホテル合宿には参加せず

見事に第一志望校に

合格した子もいた。

  

もうこの時期になると

新しく何かを学ぶ

ということはなくなり

専ら問題演習や

弱点補強のための勉強を

することになる。

なので、

自分で志望校の過去問を

どんどん解いていきたいなど

明確な予定があり、

かつ、

それを実践できる子であれば

ホテル合宿に参加する必要は、

さらさらない。

ホテル合宿では、どこの塾も

長時間勉強させられるので

人によっては

自分の勉強のリズムを崩す

ことがあり得るし、

カゼやインフルエンザを

うつされるおそれもある。

そういうデメリットを

考慮することもありだ。

  

もっとも、このデメリット、

必ずしもデメリットとは

いえない。

この時期、受験生は

みんな緊張しているので

長時間勉強して疲れても

自分のリズムが崩れるほど

のことはないともいえるし、

(むしろ、この時期は

 勉強してないと

 不安にかられる人も

 いるくらいだ)

カゼやインフルエンザに

ついては、

家に長時間いて、

家族にうつされる

ということもあるからだ。

  

うちの場合、

家にいては

年末年始は勉強時間が

ガクンと減るだろうと

予想されたし、

長女自身がホテル合宿

行きたがったので

参加させた。

(たとえ勉強の合宿

 でも、

 泊まりがけで友達と

 過ごすのは楽しい

 らしい。

 それに年末年始は

 弟と妹という勉強を

 妨げる悪魔?が

 家にいる)

      

ただ、長女は

受験南女にも通っていた

ので

同校の系列の名古屋セミナー

の合宿に参加するか

明倫の合宿に参加するかは、

家族で話し合った。

特に1月10日と11日

には、

名古屋セミナー主催の

ラストスパート合宿

参加することにしたので、

名古屋セミナーホテル合宿

に参加した方が

連続性があっていいかも

と思われる余地があった。

ラストスパート合宿では、

 南山女子本番模試

 滝中学本番模試

 受けることになって

 いた)

  

しかし、

冬期講習明倫ゼミナール

通うことになっていたので、

それとの連続性も考え、

また、

5年生から明倫ゼミナール

通ってきた総決算として

明倫でいいだろ

ということになり、

明倫の年末年始合宿に

行くことにした。

 

各受験生は、それぞれの

事情に応じて

ホテル合宿に参加するか否か、

参加するならどの塾の合宿に

行くかを判断すれば良いが、

受験直前期なので、

どの塾もやることは

ある程度決まっているといえ

今通っている塾のものに

参加するのが、まあ無難と

いえる。

  

最初に書いたように

年末年始にどういう勉強を

するかを

きちんと決めている親子

あるいは

大晦日と元旦くらいは

頭と体をやすめなきゃと

思っている親子は

別に無理をしてホテル合宿

に行かなくてもいい。

(宿泊代などがかかる分、

 参加費用も高めだしね)

 

今まで塾に通ってきて

ホテル合宿に参加しない

のは

何か体裁が悪いなどと

塾に気兼ねする必要はない

親子の都合で決めれば

よろしい。

ただ、ただ

悔いの無きように ---------