国境の島・対馬

衆議院の安全保障委員として、国境の島・対馬を視察した。
日本と朝鮮半島を分かつ対馬海峡に浮かぶ対馬は、福岡から138kmの距離に位置するが、韓国の釜山からはその半分以下の49.5kmで、晴れた日には対馬の西岸から朝鮮半島の山々や建物を望むことができる。元寇襲来や秀吉の朝鮮出兵の折には、日本の最前線基地として幾度となく翻弄された。

その対馬に、いま韓国資本が大挙して押し寄せている。それを象徴するのが、島のほぼ中央に位置する海上自衛隊対馬防備隊本部の基地周辺だ。基地施設の隣接地が韓国資本に買収され(厳密には、真珠工場だった跡地を「ナマコ加工工場建設」という土地取得理由で100%韓国資本が占める日本企業に売却されたのだという)、韓国人向けのリゾート開発に供されているのだ。週末になると、韓国人観光客が押し寄せ、自衛隊基地の中を走る道路を闊歩しているという。

今回の視察の一つが、その海上自衛隊対馬防備隊本部。対馬にある2つの海上自衛隊基地に壱岐島の基地も加え対馬海峡に所在する3つの基地を統括し対馬水道周辺の情報収集に当たる枢要な基地だ。その基地の隣接地を外国資本が買収するなどということは、あってはならないことだ。韓国人観光客にまぎれて北朝鮮の工作員が潜入する可能性も排除できない。つねに、彼らは国境の島の警備状況を観察できる環境にある。

こんなことがまかり通る国はおそらく日本だけではあるまいか。実際、真珠工場跡地が売りに出された2002年当時、自衛隊は対馬警備隊本部の拡張を念頭に隣接地たる真珠工場跡地の買収を検討していた。しかし、予算が組めないとの理由で断念されたというのである。平和ボケも極まれり。臨時国会では、毒入り餃子問題や後期高齢者医療制度の見直しや緊急経済対策など争点山積であるが、この国境の島の無防備状態につき最優先課題として、安全保障委員会で徹底的に追及するつもりだ。
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