ご存知の通り、来週の水曜日、20日には次期自民党総裁が決まり、そのまま自動的に次期総理大臣が決まります。このように第一党の党首が、自動的に一国のリーダーになるのは、議院内閣制の特徴ではありますが、いつも同じ政党が第一党で、いつも同じ政党の党首選が自動的に総理大臣を決めてしまうというのは、やはりどこか釈然としないところがあります。
しかしそれでも、今回の自民党総裁選も、基本的には一つの党の党首を決める選挙ですから、自民党の党員しか投票できません(総裁選の仕組み)。もし、このことに何となく納得いかないという感じがする場合は、それはやはり次の国政選挙に投票に行って、自分の意思表明をすることが大事になってくるのかもしれません・・・。
さて、本題です。たしかに今回の自民党総裁選には党員以外は投票できませんが、現在立候補されている三人の候補が、どういう考え方を持っているのかということは、やはり誰にとっても関係ないことではないように思います。三人の経歴、政見(政権構想)は、すべて自民党のサイトに載ってますが、目を引くのは、安倍さんと麻生さんは小泉さんの政策に近いのですが、谷垣さんはかなりスタンスが違うということです。
この点をふまえて、今回の総裁選の最も注目すべきポイントを絞り込むと、麻生さんには大変申し訳ないのですが、やはり安倍さんと谷垣さんの政見になるのではないかと思います。なぜなら、周知の通り、今回は安倍さんが選出される可能性がきわめて高いということと、谷垣さんがユニークな立場をとっているだけでなく、次の次も狙える実力派だという事情があるからです。
安倍さんの政見の最大の特徴は、憲法改定です。これはもちろん、戦争放棄を定めた憲法9条を変えることを含んでおり、もし安倍さんがこれを本気で進めるのであれば、今後国論を二つに割る大変な議論が湧き上がる可能性があります。改憲については、あまりにも巨大なテーマですので、20日の投票日前に、もう一度改めて投稿したいと思います。
一方、谷垣さんの政見の目玉は、消費税10%というものです。かつて橋本政権は、消費税を3%から5%に2ポイント上げただけで、回復軌道に入りかけた日本経済の腰を折り、デフレを長期化させました。もちろん、当時と今では状況が違いますが、今回の5%から10%までの5ポイントの上げ幅というのは、10年程度の期間の中で複数回に分けてやるとしても、日本経済に相当のインパクトを与えることは容易に想像できます。
もちろん、この増税策の目的は、これによって速やかに財政再建を図り、日本経済を根元から再生させて、その利益を現在と将来の国民に還元する(=巨額の財政赤字による潜在的・顕在的損失を放置したり、先送りしない)というところにあります。しかし、今後十年間、経済がどういう動きを取るのか誰にも分からないのにも関わらず、今から10%という思い切った数字を言い切ってしまうのは、納税者からすると、大きな不信感を持たれるように思います。このへんは、もっと説明が必要です。
谷垣さんは、今回は選ばれないかもしれませんが、派閥の会長であり、何度も閣僚を経験してきた実力派ですから、次の次の可能性は十分あります。そういう意味でも、この人の発言は今後も無視できないところがあるように思います。
総理大臣の候補ともなると、政権構想もさることながら、やはりその人柄についても知っておきたいという気持ちになるのではないでしょうか。いろいろネット上を回っていて、Wikipediaの情報がなかなか充実していることに気がつきました。また、外部リンクも面白いところに張ってあります。
ご存知の通り、Wikipediaは誰でも書き込めますが、中傷誹謗は削除されるようだし、関係者が自身に関する記事を削除・変更しようとすれば、なぜかバレる仕組みになっているようです。そういう意味では、相応の受け取り方をして読めば、それなりに有用な情報が得られるようにも思います。おヒマなときにも、安倍さん、谷垣さん、麻生さんについて、それぞれ見ていただくと、人間味のあるエピソードも載っており、なかなか面白いかもしれません。
前回の投稿に続き、国内問題のトピックになりました。しかし、国際問題というのは、各国の国内問題の延長線上で起きているものですし、国内問題を原料にして起きているものです。ですから、これからも国内問題についても、積極的に取り上げていきたいと思っています。