2007年5月17日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> さあ!アンヘル・ロメロがやってきた。

 ついにおいちゃんの目の前に、いつもものすごくかっこいい演奏で誰彼かまわずメロメロにしてしまう、あの、あの・・・、あのアンヘル・ロメロがやってきました。時は2007年5月13日、日曜日、午後8時。ところは大阪府豊中市の服部緑地公園の中にある大阪センチュリー交響楽団の練習場。大阪国際フェスティバルの最終日を明日にひかえたその日。自分の弾くアランフェスと村治佳織さんと一緒に弾く「マドリガル協奏曲」のオーケストラとの音合わせのためにやってきました。
しかもオーケストラの人たちが全員帰ったあと、メガホンをつけて怒鳴っているのかと思うくらいのでっかい声をたてながら「ガオー!ギャオー!」と言いながら(言葉がわからないこちらにとっては怪獣の雄たけびとしか思えないような叫び声を上げながら)会場へ入ってきました。そもそも最初から夜の7時ギリギリに到着する予定だったのが、乗るはずの飛行機に乗り遅れておったらしく、村治さんがしかたなく自分の弾く武満徹の「夢の縁へ」と二つのギターのための協奏曲であるべき「マドリガル協奏曲」の第2パートだけでオケとの音合わせをすべて終えたあとに、さきほどいったような怪獣の雄たけびをあげながら会場に入ってきたのです。しかもそのいでたちたるや、ついさっきまで海岸で海水浴をやっていたような、ランニングシャツに短パン、足にはハワイで流行中という真みどり色のゴム草履を履いて。そして露出した肩から脚はなんと金髪の毛むくじゃら。まさにロスアンジェルスの金髪怪獣。その金髪怪獣がオーケストラの練習場へ例の雄たけびを上げながら乗り込んできたのです。
しかしその怪獣が入ってくるやいなや、その場は瞬間にパッと明るくなり、まるで雲の切れ間からお日様が顔を出した時のように、そこらじゅうがいっぺんに真昼間になったよう。まさに天性の「ノー天気」。遅れてしまって、オケの人たちが帰ってしまったのもなんのその。「気にしない気にしない。だいじゃぶ、だいじゃぶ」となんだか反対のような気がするなあ。残っていた佳織さんや指揮者の人にひとしきり挨拶を交わした後、「さあやんべか」だと。オケ無しでどうすんのよ。「いやあ、だいじゃぶ、だいじゃぶ。佳織とマエストロさえいればだいじゃぶよん」てなもんで、マドリガル協奏曲が始まりました。オケパートはどうしたかっちゅうと、指揮者とロメロの口三味線ならぬ口オケ。ロメロさんソロのアランフェスもおんなじ。オケの代わりにロメロさんが大声で歌います。ロメロさんの口オケにマエストロ(指揮者のこと)が大真面目に指揮棒を振りますなあ。まあそのおっかしいことおかしいこと。そしてロメロさん、最後にパーフェクト!!」と、またまた金髪怪獣の雄たけびを上げますなあ。まあそのノー天気なことといったら・・・。でもアンヘルさんの弾くギターはものすごい太くて、丸くて、素晴しくよく通る音で、その上むちゃんこかっこ良くて、その場に居合わせたおいちゃんたちは、やっぱしもうロメロメロ。そしてぞくぞくするほどスリリング。皆さん共々「やっぱしこんなギタリストはそうざらにはおらんわなあ」と感心することしきり。会長、いや快調に指揮者の棒に合わせた口オケと共に夜もしんしんと更けていくのでした。そしておいちゃんや佳織さんのお腹の虫が合唱を始めても、果てしなく口オケは続いていくのです。「もお!ええかげんにせえよ!」
続く・・・。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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