国際医療について考える

国際協力という分野に興味を持つ人たちとの情報共有、かつ国際協力に関する自分としてのより良いありかたについて考える場所。

健康診断

2018-12-04 | 内科トピック・健康診断

 

推奨されるがん検診(かかりつけ医のためのがん検診ハンドブック

便潜血検査(学ぼう!! 検査の使い分け

化学的方法:赤血球中のヘムの持つペルオキシダーゼ様作用を検出。
指示薬が異なるオルトトリジン法とグアヤック法の2つが日常検査で利用されている
 オルトトリジン法は感度に優れ、ごく微量な潜血でも検出可能だが、ヘムと同様なペルオキシダーゼ様作用を持つ肉や魚料理などに含まれる血液や鉄剤、ミオグロビン、緑黄色野菜でも陽性となり、偽陽性反応が問題となる。
 グアヤック法は特異度に優れる一報、感度は劣り(オルトトリジン法の50分の1-100分の1程度)、極微量の血液は検出できない。
 そのため,グアヤック法が陽性であれば,潜血陽性,オルトトリジンが陰性であれば潜血陰性とすることができます。

免疫学的方法:ヒトヘモグロビンに対する抗体を用いて潜血の有無を検出する方法
豚、牛あるいは魚類の血液には反応せず、ヒトヘモグロビン、すなわち潜血を特異的に検出できる。一方で、胃酸や胃・膵液由来の消化液によりヘモグロビンが変性する上部消化管出血は検出できず、下部消化管、大腸での出血の有無を検出する場合に利用されている。便潜血反応が大腸出血・癌のスクリーニング検査として利用されている。


免疫学的便潜血反応と大腸癌
 早期発見には便潜血反応と大腸内視鏡検査が有用。集団検診の報告では、免疫学的方法での陽性率は5%前後で、陽性患者の2-3%が大腸内視鏡検査により大腸癌と診断される。従って、集団検診による大腸癌の発見率は0.1%程度。また、毎年便潜血反応検査を受けると大腸癌死亡リスクは60-70%減少すると推定されている。尚、免疫学的潜血反応による大腸癌検出率は、進行癌で60-75%、早期癌で30-40%であり、2日間連続検査法を行うことで10-15%程度検出率が改善するとされる。

 

自覚症状なしの健康診断で免疫学的便潜血が陽性となった場合、原則、大腸内視鏡検査による精査が必要

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月3日(月)のつぶやき | トップ | 12月4日(火)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

内科トピック・健康診断」カテゴリの最新記事