ニックの若い頃の肖像画が届いたので額装して壁に飾ろうと思い立ち、富士吉田の額縁屋さんを紹介してもらった。
額縁のように富士山が拝める有名な金鳥居を抜けて、吉田本町公営駐車場(一時間100円)に軽自動車を止める。
雨の中傘をさして行ったので、古い商店街の町並みの写真は撮れなかった。愛媛の三津浜か、ペンシルベニアのアレンタウンを髣髴とさせる町。かつて高い文化があり、今は寂れている。
額縁屋さんは、きりりとした洋装の白髪の女性であった。やりかけの仕事を、今終わらせますから、と断られて、丁寧に的確に手を動かされた。それから台の上を広く空け、ニックの肖像画を広げ見て頂いた。色やデザインの僅かな希望を述べると、わかりましたお任せ下さい、と仰った。こういう老舗の熟練の職人に大切な品をお任せできる幸福というのか。高級ブランドでお金で買えるそれとは全く異質の、誠に贅沢な気分を味わわせて貰った。出来上がりが楽しみだ。
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