ミセスローゼンの富士日記

チェリストのナサニエル・ローゼンと日本に住んで六年目。音楽仲間と富士山麓に暮し、俳都松山へ通う日々!

鶏小屋の藁や卵や風光る

2017-04-24 07:18:20 | 日記

我が家の富士桜一分咲き。残念明日から私はLAへ出発。帰ったら散ってるだろう。

うちの近くで、ピーターラビットみたいな茶色の兎を見た。その夜見た夢。

裏の鶏小屋(そんな物は無い)に行くと、茶色の兎が藁の中にうずくまってて、どうやら卵を孵しているようだ。兎の癖に、と思って、抱き上げてどかして、卵を取ろうとしたら、ぴょんと跳ねて、隅っこでしゃがんで卵を産んだ。
あれ、兎も卵産むんだったっけ! と軽く驚き、失礼しました、と言って小屋を出た。家に入ると、ニックが紙に漢字を書いてて、見たら俳句だった。
法と啼き法華経と鳴く初音哉 鉈煮得
なんで、と思ったが、漢字が書けるのに感心して褒めた。しかも達筆だったし。でも啼きと鳴くを意味もなく書き分けてるのが小癪な、と思った。
「兎、卵産んだよ。」
「どれ?」
「いや、食べれないでしょうあれは。」
「じゃ、鶏の卵を取って来なさい。」
「兎しかいないんだよ。」
「じゃ兎の卵でもいい。」
「兎の卵って食べてもいいの?」
「何でいけないんだ?」
「いっやーあれはどうなんでしょう?」
と押し問答しているうちに、ああこれは夢だなあと思って、思ったらすぐ目が覚めた。トイレに立った時、忘れないようにニックの妙な俳句をざっと書きつけまた寝た。朝起きて、すっかり忘れてテーブルの上を見たら、大きな字で法華経と書いてあるんでぎょっとした。
以上


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湖に花散る昼の演奏会

2017-04-24 07:10:47 | 日記

句友秋尾さんがショパンのワルツを弾くというので聴きに行く。河口湖に着いたら大渋滞で、それもそのはず桜祭りの真っ最中。駐車場も長蛇の列。河口湖円形ホールの駐車場はロープが張られ、でもコンサートを見に来ましたと言えば入れた。その駐車場はもう湖畔で、この写真のように正面に富士が、手前に桜が満開。オーマイグッドネス! 普通に桜祭りに来ても車止められへんかった! 彼女に感謝。
秋尾さんはよく準備して、落ち着いて、内に熱のこもったショパンを弾いた。正直驚いた、こんなに上手いと思わなんだ。拍手しながら、気づいたらブラーヴァを叫んでた。私はニックや娘にはブラボー言えないし、ニックと一緒にコンサート見に行くとニックがブラボーするから、私はブラボー言う機会は滅多にない。ハイフェッツのハリウッドボウルのライヴ録音の最後に入ってるブラボーもニックのブラボーである。私も上手いブラボーを言いたいといつも思ってる。その夢が叶った。小さな夢を幾つも持つと、着々と叶うので、ふふ、おもろい。
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春の人座席に眠り横倒れ

2017-04-22 09:55:00 | 日記

ハッピーバースデーかぼちゃん五歳。(4/19)

ニックは無事LAに着き、毎日忙しい。ピアティゴルスキークラスでは後輩だったジョンの家に泊まっている。ジョンの家はピアティゴルスキー先生の近所なので、先生の送迎を仰せつかっていた。ピアティゴルスキー先生は生徒にあだ名をつけるのが好きだった。リンハレルを「太っちょ坊や」と呼び、ニックは「教授」、ジョンの事は「濡れ鼠」と呼んでいたそうだ。ジョンはとてもハンサムで、ミックジャガーと一緒に仕事をしてた事もある。私の好きなコアラ顔をしている。濡れ鼠と言っても、ずぶ濡れのモルモットを想像するとよい。

私は今年から正式に職業欄に「フリーライター」と書いている。ほれぼれと書いている。物を書いてお足を貰い、それが小説なら作家、詩なら詩人、雑文ならフリーライターと決まっている。いつの頃からか私は、フリーライターとか空間プロデューサーとかフードコーディネーターとか、そういう漠然とした職業を職業欄に書くことに夢を持っていた。今その夢が叶った。ご職業は? と聞かれ、フリーライターです、と答えた時に相手が、あーあ、と鼻で小馬鹿にする顔を見るのが、ははは、おもろい。
アメリカではライターとしか書かないし、人に話す時は「詩人です」と言って澄ましている。必ず「あなたもミュージシャンですか?」とニックの横で聞かれるのがうざい。で、驚く事に、詩人はミュージシャンより尊敬されるのである。画家もそうだ。「私は売れない詩人(unsuccessful poet)で、私の姉は売れっ子詩人(popular poet)です。」と自慢すると、みんなが「まあ素敵なご姉妹ね!」みたいに言って、叶姉妹にするみたいにチヤホヤしてくれるから気色良い。
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珈琲の缶ふるふると振る桜

2017-04-19 12:07:36 | 日記

写真は富士新倉浅間神社の桜。(句友三歩さんより拝借)

富士吉田市は今が桜満開。私は今から富士急行線(各駅停車)に乗って帰るんでこれから見る。この神社が建ってるお山の下を電車が通る。進行方向右ねと、秋尾さんが教えて下さった。富士は左。

今日は花見客が多くて神社まで登るのは中々たいへんらしい。車窓から見るのが大正解かもしれん。隣に座った人が、私が富士を見に来た外国人と信じて英語で色々教えてくれる。富士吉田の人は旅行者にとても親切。お遍路さんにお接待する四国の人と同じ様な態度だ。
(花の山に忠霊塔がチラっと見えた。)

昨日から風が強くて飛行機も嫌あな感じに揺れた。ニックは松山から帰り、成田で乗り換えてLAへ。お義母さんの90歳の誕生日を祝い、ビジネスを済ませ、友達に会う。とんぼ返りは体調に悪いので余裕を持って往復。私は本番の無い内職者なんで後から行ってベティママのお祝いだけしてとんぼ返り。今回は珍しく、もうしばらく旅はいらんなー、という気持ち。家でじっくり内職したい。しかし人生はなるようにしかならん。風に靡かず突っ張ってると枝が折れてしまう。花の時期はいつもこのような気持ちになる。穏やかにゆるやかにこの身を任せていたい。あーあー河の流れのようにーという感じ。
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ものの芽や思ひ思ひに伸びてゆけ

2017-04-18 09:33:29 | 日記

実り多いクラスコンサートだった。全員が、良い音程のために指のアングルを変え、肘の位置を変え、もっとストレッチし、良いボウイングのためにどんなに腕を伸ばしているか全部見えた。私の二人の娘はニックに一音一音怒られ、怒鳴られ、泣かされ、𠮟咤激励されてきたので、レッスンを見なくてもみんなの頑張りはわかるつもり。だからそれが成果(よい音)となって現れるのを目の当たりにすると、涙が出てしまう。
ニックは弟子の和田理とポッパー組曲を弾いた。最後のリハーサルの直後、普通とは違う演奏をしような、とニックは約束していた。ニックはリハーサルに100%弾く。本番の第一楽章に120%弾く。二楽章はそれ以上に弾く。二楽章終わった時点で、ああ三楽章がまだある、どうするのだ、もう力は残っていない、となった時初めて人は普通では出ない力を発揮する。火事場の馬鹿力というやつだ。そこまで自分自身を追い込んで、普通じゃない演奏を見せる、自分自身との闘いを見せてくれる。これがバレエやボクシングなら当たり前。ダンサーやボクサーは自分が楽しんでパフォームするなんて事はあり得ん。一秒一秒が自己の肉体の限界との闘い。チェリストも同じという事をニックは身を持って教える。和田理との真剣勝負みたいな演奏を我々観客はハラハラ楽しんだ。闘いながら共に生き残る。丁々発止。和気藹々だけでは何も起こらない。ニックの影響で、パフォーマンスがエキサイティングになってきた生徒も増えて来た。頼もしい限りだ。
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