ミセスローゼンの道後日記

頭数足らぬ電話の鳴る野分


今日の一句は麻雀に誘われた人みたいだが、実は室内楽のメンバーが足りないからすぐ来いと呼ばれたという句。ニックには、高校の体育の授業中ハイフェッツ先生からすぐ来いとお呼びがかかり慌てて早退、背広にネクタイ締めてチェロ担いで汗だくで駆けつけた、思い出がある。
今日の写真は、「アラスカ・シトカ音楽祭」に密着取材したオランダのドキュメンタリー番組の一場面。私とニックは到着したばかり。真ん中にいるのが、創始者グループのリーダー、ポール・ローゼンサール。参加ミュージシャンのウェルカムパーティーが、小さな湾の中の静かなビーチで行われた。私の故郷と同じような風景。違う点は、白夜であることだ。昼のように見えるが、午後九時ぐらいだと思う。砂浜に穴を掘り、焼いた石を敷き詰めた上に、人の背丈くらいあるホワイトサーモンとピンクサーモンを仲良く横たえ、また焼石をぎっしり詰める。子供達が白い花を摘んできて、お墓のような石の周りに並べる。やがて鮭が焼き上がる頃、石を一つ一つはがす楽しみ。子供達がぴょんぴょん跳ねて踊る。大人達は漁師小屋に入り、白ワインのグラスとお皿を手に手に行列を作る。鮭が運ばれ切り開かれ、白かピンクか聞かれる。(感謝祭のターキーを白身か赤身か聞かれるのと同じ。)私は日本人代表として胸を張って、両方、と答える。意外や、赤身の方がむしろ淡白、白身は脂が乗っている。
シトカ組の組長ポールは、音楽祭の中日に一日休みをもうけ、日がなバーに座ってちびちび飲んでいる。それを知る人々が、ポールと一杯やる為にひきりなしにバーに押しかける。どこかで聞いたような話だ。いつき組の花見で組長夫妻がやるのと同じ事をやってるなあ、とおかしくなったのを思い出す。そのポールが十月に来日して、七日と九日の二日間、ニックと素晴らしい共演者と室内楽を演奏する。優しいおもろいおいちゃんです。

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