萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

最上川自転車散歩 第一話「前夜祭~まずは腹ごしらえ~」

2008年11月26日 | 自転車の旅
今月半ば、最上川を酒田市の河口から、遡るようにして新庄まで走った。新庄からは輪行で赤倉温泉まで行き、温泉で一泊。翌日は山形まで走る予定が、雨の為、村山駅で終了。二日間の走行距離は115km。この旅は、そのうちやろうと思っている「おくのほそ道を走る!」の下見でもある。「旧中仙道」と違って、ここがおくのほそ道だ、という確実な道というものがない。かててくわえて、芭蕉個人の気ままな歩き旅なので、複雑な動きをしている。忠実に後を辿って行くなら、歩く方がいいのではないか、と思い始めてもいる。

とりあえず、自転車でざっと走っておいて、退職後、じっくりと歩いて見る、という手もある。在職中は自転車の“機動力”を活かして、絵で言えばデッサンを描いておいて、“歩き”で色を付け仕上げるという感じだ。そういう意味では今回の旅はデッサン以前の試し描きみたいなものである。

さて、前夜。酒田市のビジネスホテルにチェックインした後、翌日からの自転車の旅に備えて腹ごしらえすべく、酒田の街へ繰り出した。お目当ては本間屋敷跡の側にある「魚一」という店だ。すぐに探し当てたが、あいにく暖簾が出ていない。店も暗い。休みのようだ。しかたが無いので清水屋デパートの近くの「土筆(つくし)」へ入る。ここは以前、鳥海山に山スキーに来た時にも入ったことのある店だ。十年ぶりになる。

とりあえず、生ビールと刺身盛合せをたのむ。出てきたのは二切れづつで7種類の魚介だ。豊かな海の幸がある証拠であるとともに、酒呑みにとっては、ありがたい刺し盛だ。皿もきれいなブルー。見た目も鮮やかだ。味の方も申し分ない。酒は地元酒田の初孫だ。この蔵元は以前訪ねたことがあるので親しみがある。

今が旬だというハタハタを湯上げでもらう。これも卵がコリコリしていて、酒の肴にちょうどいい。もう少し呑み続けたくなったので、お新香をたのむと、生憎とカブしかありません、といって出してきたのが、赤カブの漬物。これが塩加減といい、瑞々しさといい絶品だ。なお、酒が進む。

明日は朝から走らなければならないのでダラダラと呑んでいるわけにもいかず、炭水化物の補給(カーボローディング)のつもりで「おにぎり」をたのんで締めた。このおにぎりがまた大変美味しかった。ご飯がいいのに加え、海苔も風味があり、何個でも食べられそうなのだが、二個で我慢。

満足の“腹ごしらえで”店を後にした。

<つづく>


<いわゆる刺身のツマでボリュームを出すことなく刺身だけでの盛り付けに好感がもてる>


<ハタハタの湯上げ。舞茸も美味しかった。これも絵皿が料理を引き立てている。>


<見事な漬物>


<おにぎり旨し>


<この酒の出し方がいい。流行の“溢れ注ぎ”でないところにこの店のセンスの良さを感じた。>

※「最上川自転車散歩」の続きを見られる方は以下をクリックしてください。

第二話「河口から清川へ」
第三話「最上川」
第四話「山刀伐峠」
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