大和証券グループ本社傘下の大和証券キャピタル・マーケッツ(CM)が、成長著しいアジアの3カ国・地域で拠点強化に乗り出す。韓国・ソウル支店を来春に現地法人に格上げし、デリバティブ(金融派生商品)業務に参入。インドや台湾の現地法人でもデリバティブ業務を行う準備を進めている。経営戦略の柱に据えるアジア事業強化の一環で、アジア株取引で業界5位の取次業者を目指す。
「下期(2010年10月~11年3月)はアジア株収益の倍増やデリバティブビジネスの拡大を図る」。19日、大和CMの香港現地法人が開いた記者会見で、日比野隆司副社長はアジア戦略を加速させる考えを強調した。
香港現地法人の10年7~9月の株式売買代金は460億香港ドル(約4950億円)と過去最高を記録。同日開かれた機関投資家や企業向け説明会には日本を含む計11カ国から150社を超える企業が参加し大和のアジア戦略への関心の高さをうかがわせた。
大和証券グループが掲げる11年度のアジア関連の営業収益目標は、09年度比3倍超の1600億円。その中で、機関投資家を対象とした債券・株式業務と、投資銀行業務を行う大和CMの役割は大きく、グループ本社の鈴木茂晴社長は「アジア戦略の先陣を担う」と期待する。
大和CMは、韓国最大手の資産運用会社、ミレーアセットと提携し、韓国株式で運用する投資信託を日本で販売。韓国では法人設立が認可され次第、デリバティブ業務の申請や、国債入札に参加できるプライマリーリーダーの資格取得へ向けた準備を進める。インドや台湾の現地法人でも、デリバティブ業務の申請準備を進めており、3カ国・地域での業務内容を「日本国内と同じレベル」(同社幹部)まで引き上げる方針だ。
とはいえ、成長が見込めるアジアで、すでに強固な拠点を持つ欧米金融機関を相手に勝ち抜くのは容易ではない。グループのアジア関連の営業収益は、10年4~9月は前年同期とほぼ同じ250億円程度にとどまった。大和のアジア株の売買委託手数料は15位前後で、「5位以内」という目標は遠い。
大和CMが進める海外拠点強化の果実が得られるのは早くても11年以降。「営業収益ベースで年間150億円」(鈴木社長)とされるベルギー金融大手、KBCグループの部門買収効果が10年度下期の反転攻勢の鍵を握りそうだ。(鈴木正行)
「下期(2010年10月~11年3月)はアジア株収益の倍増やデリバティブビジネスの拡大を図る」。19日、大和CMの香港現地法人が開いた記者会見で、日比野隆司副社長はアジア戦略を加速させる考えを強調した。
香港現地法人の10年7~9月の株式売買代金は460億香港ドル(約4950億円)と過去最高を記録。同日開かれた機関投資家や企業向け説明会には日本を含む計11カ国から150社を超える企業が参加し大和のアジア戦略への関心の高さをうかがわせた。
大和証券グループが掲げる11年度のアジア関連の営業収益目標は、09年度比3倍超の1600億円。その中で、機関投資家を対象とした債券・株式業務と、投資銀行業務を行う大和CMの役割は大きく、グループ本社の鈴木茂晴社長は「アジア戦略の先陣を担う」と期待する。
大和CMは、韓国最大手の資産運用会社、ミレーアセットと提携し、韓国株式で運用する投資信託を日本で販売。韓国では法人設立が認可され次第、デリバティブ業務の申請や、国債入札に参加できるプライマリーリーダーの資格取得へ向けた準備を進める。インドや台湾の現地法人でも、デリバティブ業務の申請準備を進めており、3カ国・地域での業務内容を「日本国内と同じレベル」(同社幹部)まで引き上げる方針だ。
とはいえ、成長が見込めるアジアで、すでに強固な拠点を持つ欧米金融機関を相手に勝ち抜くのは容易ではない。グループのアジア関連の営業収益は、10年4~9月は前年同期とほぼ同じ250億円程度にとどまった。大和のアジア株の売買委託手数料は15位前後で、「5位以内」という目標は遠い。
大和CMが進める海外拠点強化の果実が得られるのは早くても11年以降。「営業収益ベースで年間150億円」(鈴木社長)とされるベルギー金融大手、KBCグループの部門買収効果が10年度下期の反転攻勢の鍵を握りそうだ。(鈴木正行)