行政書士・社会保険労務士 大原事務所

人生も多分半ばを過ぎて始めた士業。ボチボチ、そのくせドタバタ毎日が過ぎていく。

いちじく

2014-11-28 17:43:06 | 日記・エッセイ・コラム
 暫く前、いちじくが近くのディスカウントストアに出ていた。
 私は四国の田舎町で生まれて、高校卒業までそこで育った。
 上京して、スーパーでいちじくが売られているのを見て、違和感があった。あれは売る物かと思った。田舎の本家の庭には大きないちじくと枇杷と桜の木があった。いちじくと枇杷は私の家の隣の家にも植えてあった。手入れもなにもしていなかった。本家の庭にあった物は勿論、隣家の物も取って食べても「お腹こわすよ」とは言われても、取ったことをとがめられることはなかった。
 枇杷は別にして、自然にまかせて、手入れもしない木になっているいちじくは如何にも見た目が悪い。食べると病気になる風情である。
 いちじくの場合、売っている物も見た目は良くない。さすがに表面に傷がついて少し悪くなっているような物は売っていないが、見た目が良くないのは昔田舎で自然になっていたものとほぼ同じ。とてもお金を出して買う気はしなかった。
 ところがたまに、どうしても食べたくなって買ってしまうことがあった。そうするといつの頃からか、毎年季節になると一度は買ってくるようになった。田舎にいた頃味わったのと同じ甘いブツブツした感触が懐かしい。いちじくは漢字で書くと「無花果」と書くが、花が無いのではなくて、あの実がすなわち花。ブツブツしたものの一つ一つがすべて花だという。熟れ具合にもよるが、皮を剥いていると実が崩れる。茎の方からざっと洗って、根元だけ残して皮ごと食べてしまう。美味い。
 熟柿と同じで、家人は見た目が駄目、気味悪いと言って食べない。
 「将来、お前らが年とって死ぬ前に、一度でいいからいちじくを食べたいと言って俺に頼んでも絶対に買って来てやらない」
 と言ってやった。

何とか回った?フラフープ

2014-11-07 13:07:21 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、フラフープの練習三日目。
何度やっても回って5、6回。すぐ足元に落ちる。くるくるなんてとても回らない。ネット動画にあったフラフープの回し方の解説だと10回まわればいくらでも回るそうだ。とりあえず目標10回。
10分、15分と練習していると息が上がってくる。でも回らない。特に運動制限はされていないが心臓が悪い。すぐに脈が上がってなかなか下がらなくなることがある。
そこで、暫し休憩。サイダーを飲みながら、イメージトレーニング。
左足を前に少し脚を前後に開く。腰の後ろにしっかりフラフープをつける。左に回したいので、右に身体をねじる。少し反動を付けて輪っかを前に押し出す。同時に腹を突き出すようにして腰を前後に振る。
何度もイメージしながら、もしかして腰の動きが早すぎるのかと思った。もう少しゆっくり輪っかの回るスピードに合わせてやってみよう。
練習再開。やはり駄目。二回、三回。失敗続き。やっぱり駄目か!と思いながら再度挑戦。よーく輪っかの動きを見ながら少し大きく腰を動かしてみた。すると、落ちない。すぐに足元に落ちていた輪っかはくるくると腰に絡みついて下に落ちない。10回、20回、30回。とうとう70回近く回った。調子に乗って少しスピードを上げようと腰の動きを早くしたら輪っかの回転と合わなくなって下に落ちた。
出来た。もう大丈夫だろう。ところが、今がチャンスと続けたが駄目だった。続けては回らない。7、80回まわるのは10回練習して一回位。なかなか続かない。しかも無駄な動きが多いのか、なるべく長く続けようとしても、今度は息が上がって体力がもたない。
という事で、今日の練習は終り。
これで、フラフープがまわったと言えるのだろうか?まあ、練習の成果は出てるのだろうが。

フラフープが回らない

2014-11-05 22:54:38 | 日記
 60歳になっても、つまらないものでも新しい物を買うと気分は高揚する。帰宅して、ウキウキ、さっそくフラフープを組み立てる。6分割で箱に入っている輪っかのジョイント部分を突き刺していくだけ。
 すぐに組み立てて、回してみて驚いた。回らない。2、3回まわると足元へ落ちてしまう。15分ほど、息が切れるほど練習しても回らない。テレビではみんな簡単に回していたのに。
 こうして、今更ながら三つの事に気が付いた。
 一つ フラフープは誰でもすぐに簡単に回せるものではないという事
 二つ 私はかって一度もフラフープをまわしたことがない事
 三つ 私の運動神経は人並みに以下だという事。(例えば.逆上がりも出来ない) 
 ちなみに、私の息子も逆上がりが出来なかった。以前、息子に逆上がりの練習をさせて、何度やっても駄目だった。 その時言っておいた。
 「父さんも逆上がりは出来なかったが、社会に出て、それで困った事は一度もない」
 ただ、女房は逆上して叫んだ。
「もう、悪い所はみんなあなたに似るんだから」

 話はフラフープに戻る。
出来ない事を何時まで繰り返しても仕方ないので、理論から勉強しようとインターネットで検索。
―フラフープの回し方―
 案外ヒット数が少ない。それだけ簡単という事なのか?動画付きは二つだけ。どちらも簡単に回せると説明している。実際回している動画は幼児に近い子供から初老の大人まで実に簡単そうに回している。見ると私にもすぐにできそうだか・・・・・・・。これがやってみるとやはり出来ない。
 脚を少し前後に開いて、フラフープを背中の腰の部分に付けて、回すのではなく水平に押し出すように勢いを付けて腰は前後に動かす。要するにそんな感じのようなのに。
 初日は結局30分程練習・・・・・・・・・駄目。
 二日目も同じく30分程度練習・・・・・・・何とか20回位まわせたのが二度。やった!出来たと思ったが、それきり。駄目。
 三日目。腹筋が痛む。とりあえず腹筋を刺激する効果はあるようだ。本日まだ練習していない。
めげそうである。

フラフープを買う

2014-11-05 11:32:01 | 日記・エッセイ・コラム
 自営業になってから、あまり身体を動かさない。サラリーマンの頃は営業職だったので、管理職になってからも外出は多かった。都内でタクシーなど使える身分ではなかったので、原則電車と歩き。結構身体を動かしていた。
 何とかしなければと思い毎日ストレッチや軽い運動はしているのだが、ストレッチは別にして、部屋の中で身体を動かすとなるとせいぜいラジオ体操。たまにはいいが、何時もだとつまらない。加えて最近太り気味。特にお腹のまわりが悲惨だ。
 何か家の中で楽しく運動はできないかと考えていたらTVでフラフープが良いと言っていた。
 懐かしい。私が子供の頃一時ものすごく流行った。外へ出ると必ず誰かがやっているという時期があった。その時私は幼すぎて買ってもらえなかった。近所の年上の子供に少し借りてやった覚えがあるが、自分では全く回せなくて、すぐ興味を失った。
 その後フラフープは身体によくないという噂が立って、あっという間にブームは去った。でも、その噂は嘘で、静かにフラフープ愛好者はずっと続けていて、今また静かなブームになっていると言う。
 ダイエット、特にお腹周りのシェイプアップに良い。手軽である。室内で出来る。TVを見ながら、ラジオを聞きながら出来る。適度な有酸素運動で、運動不足を解消するには最適。
 まあ、いい事ばかりならべたてていたので、そのすべてを信用する訳では無いが、身体に悪いことはないだろうと思って、始めることにした。
 ネットで値段を調べる。下は500円位から、上は一万円程度まで幅広い。安いのは子供用だろうか。まあ1,000円から2,000円程度のもので充分だと思って近くのホームセンターへ行った。
 一軒目。ない。いくら探してもない。店員もレジとサービスカウンター以外にはいない。店員が少ないものだから、どちらも何人も待っている。面倒だ。
 HPには在庫有りで出ていたのだが、それはネット用の在庫なのだろう。無い物は仕方ない。注文して、支払いして、受け取ってというネットの手続きが面倒なので買いに来たのだが、別の店に行くことに。その前にこの店は1Fにあるたい焼き屋さんが安くてうまい。二つ買う。
 ということで2軒目。こちらは商品を探す気がおこらない位大きな店なので多分あるだろう、と思った。
店員さんを見つけ、案内してもらう。大人用は一種類二個在庫あり。値段は税込1,609円。まあ手頃。それに決めてレジへ。
 ところが、ピッとバーコードを読みとる音がして、表示を見ると2,052円。一瞬間違いだと思ったが、陳列台に差し込んであった売値表示を見間違えたのかも知れないし、バーコードに間違いはないだろうから、まあいいかと思って支払をした。
 ただ、支払をした後、一応確認しておこうとフラフープ売り場へ行って老眼鏡をかけてもう一度売値を見たが、確かに税込1,609円と表示されている。
 仕方なく、優良クレーマーに変身。
 ―てめえ、ふざけんじゃねえよ!値段が違うだろう!あほ!ボケ!ゴミ!かす!―
 などと何処かのクレーマーのような品のない言い方はしない。
「レジと売値の表示が違うよ」と優しい苦情。
 連絡しましたからサービスカウンターへ行って下さい、と丁寧な口調で言うので、それに従う。
 すぐに担当の店員が来て、これが、どういう訳か若くてかわいい女。この店は殆どがパートのおばさんと男なのに珍しい。やはり苦情担当はそれなりの子を配置するのか。
 彼女、私からレシートを受け取って売り場へ戻る。さらに5分ほど待たされて、調べた結果、売り場の担当が混乱してしまって、表示を間違えていたようだとのこと。
 それから先は何も言わないので、レジ通り2,052円の商品なのだから、そのまま買ってくれということかと思って少しムッときたが、それならそれで仕方無い。要らないから返品、と言うのも面倒だ。本来2,052円の商品なのだ。どうせ2,000円程度までは許容範囲と決めていたのだと思い、不本意ながらそのまま帰ろうかと考えていたら、
 「表示通り1,609円で結構です。差額はお返しします。お待たせして済みません」
 言葉は丁寧だが、表情は無愛想。すぐに結論は言わず、そのまま2,052円で買ってくれればいいのにという様子も見えたが、まあいいや。ラッキー、432円儲かった!と、せこい納得。

2014-11-02 14:54:56 | 日記・エッセイ・コラム
 私は柿が好きだ。しかも、触れば潰れそうに熟れに熟れたグズグズの柿が好きだ。
 幼い頃母から「変な子じゃねえ」と言われた。とにかく形が崩れるほどに熟れた柿を好んで食べる。少々甘くても歯ごたえのあるような柿は食べない。母はそんな私の為に時々熟れきった柿を買ってきてくれて、剥けないからスプーンで食べなさいと言った。
 皮がとろけるように薄くなっていて普通の柿のように皮が剥けない。へたを取ると形が崩れるので、へたは取らないように洗って、へたには包丁を入れず上から四等分する。それをスプーンで開くようにして中の果肉をすくって食べる。
甘い。自然の果物の中で一番甘いのではないかと思うほどに甘い。辛うじて原型をとどめていた果肉はスプーンですくわれ口の中に入れられると噛む前にとろけて喉に落ちて行く。
 女房も柿は好きだが、少し硬めの歯ごたえのある柿が好きだという。始めて女房の前でグズグズの柿をスプーンで食った時、彼女は「信じられなーい!お腹こわすよ!気持ちわるーい!どっか行って一人で食べて」とぬかしおった。
 自分の家だ。勿論何処にもいかないで台所で食べるが、食ってる間、女房は顔をそむけている。
 息子はいつの間にか女房に嗜好が似ていて、そんな柿に見向きもしない。
 こういう柿は何時も売っている訳では無い。普通の柿の売れ残りが熟れすぎて売れなくなり、安くなり、それでも売れなくって、ますます安くして、今日売れなければ捨てるぞという風情で店頭の隅の方に伏し目がちに並んでいる。スーパーにはない。町の八百屋さんに売っている。そんな物買う客は少ないようで、八百屋の親父は私の顔を覚えていて、休日に八百屋さんの前を通ると、「熟れた柿あるよ」と声をかけてくれたりする。