先日の夜の雷は凄かった。夜の雷は稲妻が目立つ。窓を開けると、怖い位近くで稲妻が光って、殆ど同時に雷鳴がした。それは形容しがたいグシャっという感じの大きな音だった。こんな雷鳴は初めてだという音。近くに落ちたかもしれない。
「おい!大丈夫か?」と、ドア越しに息子に声をかけた。
「何が?」と、いかにもかわいくない返事が返ってきた。
当たり前と言えば当たり前だ。息子はいつの間にか20歳を超えている。いまさら雷を怖がる歳ではない。雷を怖がらなくなったのは何時の頃からか?甘えん坊だったので中学三年でもまだ怖がっていた記憶がある。
受験勉強をしていた(と、言っていた)中学三年の頃、雷の凄い夜、バリバリと雷鳴が響いた。私は居間にいた。自分の部屋にいた息子が居間に入ってきた。冷蔵庫を開けてサイダーかなんか飲んでいる。雷は立て続けに鳴っている。いつもならすぐに自分の部屋に戻る息子がいつまでも冷蔵庫の前に立ったままちびちび飲んでいる。
「何か用か?」と顔を見た。
「別に」慌てて否定した顔が引きつっている。
窓が白く光って大きな雷鳴がした。息子の身体がビクンと動いた。
「お前、まだ雷が怖いのか?」
「ふざけんなよ!怖えわけねえだろう!」
まだ可愛いものだった。
小学校の頃は本当に可愛かった。雷が鳴ると、私のいるところにすっ飛んできて抱きついた。いい加減にしなさい、大丈夫だよ、と言っても雷の音が聞こえなくなるまで抱き着いて離れなかった。
今は本当に可愛くねえ!!