ちょっと東京ローカルの話になってしまうのですが、TV東京で、毎週土曜日10時から、美の巨人たちという番組をやっているんです。
国内・海外を問わず、美術・芸術の世界の巨人たちを取り上げる番組なんですが、今日はこの番組で、なんと写真家の木村伊兵衛が取り上げられていました。
俺が生まれた年に亡くなった写真家という事で、勝手にシンパシーを感じていたんですが、実際のところ、代表的な写真を数点と、「ライカの神様」とか「スナップの達人」なんて呼ばれてる、同時代の土門拳と、常に対象の存在として並び称されてるて、って事くらいしか知りませんでした。
番組を見て知ったのですが、木村伊兵衛のこの撮り方って、いわゆるキャンディット・フォトですよね。
被写体に気付かれることなく、サッと撮ってスッと去る。
お弟子さんの田沼武能さんは、木村伊兵衛のそんな撮り方を
「神業だった」
と評されているそうです。
以下、公式サイトからの転載です。
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例えば、前方から人物が歩いてきて、伊兵衛といずれはすれ違う。
被写体の人物がどの辺に来てると背景はどうなるか、写角、構図などを瞬間に計算をしています。
通り過ぎる時には、2、3回シャッターを切っています。通り過ぎた人物は自分が写された経過に気がつきません。
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これは確かに神業ですね!!
AFターゲットが10点も20点もあって、合焦スピードも速く、巻き上げもモードラが高速にやってくれる超高性能なAF機のある時代ではなく、カメラはライカ、当然フルマニュアル。それで
通り過ぎる時には、2、3回シャッターを切っています。
って........
しかも、それでいて気付かれてない訳ですよ。
マニュアルカメラ、しかもライカってヤツは
① 巻き上げレバーを巻いてシャッターチャージをする
↓
②シャッタースピードを決める(ライカの場合、①②の順番を逆にはできない。)
③絞りを決める
④ファインダーでピントと構図を決める
⑤やっとシャッターを切る
という、実にしちめんどくさい手順を踏んで撮影をするものです。
これだけの事を、同時に処理しなきゃならない。もっとも、この一連の動作をよりすばやく行う事自体は、慣れと訓練で可能ではあるし、実際、俺自身も下手なAF機を使うよりMF機の方がシャッターチャンスに強いと思っていますが。この動作を行いつつ、それでいて撮られている事に気付かせない、というのは、すくなくとも俺には難しいです。耳で大福食えと言われた方が、まだ現実味が沸くってくらいに。
土門拳との比較もされてましたね。江戸っ子の木村に巨匠の土門。使うカメラは、方や小さなライカ、方や大判。
時の大スター、高峰秀子を撮るにも、お茶を飲み、話をしながらさらりと、いつのまにか撮り終えてしまう木村に、京橋から新橋まで3往復もさせてとことん突き詰めて撮る土門。
まったく好対照な二人。同じ「写真」というフィールドで、ここまで違うか!と、非常に面白く感じましたね。
俺は、ロバート・キャパや沢田教一、一ノ瀬泰造といった戦争写真家や、岩合さんのようなネイチャーフォトの人、アラーキーのような強烈な個性を持った写真家が好きなのですが、「撮り手」である俺は、どちらかといえば木村伊兵衛に近い(←なんておこがましい...)ですね。
ただ、木村伊兵衛と違うのは、彼はそれを、悩む事なく至上としていて、俺は被写体に対する遠慮に悩みながら撮っている、ってトコですかね(^^;)
国内・海外を問わず、美術・芸術の世界の巨人たちを取り上げる番組なんですが、今日はこの番組で、なんと写真家の木村伊兵衛が取り上げられていました。
俺が生まれた年に亡くなった写真家という事で、勝手にシンパシーを感じていたんですが、実際のところ、代表的な写真を数点と、「ライカの神様」とか「スナップの達人」なんて呼ばれてる、同時代の土門拳と、常に対象の存在として並び称されてるて、って事くらいしか知りませんでした。
番組を見て知ったのですが、木村伊兵衛のこの撮り方って、いわゆるキャンディット・フォトですよね。
被写体に気付かれることなく、サッと撮ってスッと去る。
お弟子さんの田沼武能さんは、木村伊兵衛のそんな撮り方を
「神業だった」
と評されているそうです。
以下、公式サイトからの転載です。
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例えば、前方から人物が歩いてきて、伊兵衛といずれはすれ違う。
被写体の人物がどの辺に来てると背景はどうなるか、写角、構図などを瞬間に計算をしています。
通り過ぎる時には、2、3回シャッターを切っています。通り過ぎた人物は自分が写された経過に気がつきません。
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これは確かに神業ですね!!
AFターゲットが10点も20点もあって、合焦スピードも速く、巻き上げもモードラが高速にやってくれる超高性能なAF機のある時代ではなく、カメラはライカ、当然フルマニュアル。それで
通り過ぎる時には、2、3回シャッターを切っています。
って........
しかも、それでいて気付かれてない訳ですよ。
マニュアルカメラ、しかもライカってヤツは
① 巻き上げレバーを巻いてシャッターチャージをする
↓
②シャッタースピードを決める(ライカの場合、①②の順番を逆にはできない。)
③絞りを決める
④ファインダーでピントと構図を決める
⑤やっとシャッターを切る
という、実にしちめんどくさい手順を踏んで撮影をするものです。
これだけの事を、同時に処理しなきゃならない。もっとも、この一連の動作をよりすばやく行う事自体は、慣れと訓練で可能ではあるし、実際、俺自身も下手なAF機を使うよりMF機の方がシャッターチャンスに強いと思っていますが。この動作を行いつつ、それでいて撮られている事に気付かせない、というのは、すくなくとも俺には難しいです。耳で大福食えと言われた方が、まだ現実味が沸くってくらいに。
土門拳との比較もされてましたね。江戸っ子の木村に巨匠の土門。使うカメラは、方や小さなライカ、方や大判。
時の大スター、高峰秀子を撮るにも、お茶を飲み、話をしながらさらりと、いつのまにか撮り終えてしまう木村に、京橋から新橋まで3往復もさせてとことん突き詰めて撮る土門。
まったく好対照な二人。同じ「写真」というフィールドで、ここまで違うか!と、非常に面白く感じましたね。
俺は、ロバート・キャパや沢田教一、一ノ瀬泰造といった戦争写真家や、岩合さんのようなネイチャーフォトの人、アラーキーのような強烈な個性を持った写真家が好きなのですが、「撮り手」である俺は、どちらかといえば木村伊兵衛に近い(←なんておこがましい...)ですね。
ただ、木村伊兵衛と違うのは、彼はそれを、悩む事なく至上としていて、俺は被写体に対する遠慮に悩みながら撮っている、ってトコですかね(^^;)
初めまして。チビトラと申します。以前、GRの話でトラックバック頂き、ありがとうございました。
僕も見ました。昨日のテレ東の番組。僕みたいなカメラオタクは内容よりも、カメラの方が気になって気になって。。
それはさておき、最近のご時世、木村伊兵衛先生のマネも難しいです。やれ、盗撮だとかやれ、肖像権だとか。何度か見知らぬ人に怒れたことがあります。意気込みが足りないのかもしれません。経験から、心底から「この写真とりたい!」と思って撮った場合は案外怒られないものです。いつも怒られるようなものを撮っている訳ではありません。。。
定期的に拝見させて頂きます。よろしくおねがいします。
ご来訪ありがとうございます。
こちらこそ、よろしくおねがいします(^^)
ですねー、カメラ好きにとっては、
「おお!ズマール5cm F2!!」
とか、
「おぉぉ! ライカA型!!」
って感じでしたね(^^)
チビトラさんは怒られた事があるんですね。俺はまだ幸いそういう事はないのですが、撮られるのがイヤって人は、確かに存在しますね。
一応法的には今年5月の法案で
〈1〉住居・浴場・更衣場・便所などで人が衣服をつけていない状態〈2〉人のしゅう恥心を害する体の部分や下着――を正当な理由なく撮影することを、「性的盗撮」として禁じる。性的盗撮写真については、販売だけでなくインターネット回線を通じた提供も禁止。提供目的の所持も禁じる
という事にはなりましたし、肖像権というのもそれを公表した時に初めて発生するものなんですが、そういう事を云々しても、結局相手にとっては「イヤな事をされた」って感覚は拭えないでしょうし...
こればっかりは、チビトラさんの仰るような「意気込み」と、撮っても気分を害しないか否かを判断する「人を見る目」を養うしかないのかもしれません。
木村伊兵衛の写真は、私も好きです。アンリ・カルチェ・ブレッソンにも似て、職人の仕事を感じます。
朝日新聞社の新人写真家を発掘して表彰するのに木村伊兵衛賞というのがあります。ヒロミックスや長島、皆川の3人娘が受賞して、少し話題になりました。
以前朝日新聞の入社試験に木村伊兵衛について述べよと出題されて、アンパンを日本で初めに作った人と答えた人がいたらしい。木村のアンパンの方が、木村伊兵衛の写真より有名なのは、ちょっと寂しい気もします。
では
コメントありがとうございます。
あ...アンパンですか...(^^;)
確かにアンパンも日本が誇る世界のパンではありますが、ちょーっと切ないですね...
HIROMIX !!
今となっては、なんだか懐かしい名前になってしまいましたね(^^;)
そういえば彼女も、木村伊兵衛賞を受賞してるんですよね。
当時、『すっごい鮮烈な娘が出てきたなぁ』と感じました。
アラーキーも絶賛だったし。
その人気で、コニカ・ビッグミニが、変な流行り方しましたね。
フツーのコンパクトカメラなんですけどね(^^;)