キャッスルマン病とわたし。

稀少難病『特発性多中心性キャッスルマン病』になってしまったわたしの日々。
夫・Uさん&チワワに支えられて。

その他の病気 【脊髄小脳変性症】

2008-03-15 | その他の病気のこと。
【 脊髄小脳変性症 】



『脊髄小脳変性症』とは、神経系の難病の1つで特定疾患に指定されており、

小脳、脳幹、脊髄の神経細胞が徐々に破壊・消失していく病気で、

手足や言葉の自由を徐々に奪われる等の運動失調症が出現し、

最後には体の運動機能を全て喪失してしまう原因不明の難病であり、

まだ根治療法は見つかっていません。


日本では10万人に4~5人程度発症しているそうです。

(キャッスルマン病は10万人に1人と言われているので、

 『脊髄小脳変性症』の方が患者さんは多いんですね。 意外。  )


箸が上手く持てない、よく転ぶといった症状から始まり、進行と共に歩けなくなったり、

字が書けなくなったりして10年~20年かけて、ゆっくりと症状が進行、

最終的には言葉も話せなく、寝たきりになって合併症などで死に至る事もあるそう。


この病気の怖いところは、知能にはまったく障害が出ないため、

体が不自由になっていく事を、自分自身がはっきり認識できてしまう点です。

          

『脊髄小脳変性症』って聞いても、スグにピンと来る人はそんなに多くはないと思います。

でも『1リットルの涙』と言えば、映画やドラマ化されたので「あ~」と思う方も

結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。


かく言うわたしはドラマも映画も観ていなくて、遅ればせながら、つい最近になって

『1リットルの涙~難病と闘い続ける少女亜也の日記~』
                     木藤亜也著・幻冬舎文庫

           
 を病院の本棚で見つけて手に取り、初めて読みました。



この『1リットルの涙』は、14歳・中学3年生の木藤亜也(きとうあや)ちゃんが、

歩いていて、ふらついたり転んでしまう事が増えた事に気付き病院を受診、

『脊髄小脳変性症』と診断され、時にくじけながらもこの病気と向き合い、

前向きに生きていこうと懸命に生きていく姿が、亜矢ちゃんの言葉で綴られています。


意識ははっきりしているのに、どんどん体の自由が利かなくなり、

「努力すれば報われる」と信じてリハビリに励むのに、努力とは裏腹に

「自分で出来る事」が一つ一つ、むしり取られるかのように無くなっていく事の

ジレンマの中、亜矢ちゃんは、自分が泣いてちゃいけない、自分は笑顔でいなきゃ

って、一生懸命、生きてました。


  (1988年5月23日、亜也ちゃんは症状の進行に伴う衰弱と

   それに伴う尿毒症により、25歳という若さで亡くなりました。)



これは、亜矢ちゃんが14歳から書き溜めた日記をまとめたものなので、

非常にシンプルです。ドラマじゃないから、ストーリー性があるわけでもなく、

でも、亜矢ちゃんの心の動きがよく分かります。


病院から帰るバスの中で読もうと思ったんだけど、読み始めて2~3ページで

涙で読めなくなってしまったので、家に持ち帰り、就寝前のベッドの中で

ひとりでじっくり読んだのですが、

わたし自身も難病になってしまったからかな、

亜矢ちゃんの書く何気ない言葉の一つ一つに共感して、涙が止まらなかったんですよね。


わたしは亜矢ちゃんとは病気も症状も違うけど、自分自身に向ける気持ち、

わたしを支えてくれている周囲の人たちへの想いなんかがスゴク、ワカル。


                                


ドラマでは沢尻エリカ主演でヒットしたみたいですが、TV用の演出で

恋愛がらみのドラマティックな展開になっているのに対し、

映画版(こちらの方が先)では、キャストは地味ですが原作に忠実に作られていて、

亜矢ちゃん役を演じた大西麻恵さんの演技が評価されているそうですよ。

両方とも観てみたくなりました。


                                     


先日、YAHOOニュースで、群馬大大学院医学系研究科の平井宏和教授が

脊髄小脳変性症を遺伝子治療で改善するマウス実験に成功した

という記事を読みました。

今後はサルを使った実験に取り組み、患者への応用を探るそうですが、

ナント、実験では、よろよろしたり転んだりしていたマウスが

約2か月後には正常に歩けるほど回復したそうです。


スゴイ 


脊髄小脳変性症の患者さん達の治療法が、1日でも早く実用化されて

完治するようになって、『脱・難病』、出来ると良いですね。


亜矢ちゃんが聞いたら、きっと喜ぶだろうな~。     

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