87ちゃんねる@三浦

三浦三崎の新聞屋が作る、自分勝手なブログです。何が出てくるかはお楽しみ!応援する横浜FCの話題やグルメ情報もありますよ♪

さようなら、そして「ありがとう」

2007-12-15 05:56:19 | くたばれ!横浜FC
昨夜、テレビのニュースを見ていたら
「横浜FCの山口素弘選手が引退・・・」という報道が。

「やっぱり辞めるんだ」とオレ。
「何、言ってるのよ。今朝のスポニチに出てたじゃん」とカミさん。
そう。昨日の朝は忙しくて、まともに新聞も読めなかったんだよな・・・

今でも忘れない。
10年前の元旦、国立競技場。
オレたちのチームだった「横浜フリューゲルス」のラストゲーム。
見事に天皇杯を獲得して
オレたちのチームは消滅した。
あの時のキャプテンは、そう、ヤマだったんだよな。
テレビの前でオレは優勝の喜びと共に
胸の奥からこみ上げてくる悔しさで
何とも言えない複雑な気持ちだった。
涙でグチャグチャになりながら
ふと画面に映ったヤマの顔を見た。
夕日に照らされた丹精な顔。
あの時、ヤマもきっと、同じような気持ちだったような気がする。

ヤマがオレたちの「横浜FC」に帰って来た時。
それはそれで嬉しかった。
だけど、新潟で戦力外通告されての移籍。
正直、一抹の不安はあった。
大丈夫なんだろうか・・・と。
しかしヤマはよくやってくれた。
守備的ボランチって言葉があるのかどうか知らないけど
相手の怒濤の攻撃に対して
冷静に、しかもスローなテンポで
見事にそれを断ち切っていた。

しかしJ1に上がった今年。
明らかに相手にターゲットにされていたと思う。
ヤマさえ抜けばゴール前。
相手の選手にスピードでちぎられるシーンを何度も見た。
ひょっとして限界なんだろうか・・・
寂しさと悔しさが、そのたびに交錯した。

そして今オフの戦力外通告。
直後のシーズンエンドパーティーでヤマに最後のサインをもらった時
ヤマに「ありがとう」と声をかけた。
しかし彼は何も答えなかった。
顔を赤くして、何かを堪えているようだった。
その顔は、まさにあの元旦の時と同じようだった。

一つだけ心残りがある。
それは、もう一度
あの「伝説のミドル」が見たかった。
チャンスは何度もあったのに・・・
何故、蹴ってくれなかったのだろう。
チームプレーに徹した結果なんだろうが・・・
でも、その派手さのないところが
言ってしまえばヤマらしいところなのかも知れない。

17年間、お疲れ様。
そしてありがとう。
オレたちにくれた、あの感動は
絶対に忘れないぜ。
また、いつか、どこかで会えるのを楽しみにしている。
それまで、さようなら。
でも、本当にありがとう!!

山口素弘(やまぐち もとひろ)
■生年月日:1969年1月29日(38歳)
■ポジション:MF
■身長/体重:177cm/72kg
■出身地:群馬県
■チーム歴:前橋育英高等学校-東海大学-全日空/横浜フリューゲルス-名古屋グランパスエイト-アルビレックス新潟-横浜FC
■代表歴:国際Aマッチ59試合出場4得点