ユメのなかでも踊ってる

ただ今、お休み中。

無事是名馬、牡馬3冠への第一歩

2006年04月13日 | 競馬・G1レース前夜
4月16日は中山競馬場で第66回皐月賞、芝2000メートル(3歳牡馬牝馬)が開催されます。
過去10回の皐月賞の勝ち馬、人気、前走の成績、皐月賞を勝っての戦績は以下のとおり。
1996年・イシノサンデー、4番人気。弥生賞(G2)3着。7戦4勝、重賞初制覇。2着のロイヤルタッチは1番人気。
1997年・サニーブライアン、11番人気。若葉S(OP)4着。9戦3勝、重賞初制覇。2着のシルクライトニングは10番人気。
1998年・セイウンスカイ、2番人気。弥生賞2着。4戦3勝、重賞初制覇。2着のキングヘイローは3番人気。
1999年・テイエムオペラオー、5番人気。毎日杯(G3)1着。6戦4勝。2着のオースミブライトは6番人気。
2000年・エアシャカール、2番人気。弥生賞2着。6戦3勝、重賞初制覇。2着のダイタクリーヴァは1番人気。
2001年・アグネスタキオン、1番人気。弥生賞1着。4戦4勝、重賞3勝目(ラジオたんぱ杯3歳S)。2着のダンツフレームは3番人気。
2002年・ノーリーズン、15番人気。若葉S7着。4戦3勝、重賞初制覇。2着のタイガーカフェは8番人気。
2003年・ネオユニヴァース、1番人気。スプリングS(G2)1着。6戦5勝、重賞3勝目(きさらぎ賞)。2着のサクラプレジデントは2番人気。
2004年・ダイワメジャー、10番人気。スプリングS3着。5戦2勝、重賞初制覇。1番人気のコスモバルクは2着。
2005年・ディープインパクト、1番人気。弥生賞1着。4戦4勝、重賞2勝。2着のシックスセンスは12番人気。
高配当のサニーブライアンとノーリーズンは前走の若葉Sを凡走。今年の若葉Sからの参戦はフサイチジャンクとキャプテンベガの1、2着組。
ダイワメジャーはスプリングS3着。今年の参戦は、メイショウサムソン、フサイチリシャール、ドリームパスポート、ニシノアンサー、ダイアモンドヘッドの、1、2、3、5、11着。
一番多いのが弥生賞、無難に決まってるのがアレですが。今年の参戦はアドマイヤムーン、ディープエアー、サクラメガワンダー、スーパーホーネットの、1、3、4、5着。
と言うことで、アドマイヤムーン断然優位ですか。
個人的には、弥生賞2着のグロリアスウィーク(父・スペシャルウィーク)に期待してたので骨折(右橈骨遠位端骨折)のニュースJRA発表はショック.....の一言です。レースに出る前に終わってしまいました。
皐月賞最多種牡馬はサンデーサイレンスの7勝。これ以上勝たなくてもなぁ、と思いますが、フサイチジャンクかキャプテンベガが勝てば8勝で自己記録更新です。
皐月賞馬から皐月賞馬、アグネスタキオン産駒のショウナンタキオンが勝てば、シンザン・ミホシンザン、ハイセイコー・ハクタイセイ、トウショウボーイ・ミスターシービー、シンボリルドルフ・トウカイテイオーの4組に続く5組目の誕生。
桜花賞に続く、天国の父に捧げる第2弾は、今年1月に亡くなったDanzig産駒のステキシンスケクン。....いえ、アドマイヤベガ産駒もいますけど。外国産馬の皐月賞制覇ってのも見てみたいかも、と思いまして。父に捧げると言えばもう1頭。2002年に亡くなったエンドスウィープの最後の産駒になるんですよね、アドマイヤムーン。
で、やっぱりアドマイヤムーンなのか、と思いつつ、とんでもない馬が2着にやって来ることを密かに期待しています。が、問題はその " とんでもない奴 " がどの馬か、ってことなのよね。

牝馬2冠発、ダービー経由、桜の女王行き

2006年04月09日 | 競馬・G1レース結果
4月9日は阪神競馬場で
第66回桜花賞(G1)3歳牝馬芝1600メートルが開催されました。結果は、
1着、7枠14番、キストゥヘヴン、6番人気。
2着、4枠8番、アドマイヤキッス、1番人気。
3着、6枠12番、コイウタ、5番人気。
4着、1枠2番、アサヒライジング、9番人気。
5着、8枠16番、シェルズレイ、7番人気。
2番人気のフサイチパンドラは14着、3番人気のテイエムプリキュアは8着でした。
1着のキストゥヘヴンは2003年4月25日産、鹿毛、父・アドマイヤベガ、母・ロングバージン、母の父・ノーザンテースト。2005年12月新馬デビュー、3戦連続2着の後、4戦目で1勝して未勝利脱出、フラワーC(G3)を勝って重賞初制覇。今回桜花賞を勝って、通算成績は6戦3勝、重賞2勝となりました。
今年の桜の女王の座を競った牝馬たちが産まれるちょうど10年前、
1993年のクラシック競走は、ナリタタイシン(皐月賞、父・リヴリア)、ウイニングチケット(ダービー、父・トニービン)、ビワハヤヒデ(菊花賞、父・シャルード)の3頭の牡馬と1頭の牝馬が活躍した年だった。
彼女の名前はベガ、JRA登録馬のなかでは一番短い(当時)2文字の名前だった。1990年3月8日産、鹿毛、父・トニービン、母・アンティックヴァリュー、母の父・Northern Dancer。2003年1月デビュー戦2着の後、2戦目で初勝利、続くチューリップ賞(当時はOP)を制して迎えた桜花賞を、1番人気で1着。初重賞、初G1制覇で桜の女王の座についた。2着・ユキノビジン、3着・マックスジョリー、3頭の着差はクビ、クビだった。続く優駿牝馬(オークス)も1番人気で1着となったベガは樫の女王の栄冠も手にして、1987年のマックスビューティ(マックスジョリーの母です)以来の2冠牝馬の誕生となった。2着・ユキノビジン、3着・マックスジョリー、3頭の着差は1と3/4馬身、アタマと広がっていた。ベガは強い馬でした、が、目つきの悪い馬?(てか顔が恐い)ナンバーワンとも言われていましたね、女の子なのに....。産まれた時に脚がまがっていてなかなか買い手がつかなかった、それであの走りなんですから、圧倒的な能力の差だったのでしょう。オークスを制した後は勝ちにめぐまれなくて、通算成績は9戦4勝。
繁殖入りして母となったベガが最初に送り出したのが、1996年3月12日産まれの鹿毛の牡馬、アドマイヤベガ(父・サンデーサイレンス)です。
アドマイヤベガ3歳時の1999年牡馬クラシクは、テイエムオペラオー(皐月賞、父・オペラハウス)、アドマイヤベガ(ダービー)、ナリタトップロード(菊花賞、父・サッカーボーイ)と、母ベガが走った年と同じように、3頭の牡馬で3冠を仲良く?分け合った。2000年8月に競走馬を引退し、種牡馬入りしたアドマイヤベガが突然の病(偶発性胃破裂)でこの世を去ったのが、2004年10月29日。2003年産まれの牝馬・キストゥヘヴンは2004年、1歳時のサマーセールではまだ身体が小さくて買い手がいなかったが、父・アドマイヤベガの初年度産駒が活躍し始めたたことにより、オ−タムセールでは良い値段がついた。キストゥヘヴンの馬主はアドマイヤベガの母 " ベガ " と同じ馬主。チュ−リップ賞を勝って桜花賞を制したベガとは異なり、フラワーCを制しての桜の女王。キストゥヘヴンの名前は亡くなった父への鎮魂のように思える。そして彼女はクラシック馬の父という栄誉をも贈った孝行娘だ。
桜花賞馬(ベガ)からダ−ビー馬(アドマイヤベガ)、そして再び桜花賞馬へ。この先はどこへと続いているのだろう? 
今年もちょっと楽しみなクラシック競走が幕を開けた。

佐保姫 Vs 竜田姫

2006年04月08日 | レース結果(覚書き)
4月8日は阪神競馬場で
第49回 サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(G2)芝1400メートルが開催されました。結果は、
1着、4枠4番、ラインクラフト、牝4歳、1番人気。父・エンドスウィープ、母・マストビーラヴド、母の父・サンデーサイレンス。
2着、8枠12番、エアメサイア、牝4歳、2番人気。父・サンデーサイレンス、母・エアデジャヴー、母の父・ノーザンテースト。
3着、7枠10番、スナークスズラン、牝7歳、8番人気。父・ダンシングブレーヴ、母・フリートレガッタ、母の父・リアルシヤダイ。
えーと、" はんしんひんばすてーくす " って、阪神牝馬ステークスって、冬(12月)のレースじゃなかったっけ? 芝1400メートルだったけ? とナゾだらけの4月の阪神牝馬Sですが、今年から牝馬競走体系の整備に伴い、開催時期を変更した、そうです。(JRA平成18年第2回阪神競馬特別競走名解説より)
1着のラインクラフトは2002年4月4日産、鹿毛。2004年10月デビュー戦を3番人気の1着で飾り、続くファンタジーS(G3)を2番人気で制して重賞初制覇。3戦目の阪神ジュベナイルフィリーズ(ショウナンパントル)は1番人気に支持されるも3着。翌2005年3月始動、フィリーズレビュー(G2)1着の後、桜花賞を2番人気(1番人気のシーザリオは2着、3番人気のエアメサイアは4着)で勝って桜の女王戴冠。オークスへは挑戦せず、NHKマイルカップを制して、牝馬として初の変則2冠を達成する。マイルへの距離適性を考えての好判断だったとは思うが、シーザリオとの対決を見たかったとも思う。秋緒戦のローズS(G2)はエアメサイアの2着、続く秋華賞もエアメサイアの2着に終わる。そしてマイルチャンピオンシップで初の古馬との戦い、3着。その年の暮の阪神牝馬S(G2)芝1600メートル(アドマイヤグルーヴ)は古馬牝馬の壁?を崩せずに4着に終わる。結局3歳春の活躍だけで終わってしまうのか、と思っていたら、今年2006年始動の高松宮記念(オレハマッテルゼ)を2着と健闘。そして今回の勝利で、通算戦績を12戦6勝、2着3回とした。
2005年3歳牝馬の春(桜)の女王と、秋(秋華賞)の女王の対決、第1戦は、春のラインクラフトに軍配が上がりましたが、本番の今年から創設される古馬牝馬のG1、ヴィクトリアマイルではどうなるか楽しみです。
四季を司る女神、春の佐保姫は東の地、秋の竜田姫は西の地、ということを考えると東京で開催されるレースは佐保姫(ラインクラフト)が有利なのかな? ま、エアメサイアには西の地でのエリザベス女王杯で昨年の雪辱をして欲しいとも思うのですが。春の女神と秋の女神の対決、これからも楽しみです。

東京、芝1600メートルへの仕掛け

2006年04月08日 | レース結果(覚書き)
4月8日は中山競馬場で
第24回 ニュージーランドトロフィー(G2)(NHKマイルカップトライアル)芝1600メートルが開催されました。結果は、
1着、1枠1番、マイネルスケルツィ、牡3歳、1番人気。父・グラスワンダー、母・アラデヤ、母の父・Machiavellian。
2着、7枠9番、ファイングレイン、牡3歳、7番人気。父・フジキセキ、母・ミルグレイン、母の父・Polish Precedent。
3着、6枠8番、ロジック、牡3歳、2番人気。父・アグネスタキオン、母・エイプリルドラマ、母の父・サクラユタカオー。
かつては、残念ダービー(ダービーに出走出来なかった馬がこのレースを走ったから)と呼ばれた「ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(2001年から現在の名称に)」が1996年のNHKマイルカップ創設に伴い、同レースへのトライアルレースとなり、3着までの馬にNHKマイルへの優先出走権が与えられることとなりました。
1着のマイネルスケルツィは、マイネル(冠名)+スケルツィ(伊語で仕掛け、効果etc. を意味する....らしい)で、「何で親父が米国産でお袋は英国産なのに、俺の名前イタリアよ?」とマイネルさんちのスケルツィ君が不思議に思っているかどうかはさておき、何だか舌噛みそうな名前です。...いえ、私だけだと思いますが。
2003年産、鹿毛。2005年10月のデビュー戦(ジャリスコライト)2着、3戦目にして初勝利。ラジオたんぱ杯2歳S(G3)(サクラメガワンダー)9着、きさらぎ賞(G3)(ドリームパスポート)3着。前走の黄梅賞(500万)を勝ち、重賞挑戦3度目にして初重賞制覇を達成。通算成績は7戦3勝、2着2回。
母アラデヤ(*Aladeya、1997年英国産)は不出走。その母(祖母)フェアシャーリー(*Fair Shirley、1990年愛国産、by. Shirley Heights)は1勝。母の母の母(曾祖母)Fairy Dancer(1984年米国産、by. Nijinsky)は1勝。その母の母の母の母(4代祖母)Fairy Bridge(1975年米国産、by. Bold Reason)は2勝。でこのFairy Bridgeが3年連続で送り出した父を同じくする牡馬3頭(3兄弟)が、Sadler's Wells(1981)、Fairy King(1982)、Tate Gallery(1983)、ともに父はNorthern Dancer。マイネルスケルツィは父・グラスワンダーの母(Ameriflora)の父がDanzigでNorthern Dancerの血が入っていますね。
トライアルレースとなった1996年からのニュージーランドTの勝ち馬の中で、Northern Dancerの血が入っている馬はこれで11頭中9頭、1998、99年の勝ち馬、エルコンドルパサーとザカリヤの母の父はSadler's Wellsです。ただこのレースを制して、NHKマイルを制覇したのは、シーキングザパールとエルコンドルパサーの2頭だけなんですよね。遠い親戚にSadler's Wellsがいる、 " まいねるすけるつぃ " 君にはエルコンドルパサー以来8年ぶりの快挙を目指して頑張って欲しいと思います。

ブラックビューティーの血を継ぐもの

2006年04月07日 | 競馬・競走馬の話
1972年4月14日、テスコボーイ(*Tesco Boy by. Princely Gift )を父にキタノリュウ(by. モンタヴァル*Montaval)を母に産まれた青毛の牝馬の名前をテスコガビーと言う。
1974年新馬デビュー、2歳時(当時の表記では3歳)の戦績は3戦3勝。3歳になり、3戦2勝、2着1回(勝ち馬は、皐月賞、ダービーを制したカブラヤオー)の戦績で迎えた、1975年4月6日、第35回桜花賞を2着のジョーケンプトン(父・ミシアーフ、母・エスカイヤー)に大差で勝利。続く4歳牝馬特別(オークストライアル)は3着。1975年5月18日、第36回優駿牝馬(オークス)では2着のソシアルトウショウ(父・ヴェンチア、母・ソシアルバターフライ、トウショウボーイの半姉)に8馬身の差をつけ牝馬クラシック2冠を達成した。9戦7勝で樫の女王となったが、レース中に怪我をしていたことが判明、長期休養後の復帰戦のオープンは6着。で、その後再び発症した怪我のため一度は引退を表明するが、(大人の事情で?)現役復帰が決定するが、レース復帰目指して放牧中の青森の牧場で突然の心臓麻痺により死亡してしまう。青毛の牝馬クラシック2冠馬は自らの血を残す機会を得られないままこの世を去った。1977年1月19日、テスコガビーは5歳になっていた。
テスコガビーが桜花賞を圧倒的な大差で、オークスを8馬身差で制覇した1975年からちょうど30年後の2005年に、1頭の青毛の牝馬がクラシックを制した。
テスコガビーの母・キタノリュウが産まれた1965年の前年の1964年に英国に産まれた黒鹿毛の牝馬 Pia(by. Darius)は英国5勝、英オ−クス馬。そのPia の娘、1970年仏産のPrincipia( by. Le Fabuleux、仏3勝)。Principiaの娘のQuerida(1975年、愛国産。by. Habitat、愛1勝)、そしてQueridaが英国産の娘のキロフプリミエール(*Kirov Premiere、by. Sadler's Wells、愛・米・仏5勝、米G3・1勝)を産んだのが1990年。このキロフプリミエールが日本で繁殖入りして2002年に産んだ7番仔が後にシーザリオと名付けられた青毛の牝馬だった。
シーザリオ、2002年3月31日産、父・スペシャルウィーク(1995年産、父・サンデーサイレンス、1998年ダ−ビー馬)。2004年12月デビュー戦を勝利で飾った後、3戦目のフラワーC(G3)を制し、3戦3勝で重賞初制覇。続く桜花賞は1着のラインクラフト(父・エンドスウィープ)のアタマ差の2着。ラインクラフトは桜花賞の後、オークスへは向わずNHKマイルを制覇してマイルのG1を2勝。桜花賞馬がオークスを回避して別レースに出るというのは新しいパターンだ。が、牡馬路線では菊花賞ではなく天皇賞・秋と、クラシックにこだわらず得意な距離を走るというのが時代の主流になっている。1番人気の支持に応えてオークスを制覇したシーザリオは、夏、海外遠征をする。アメリカンオークス招待ステークス(American Invitational Oaks、G1、ハリウッドパーク競馬場)を競走レコード、2着のMelhor Ainda(米国、by. Pulpit)に4馬身の着差をつけての圧勝。2着と3着のSinghalese(英国、by. Singspiel)の着差は1と1/2馬身。日本調教馬として初のアメリカG1制覇を達成した。戦績は6戦5勝(JRA・5戦4勝、2着1回)。レース中に右前脚繋靭帯炎を発症していたことが判明し長期休養していたが、症状が慢性化しており復帰までかなりの時間を要するため、4月5日引退を表明、繁殖入りが決まった。残念ではあるけれど、唯一の負けラインクラフトともう一度対決して雪辱して欲しいとも思うけれど。
4代祖母Piaの英オ−クス制覇から38年後に日米のオースクを制した。青毛馬としてはテスコガビー以来30年ぶりのクラシック馬の誕生だった。テスコガビーは血を残すことが出来なかったけれど、母系を繋いでオークス馬となったシーザリオには、さらなる血を繋いで良い仔を送り出して欲しいと思う。

桜の下でティーパーティー

2006年04月06日 | 競馬・G1レース前夜
4月9日は、阪神競馬場で第66回 桜花賞、芝1600メートル(3歳牝馬)が開催されます。
2006年のG1レースはすでにフェブラリーS、高松宮記念と2レースが終わったわけですが、ちょっと昔だと春のG1シリーズと言えば、桜花賞から始まっていたものです。クラシック競走の幕開けでもあります。私はダービーよりも、この牝馬の桜花賞の方がわくわく感があって好きです。桜の花びらのように気まぐれな牝馬たちだから予想も大変ですが、それだけに当った時の感動も格別です。
数年ごとに競走体系等が変わっているので比較しづらい(てか参考にならないよぉ...)のですが、過去10回の桜花賞を振り返ってみたいと思います。
1996年・ファイトガリバー(父・ダイナガリバー)、10番人気。1番人気のリトルオードリーは9着
1997年・キョウエイマーチ(父・ダンシングブレーヴ)、1番人気。
1998年・ファレノプシス(父・ブライアンズタイム)、3番人気。1番人気のダンツシリウスは11着
1999年・プリモディーネ(父・アフリート)、4番人気。1番人気のスティンガーは12着
2000年・チアズグレイス(父・サンデーサイレンス、6番人気。1番人気のサイコーキララは4着
2001年・テイエムオーシャン(父・ダンシングブレーヴ)、1番人気。
2002年・アローキャリー(父・ラストタイクーン)、13番人気。1番人気のシャイニンルビーは3着
2003年・スティルインラブ(父・サンデーサイレンス、2番人気。1番人気のアドマイヤグルーヴは3着
2004年・ダンスインザムード(父・サンデーサイレンス、1番人気。
2005年・ラインクラフト(父・エンドスウィープ)、2番人気。1番人気のシーザリオは2着
10頭中1番人気で勝ったのは、3頭。ここ5年は3着以内には来てるので、結構人気通りに結果が出てるような感じですね。予想もしてなかった馬がやって来る、荒れるレースの方が個人的には好みなんですが。さて、今年はどうなるんでしょう?
桜花賞と言えば、決まった種牡馬の参駒が戴冠する、と言うよりは多士済々な種牡馬登場のレースというイメージがあるのですが、10年でサンデーサイレンス産駒が3勝。アドマイヤキッスかフサイチパンドラが戴冠すれば4勝となり、ダイオライト・セフト・テスコボーイの3勝を抜いて単独トップになります。今年が最後の産駒なので、勝って新記録達成の瞬間を観たい気持ち半分、「これ以上勝ってどうする?他の馬に譲れよ?」と思う気持ち半分です。
ダート適性とされているフォーティナイナーですが、ぜひぜひ産駒のダイワパッションに芝のG1制覇して欲しい。そして、マイル戦なら多分?大丈夫なんじゃあないかなぁ、のボストンハーバー、日本で種牡馬供用されてから最初の産駒です。今回出走してるのは、アイアムエンジェルとウエスタンビーナスですが、どうだろ? あとマイナー種牡馬といえば、ダンディコマンド、12頭種付けで、産まれたのが10頭、うちJRAに競走馬登録したのが2頭、でそのうちの1頭が今回、出走してるミッキーコマンドです。頑張れ、九州産馬。勝てないまでも何とか見せ場を作って欲しい、無事に走ってくれればそれで良いとも思いますが。あと、SS系種牡馬ですが、ロイヤルタッチ産駒のアサヒライジング、" 昇る朝日の勢い " で頑張ってくれないかなぁ。気になる馬が多過ぎて絞り込むのに困ります。
3歳春の牝馬たちのレースは可憐な淑女というより、おしゃべりなお嬢さんたちの賑やかな会合という感じです。

心は叫ぶ、友よもう一度踊ろう!

2006年04月03日 | 競馬・その他
2001年に産まれた父を同じくする2頭の牡馬が最初に出会ったのは、2004年3月20日、阪神競馬場、11R・若葉ステークス(OP)芝2000メートル、皐月賞トアイアル。1、2着での決着だった。2着までが貰える皐月賞への切符を仲良く手に入れた。
1着、ハーツクライ(4月15日産まれ)、父・サンデーサイレンス、母・アイリッシュダンス。このレースを勝って3戦2勝。
2着、スズカマンボ(4月28日産まれ)、父・サンデーサイレンス、母・スプリングマンボ。このレースで7戦2勝、2着1回。
2度目の対戦となった皐月賞はハーツクライ・14着、スズカマンボ・17着。
3度目は、京都新聞杯(G2)、ダービーへの前哨戦。1着・ハーツクライ、2着・スズカマンボだった。そしてダービーは、ハーツクライ・2着、スズカマンボ・5着。
4度目は、菊花賞。スズカマンボ・6着、ハーツクライ・7着。低レベルの争いとなったが初めてあいつ(ハーツクライ)より前に出た。
そして2005年5月1日、京都競馬場、天皇賞・春、芝3200メートル。
1着・スズカマンボ、この勝利で16戦4勝、G1・1勝。
5着・ハーツクライ、このレースで12戦3勝。
4度目の正直?でハーツクライよりも先着し、5度目には見事に打ち破った。そしてこれが、スズカマンボの「対ハーツクライ戦」での競走馬生活最高の瞬間となるとは、誰にも想像できなかった。
天皇賞・秋はハーツクライ・6着、スズカマンボ・13着。
ジャパンCはハーツクライ・2着、スズカマンボ・9着。
有馬記念でハーツクライは悲願のG1制覇を果たし、スズカマンボは10着だった。
2005年末で、ハーツクライ・16戦4勝、スズカマンボ・18戦4勝でともにG1を1勝。
8度の対決で、先着はハーツクライの6回、スズカマンボは2回。
そして2006年、ハーツクライが海外での初G1制覇を果たしたその翌週、スズカマンボは再び春の天皇賞を目指して、大阪杯へと駒を進める。5番人気は低すぎないか、と思ったが3着と頑張った。ハーツクライとスズカマンボは互いに違う道を目指し始めた、もうこの2頭が対戦することはないかもしれない。それでも同じ時代をどこまでも駆け抜けて欲しかったと思う。
その夢はもう見ることが叶わない。大阪杯終了後、スズカマンボは疾病を発症していることが判明した。左後繋靭帯不全断裂、競走能力喪失。もうあの勇姿を見ることは出来ないのだ、と思うと言葉が出ない。
これから先、ハーツクライが活躍する姿目にする時に思い出すのは、有馬記念のディープインパクトではなく、天皇賞・春のスズカマンボになるだろう。そして3歳、4歳を戦った2頭のレースに思いは馳せるだろう。同期(馬)と言う言葉には不思議な縁が隠れているように思う。

カンパニーはファミリーで頑張っている

2006年04月02日 | レース結果(覚書き)
4月2日は阪神競馬場で
第50回 産経大阪杯(G2)芝2000メートルが開催されました。結果は、
1着、5枠5番、カンパニー、牡5歳、3番人気。父・ミラクルアドマイヤ、母・ブリリアントベリー、母の父・ノーザンテースト。
2着、3枠3番、マッキーマックス、牡6歳、6番人気。父・ダンスインザダーク、母・クリアーチャンス、母の父・デイクタス。
3着、8枠12番、スズカマンボ、牡5歳、5番人気。父・サンデーサイレンス、母・スプリングマンボ、母の父・Kingmambo。
1番人気のローゼンクロイツは5着、2番人気のアドマイヤジャパンは9着でした。
1着のカンパニーは2001年産、鹿毛。3歳時の2004年1月デビュ−。4歳時の2005年に12戦4勝、2着3回で初重賞の京阪杯(G3)を制覇しました。2006年は中山記念(G2)(バランスオブゲーム)4着の後の今回の勝利で、重賞2勝目、通算成績は14戦5勝です。
父のミラクルアドマイヤ(...誰よ?と思ったので調べてみた...)は1995年産、父・トニービン、母・バレークイーン、母の父・Sadler's Wells。3戦3勝でダービーを制覇したフサイチコンコルド(1993年産、父・Caerleon)の半弟ですね。わずか3戦1勝の競走成績で種牡馬になれたのは、偉大なる兄の血を引いていたからなのでしょう。ミラクルアドマイヤの種牡馬供用が開始される2000年3月に父・トニービン(*Tony Bin、1983年愛国産)が急逝(急性心不全)しているので、父の代理として選ばれたのかもしれません。カンパニーがデビューした2004年のアルゼンチン共和国杯(G2)を制したレニングラード(1999年産、父・トニービン、12戦4勝、重賞1勝。)は兄(4分の3兄弟?)です。で、ミラクルアドマイヤの唯一と言っても良いくらいの活躍産駒ですね、カンパニー君。
1985年米国産のCrafty Wife(*クラフテイワイフ 、by. Crafty Prospector )は米7勝馬で、このクラフテイワイフが日本で産み、競走馬登録した12頭のうち10頭の産駒が1勝以上している、とゆー実に優秀な繁殖牝馬だったりする。代表参駒はビッグショウリ(1991年、父・ノーザンテースト)7勝、マイラーズC。ビッグテースト(1998年、父・ノーザンテースト)1勝、障害5勝、中山グランドジャンプ(J・G1)。で2頭の全姉のブリリアントベリー(1990年)は3勝ですが、6頭の仔を産んで、4頭が1勝以上しているんですね。ファミリー(母系)の一員として、こらからも頑張って欲しいですね。次は安田記念でしょうか?

東国のG1は旅路の終着

2006年04月02日 | レース結果(覚書き)
4月2日は中山競馬場で
第38回 ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)芝1600メートル、ハンデ戦が開催されました。結果は、
1着、6枠11番、グレイトジャーニー、牡5歳、11番人気。父・サンデーサイレンス、母・アンブロジン、母の父・Mr. Prospector。
2着、5枠10番、キングストレイル、牡4歳、3番人気。父・サンデーサイレンス、母・サンタフェトレイル、母の父・ノーザンテースト。
3着、3枠5番、キネティクス、牡7歳、15番人気。父・フォーティナイナー、母・インキュラブルロマンティック、母の父・Stop the Music。
1番人気のインセンティブガイは11着、2番人気のメテオバーストは16着(殿)でした。
1着のグレイトジャーニーは2001年産・黒鹿毛。2003年9月デビュー戦を飾り、デイリー杯2歳S(G2)(メイショウボーラー)2着、朝日杯フューチュリティS(コスモサンビーム)7着で2歳時の成績は3戦1勝。3歳始動のシンザン記念(G3)を勝ち、4戦2勝で初重賞制覇を達成。その年のクラシックは、皐月賞(ダイワメジャー)11着、日本ダービー(キングカメハメハ)10着、菊花賞(デルタブルース)8着と全く活躍出来なかった。そして今回の重賞制覇は、3歳時のシンザン記念以来の約2年と3ヵ月ぶりの美酒で、通算成績は26戦5勝、重賞2勝目。昨年(ダイワメジャー、チアズメッセージ)に続き今年もサンデーサイレンス(SS)産駒の1、2着。グレイトジャーニーと同じく、シンザン記念&ダービー卿チャレンジトロフィーを制覇したフサイチエアデール(1999年、2000年)もSS産駒です。まっだまだ侮れないぞSS産駒、といったところでしょうか。
1950年米国産の Tulle(by. War Admiral )は34戦2勝。そして1968年産の Courtly Dee (1968-1995)(by. Never Bend)が33戦4勝。この Courtly Dee は母となって活躍馬を多く輩出した。でも、不肖の娘もいたのね。
1982年産のBarada(*バラダ、by. Damascus)は米国から英国に売られて、英国で3戦0勝。再び米国に戻り、日本にやって来たのが母の亡くなった、1995年のこと。バラダが1988年に米国で産んだ娘がAmbrosine(*アンブロジン、by. Mr.Prospector)。当歳時に愛国に売られて、ヨーロッパで走り3歳時に仏で1勝。再び米国に戻り、そして1996年、母と同じく海を渡って日本の地へと移動する。そしてアンブロジンが初(米、日で)の牡馬を産んだのが、1999年。6月4日産と、競走馬としては遅生まれの牡馬はノーリーズンと名付けられて、2002年の皐月賞馬となった。母娘2代の流浪の競走&繁殖生活は1頭の牡馬の活躍によって安住の地を得たのであろうか? 母と祖母の前半生を物語っているような、" グレートジャーニー " にもう一花咲かせて欲しいと思うのですが。出来れば安田記念あたりで。

1986年3月の父と祖父の血を受け継ぎしもの

2006年04月01日 | 競馬・競走馬の話
1986年米国産の2頭の牡馬から始まる物語がある。
・サンデーサイレンス(*Sunday Silence)、1986年3月25日産、青鹿毛。父・Halo、母・Wishing Well、母の父・Understanding。1988年デビュー、米国で競走馬生活を送り、2歳から4歳までの通算成績は14戦9勝、2着5回、G1・6勝、1989年エクリプス賞年度代表馬。1990年引退、(母系がパッとしなかった為か米国では種牡馬として人気がなかった)日本に売却される。1991年から日本で種牡馬生活開始、1994年の初年度産駒から活躍馬を多数輩出。脚部の怪我が発端となり衰弱性心不全で2002年8月19日死亡、16歳。現在も日本競馬界の種牡馬記録を更新中。
父のHaloは1969年米国産、黒鹿毛。父・Hail to Reason(1958)、母・Cosmah(1953)、母の父・Cosmic Bomb、母の母・Almahmoud。3歳から6歳まで走って31戦9勝、2着8回。1997年種牡馬引退、2000年31歳で大往生。
・デインヒル(*Danehill)、1986年3月26日産、鹿毛。父・Danzig、母・Razyana、母の父・His Majesty。1988年デビュー、英、仏、愛国で競走馬生活を送り、2、3歳で9戦4勝、G1・1勝。1990年から愛国で種牡馬生活開始。と同時に北半球の(繁殖)オフシーズンに南半球の繁殖シーズンでもお仕事(種付け)をする、いわゆるシャトル種牡馬第1号となる。豪州でもDanehillの成功により、シャトル種牡馬という競馬ビジネスに注目が集まることになるわけです。で、日本のサンデーサイレンスの後継種牡馬たちも、このシャトル種牡馬として後に供用されることとなってゆくわけです。種牡馬としてのデインヒルの活躍は世界規模にわたるものとなり、日本でも1996年の1年リース種牡馬として供用された。2003年5月13日、放牧中の怪我により急死、18歳。
父のDanzigは1977年米国産、鹿毛。父・Northern Dancer(1961)、母・Pas de Nom(1968)。父の母・Natalma(1957、by. Native Dancer)、父の母の母・Almahmoud。1979年デビュー、2歳、3歳時で3戦3勝。競走馬としてより、種牡馬としての成績が凄かった。2004年種牡馬引退、2006年1月3日、老衰により死亡、29歳。
Northern Dancerの母、Natalmaは、Haloの母、Cosmahの半妹、つまりNorthern DancerとHaloは近親(母系が同じ)なんですね。
わずか1日違いの誕生日、その血の中に同じ母系を持ち、大往生の父よりも早すぎる死ではあったが種牡馬として父に負けない成績を残した。接点が無いように見えるこの2頭の牡馬の血を引く青毛の牡馬が誕生したのが、2002年3月2日。その馬の名をシックスセンスと言う。
・シックスセンス、父・サンデーサイレンス、母・デインスカヤ、母の父・Danehill。父の亡くなった年に生を受け、祖父の亡くなった年に競走馬デビューした。13戦1勝、2着5回(海外での2着を含む)の後、2006年2月、京都記念(G2)1着で重賞初制覇を達成、春のG1競走での活躍を楽しみにしていた矢先の故障発症(右前浅屈腱炎)、引退して種牡馬入りすることが決定した。13戦2勝(JRA)、1戦0勝、2着(海外)。母のデインスカヤ(*Daneskaya、1993年英国産)は仏3勝、アスタルテ賞(Prix d'Astarte)(G2)。もう少し競走馬生活を続けて欲しかったと思いますが、競走馬時代は " イマイチ " だったけど、種牡馬となってからは凄いぞ、と言えるような、活躍馬を出してくれることを祈っています。

英雄を追う、黄金を掘り当てる。

2006年03月29日 | 競馬・レースの話
3月25日、ナドアルシバ競馬場で行われた
ドバイミーティング(Dubai Meeting)、ドバイ・シーマ・クラシック(G1)の結果です。
第5競走・ドバイ・シーマ・クラシック(国際G1)芝2400メートル、19:50(日本時間24:50)発走。
1着、ハーツクライ、牡5歳。
2着、Collier Hill(コリヤーヒル)、せん(馬)8歳、英国。
3着、Falstaff(フォルスタッフ)、牡5歳、南アフリカ。
4着、Ouija Board(ウィジャボード)、牝5歳、英国。
5着、Alexander Goldrun(アレクサンダーゴールドラン)牝5歳、愛国。
1着のハーツクライは2001年産、牡・鹿毛。父・サンデーサイレンス、母・アイリッシュダンス、母の父・トニービン。昨年末の有馬記念制覇の後、今年初レースでの勝利。16戦4勝(JRA)、1戦1勝(海外)、G1・2勝。
ドバイでの初の日本馬のG1制覇達成劇は、今までとは違う逃げの戦法で最後の直線他馬がムチを入れて頑張っているのを後目に、馬なりで後続を寄せつけることなくゴール板を通過、2着馬との着差は4と1/4馬身という結果で幕を閉じました。どの馬にも最高の時期というのがあると思うのですが、ハーツクライの最高の時期は有馬記念が終わりではなく、有馬が始まりだったようです。日本馬の強さ、と言うよりサンデーサイレンス産駒の強さ、2005年年度代表馬・無敗の3冠馬ディープインパクトを初めて負かした馬の力を見せつけたレース、ですね。
2001年ステイゴールドがドバイ・シーマ・クラシック(当時のグレードはG2)を勝って以来の勝利をゴドルフィン・マイルでユートピアが達成、そして初G1勝利をハーツクライが達成。ユートピアとハーツクライを管理している橋口調教師は、そのステイゴールドのゴールの瞬間を観て、自分の管理している馬でドバイで勝てる(と思える)馬に出会うことが出来たら、挑戦しようと心に決めたのだとか。不思議な縁を感じます。
2着の Collier Hill は1998年英国産。父・Dr. Devious、母・Polar Queen(by. Polish Precedent)。22戦12勝、2着7回。英、愛、スコットランド、独、スウェーデン、ドバイと6ヶ国で勝利をあげている世界をまたに賭けて活躍している馬。ま、ヨーロッパではあまり珍しくはないようですが。昨年の同レース3着を一歩進めて2着。で、ドバイ・ワールド・カップといえば世界一の高額賞金のレースですが、このレースも結構高額。1着のハ−ツクライの賞金は有馬記念の賞金の2倍、有馬を2勝しなければ手に入らない賞金をこの1勝で手にいれた訳ですが。昨年3着の Collier Hill の場合、17戦10勝での3着賞金は過去10勝したレースの賞金の合計金額にほぼ匹敵する....。ヨーロッパのレース10勝分の賞金が、ドバイG1・3着の賞金ですよ? ドバイの芝(とダート)の下には金が埋まってる。掘り当てることが出来されすれば。

砂上の桃源郷

2006年03月28日 | 競馬・レースの話
3月25日、ナドアルシバ競馬場で行われた
ドバイミーティング(Dubai Meeting)、ゴドルフィン・マイル(G2)の結果です。
第2競走・ゴドルフィン・マイル(G2)ダート1600メートル、17:40(日本時間22:40)発走。
1着、ユートピア、牡6歳。
2着、Win River Win(ウィンリヴァーウィン)、牡7歳、トルコ。
3着、Jack Sullivan(ジャックサリヴァン)、せん(馬)5歳、英国。
1着のユートピアは、2000年産、牡・栗毛。父・フォーティナイナー、母・ドリームビジョン、母の父・ノーザンテースト、母の母・ハニードリーマー(*Honey Dreamer)。今回の勝利で18戦3勝(JRA)、12戦4勝(地方)、1戦1勝(海外)となりました。半兄にアロハドリーム(1993年産、父・クリエイター、25戦6勝。中京記念、函館記念)がいる。ファミリー(牝系)の中にある3つの夢。ユートピアのドバイ遠征の夢は2003年(イラク情勢緊迫により中止)、04、05年(直前のフェブラリーSの成績が8着、15着と惨敗だったので断念)と3度敗れて、4年目にしてやっと挑戦が叶い、結果を出すことも出来ました。
ユートピアの名前の由来、トマス・モアの「ユートピア」はギリシャ語の " (そんなものは)どこにも無い " 、をラテン語にしたものだとか。" 忘れた頃のユートピア " の言葉を贈りたくなる競走成績(2003年9月ダービーグランプリのあと2004年10月南部杯まで勝ちなし、で、再び2005年南部杯まで勝ちなし、で今回の勝利)の馬は、「理想郷はここにある」とでも言いたげに異国の砂の上を鮮やかに逃げきり、2006年ドバイ国際競走の幕開けを日本馬の勝利で飾り、 " 理想郷 " とは探すものではなく、自ら作り出すものだとユートピア自身が語りかけてくれたような、嬉しいニュースでした。
2着の Win River Win をネットで検索したら、いきなり不思議な文字の羅列.....おい?。......もしかしてトルコ語? ...何でトルコ?...調教国トルコの馬だったんですね、Win River Win。1999年4月25日米国産、父・Virginia Rapids、母・Thirty Zip(by. Tri Jet)、さしずめトルコの「砂の鬼(real dirt horse)」。48戦24勝。1999年のセリ(Keeneland yearling sales)で1万ドル程で購買された馬が、コツコツ走って稼いだ金額は約110万ドル....今回の結果でもっと増えてるかもしれないですが。

マアレッシュ!

2006年03月27日 | 競馬・その他
3月25日(現地)ナドアルシバ競馬場で行われた
2006 ドバイ国際競走(the Dubai International Racing Carnival)の勝ち馬と日本馬の成績。

第3競走・UAEダービー(G2)ダート1800メートル、18:15(日本時間 23:15)発走。
1着、Discreet Cat(ディスクリートキャット)、牡3歳、UAE。
3着、フラムドパシオン、牡3歳。
7着、ガブリン、牡3歳、南半球産(日本基準4歳)
1着のDiscreet Cat は2003年5月1日米国産、父・Forestry(by. Storm Cat、母・Pretty Discreet(by. Private Account)。2着のTestimonyとの着差は6馬身。これで4戦4勝、2着馬につけた着差はトータルで19と1/2馬身....かっ、可愛くねぇぇええ。いえ、強さの証明なんですけどね。

第4競走・ドバイ・ゴールデン・シャヒーン(G1)ダート1200メートル、18:55(日本時間 23:55)発走。
1着、Proud Tower Too(プラウドタワートゥー)牡4歳、米国。
6着、アグネスジェダイ、牡4歳
1着のProud Tower Tooは2002年米国産、父・ Proud Irish(by. Irish River)、母・ Dora's Tower(by. Irish Tower)19戦7勝。

第6競走・ドバイ・デューティ・フリー(G1)芝1777メートル、20:30(日本時間 25:30)発走。
1着、David Junior(デヴィッドジュニア)、牡4歳、英国。
12着、ハットトリック、牡5歳。
14着、アサクサデンエン、牡7歳。
1着のDavid Juniorは2002年米国産、父・Pleasant Tap(by. Pleasant Colony)、母・Paradise River(by. Irish River)。これで10戦6勝、G1・2勝。Pleasant Tapの日本で走った産駒にタップダンスシチーがいます。

第7競走・ドバイ・ワールド・カップ(G1)ダート2000メートル、21:20(日本時間26:20)発走。
1着、Electrocutionist(エレクトロキューショニスト)、牡5歳、UAE
5着、カネヒキリ、牡4歳。
8着、スターキングマン、牡7歳。
1着のElectrocutionistは2001年米国産、父・Red Ransom(by. Roberto)、母・Elbaaha(by. Arazi)。米国に産まれて、伊国に売られて、その後UAEに買われ現在に至る。伊、英、加、UAEと走って、これで通算10戦8勝、G1・3勝目。芝で8戦6勝のヒーローはダートでも2戦2勝と強いんですね。

ドバイと言うと、ホトクトベガとステイゴールドの悲喜こもごもの対象的な2頭が真先に浮かんできます。みんな無事に走って、無事に日本に帰っておいで。ご苦労さま。世界の強豪と戦い、何かを掴んだ君たちの今後の活躍を見るのが楽しみです。

待ったなし、勝利の美酒をイッキ飲み

2006年03月27日 | 競馬・G1レース結果
3月26日は中京競馬場で
第36回 高松宮記念(G1)芝1200メートルが開催されました。結果は、
1着、6枠11番、オレハマッテルゼ、牡6歳、4番人気。
2着、7枠14番、ラインクラフト、牝4歳、2番人気。
3着、7枠13番、シーイズトウショウ、牝6歳、3番人気。
4着、2枠3番、プリサイスマシーン、牡7歳、7番人気。
5着、3枠6番、ネイティヴハート、牡8歳、11番人気。
1番人気のシンボリグラン(牡4歳)は6着でした。
1着のオレハマッテルゼは2000年産、牡・栗毛、父・サンデーサイレンス、母・カーリーエンジェル、母の父・ジャッジアンジェルーチ。2003年5月、3歳未勝利戦デビュー、クラシック競走には縁が無かった。19戦6勝、2着6回の戦績で迎えた初重賞挑戦が、2005年の京王杯スプリングC(G2)2着。続く初G1挑戦の安田記念(アサクサデンエン)11着、その後オープン戦を1勝して2005年は終わる。今年に入り、京都金杯、東京新聞杯、阪急杯を9着、2着、3着の成績。3戦0勝で迎えた、今年4戦目、G1挑戦2度目の今回のレースを勝って、初重賞、初G1制覇の快挙。高松宮記念を勝って重賞初制覇は、シンコウキング(1997)、ショウナンカンプ(2002)に続き3頭目です。これで通戦成績は26戦8勝、2着8回、3着4回。
オレハマッテルゼの馬名は石原裕次郎さんの『俺は待ってるぜ(唄と映画?)』が由来だそうですが、惜敗続きでなかなか勝てないのは、「(いつか勝てる日が来るのを)俺は待ってるぜ」なんて具合に格好つけてるからじゃないのかとか、「(お前たちがやって来るのを)俺は(ゴール板を通過して)待ってるぜ」なら勝てるだろーけど、「(お前たちがやって来るまで)俺は(ゴール板の前で)待ってるぜ」なぁんて態度で他馬に勝利を譲ってどうするよ...と思ったものでした。が、ついにとゆーか、やっととゆーか勝ちましたね。
鞍上の柴田善臣騎手は2000年の高松宮記念(キングヘイロー)以来のG1勝ち。管理している音無師(調教師)は厩舎開業以来初のG1制覇達成。馬主の小田切氏は1985年、最終コーナー26番手から直線で25頭を追い越し、かつ2着馬につけた着差1と1/4馬身とゆー見事な追い越しを披露して樫の女王(オークス馬)の座についたノアノハコブネ(1982年産、父・アローエクスプレス、母.ユトリロ)以来の所有馬のG1制覇。関係者みんなが待っていた勝利の美酒は、長い長い熟成期間を必要としたけれど、最後の仕上げに要したのはわずか1200メートル、1分と8秒0の決着だった。
正直勝てるとは思っていませんでした。頑張っても2着、3着が精一杯なんじゃぁと。テルてる(オレハマッテルゼが勝つ日を待ってる、の略)の勝利で、高松宮記念、苦節ン年の " 頑張った馬ご褒美レース " とゆーイメージがますます定着しそーです。「そんなこたぁないぜぇ、お前の常識がひっくり返る日が来るのを、俺は待ってるぜ!」と " オレハマッテルゼ " が言うのなら、「その時の馬が君であることを、私は期待してるよ」と返しましょう。

3月の砂を支えた勝利の重み

2006年03月26日 | レース結果(覚書き)
3月26日は中山競馬場で
第13回マーチステークス(G3)ダート1800メートル・ハンデ戦が開催されました。結果は、
1着、4枠5番、ヒシアトラス、牡6歳、2番人気。父・ティンバーカントリー、母・タックスヘイブン、母の父・Alydar。
2着、8枠13番、プライドキム、牡4歳、10番人気。父・アフリート、母・ステファーナ、母の父・リアルシヤダイ。
3着、5枠6番、ベラージオ、牡7歳、7番人気。父・メジロライアン、母・ラスティックベル、母の父・Mr. Prospector。
1番人気のワイルドワンダー(牡4歳)は5着でした。
1着のヒシアトラス、59キロのトップハンデでの勝利。今回の勝利で、32戦9勝(地方含む)、2005年の平安S(G3)に続く重賞2勝目となりました。
ギリシャ神話に出て来るアトラス(Atlas)は天空を支える神。ティターン(巨人)族の1人で、オリュンポス(ゼウス)と戦って負けた為、罰として両肩に大地(地球)を支えることになった、力持ちな神様。その名に因んで名付けられた(であろう)ヒシアトラスも背中の重さをモノともせず、見事に勝利を決めましたね。
今年で13回のマーチS、過去1番人気で勝った馬は3頭(バンブーゲネシス・1994、トーヨーリファール・1995、タマモストロング・2000)、2番人気で制したのはヒシアトラスが初めて。マーチSの最高負担重量59キロでの勝利はトーヨーリファールに続く2頭目です。
ヒシアトラスの母・タックスヘイブンは1991年産、12戦4勝。1993年、阪神3歳牝馬S(ヒシアマゾン)6着。1994年、デイリー杯クイーンC(ヒシアマゾン)3着、チューリップ賞(アグネスパレード)8着。Alydarの血を引く良血の持ち込み馬として期待されていたのに、成績はさっぱりだったのね。2000年に産まれたヒシアトラスが今のところ一番の孝行息子です。
2着のプライドキムの母・ステファーナ(1993年産)は、システィーナ (1989年産、父・サクラユタカオー 、8勝、京都牝馬特別(G3)1着)の半妹です。
3着のベラージオは、フサイチエアデール(1996年産、父・サンデーサイレンス、21戦5勝、G2・4歳牝馬特別・桜花賞トライアル、G3・シンザン記念、ダービー卿チャレンジT、マーメイドS)の半弟なので、2005年朝日杯フューチュリティS馬のフサイチリシャールは甥にあたる。
後に、一流と呼ばれる活躍馬が出ていないマーチSですが、今年からこの流れが変わってゆくと面白いな、と思います。