滴りは雪降る胸の悲しみか胡蝶はとほき日日を舞ひをり

歌会「祭」より

2006-07-15 17:55:06 | Weblog
そらそらと団扇が招く盆踊り泣きゐし小袖かかへ輪に入る

朽ち雛を燈すローマン胸に秘めをんなは罪のルーペ覗きぬ

地蔵会へ四葩の雨のしんなりと明日開くとふ色にささやく

宙満たす灯火の青く手に透けて雪洞祭るひと影凍ゆ

だんじりの転けて岸和田しぐれなる頂辺(てつぺん)舞ひて堕つる空蝉


番外詠草
重たくて激しき飾り振りたてて獅子舞くるりくるり飛びだす
鳥たける記憶の船のけざやかに鵜匠さばきて燃ゆる火の川
男衆の団栗状にだんじりがぎりりぶちやたる(打ち当たる)軒真つ二つ
浮かれゆく人ごみ避けて祭膳食ひすぎ泣いた茶毛の桃割れ