枝豆のはずが・・・@日照不足?(ーー);
枝豆のタネをせっかくいただいたのに、うまく育たず、
そのまま観賞用植物として楽しませていただきましたが、
Uさん、ごめんなさいっm(_ _)m
さて、今回は糖尿患者さんに急激に起こる急性合併症のお話です
合併症の知識を得て、その予防に努めましょう!
糖尿病に特有な急性合併症は二つ:
1.著しい高血糖 *ケトアシドーシス *高浸透圧高血糖症候群
2.著しい低血糖 の場合です
**著しい高血糖**
A.糖尿病ケトアシドーシス
インスリン作用不足が進行→高血糖(>=300mg/dl)
→血液中にケトン体(酸性物質)が増加
→身体が酸性に傾く(ケトンが増えてアシドーシスになる)
→細胞破壊
→意識低下や昏睡となる場合もある
という病態です
a) 1型糖尿病が発症したとき
1型糖尿病は、絶対的にインスリンが不足してしまうタイプの糖尿病です
子供や若い人に多く、インスリンを投与しないと生命が危険です
b) インスリン注射の急激な減量や中断
c)シックデイ
糖尿病患者さんが、発熱、下痢をしたり、おう吐などに陥った時の状態です
d) 清涼飲料水(ソフトドリンク、スポーツドリンク、糖入り缶コーヒーなど)を
多量に飲用したときです。ペットボトル症候群といわれている状態です
e)ある種の薬を服用したとき
高血糖による症状です
口渇、多飲、多尿、脱水、体重減少、疲れやすい(倦怠感)
→→→→さらに進行すると
嘔気、おう吐、腹痛、意識障害が出現します
直ちに輸液、インスリンを使用して血糖を下げる必要があります。
B.高浸透圧高血糖症候群
インスリンがそれほど不足していなくても、なんらかの誘因で著しい高血糖となり
→高度の脱水をおこし
→意識障害を起こしてしまう という病態です
主に飲水不足が原因です
つまり脱水が脱水を増悪させてしまったということでしょうか
のどが渇いてもご自身で水分摂取できないご高齢の方に多く起こります
その他の誘因として:
高カロリー輸液、感染症、脳卒中、消化管出血、外傷、薬剤の中止、妊娠異常、心不全
などが引き金になる場合もあります
著しい脱水症状です
糖尿病ケトアシドーシスと同じように、一刻も早く輸液をし、インスリン治療が必要となります
充分な水分摂取が必要です
**著しい低血糖**
低血糖とは血糖が70mg/dl以下になった状態です
脳の細胞は、エネルギー源をブドウ糖だけに頼っているので、
血糖値が50mg/dl以下となると脳の機能障害が発生します
車でたとえるとエンストです
症状が現れる血糖値は、人によって一定ではなく、
高い血糖値から急激に低血糖が下がったときも、
血糖値は低くなくても低血糖の症状が現れることもあります
a)血糖値70mg/dl以下
異常な空腹感
脈が遅くなる(徐脈)
生あくび
眠気
脱力感
めまい
不安感
視力障害
b)血糖値50mg/dl以下となると今度は上記とは逆の症状になります
冷や汗
動悸
手の震え
c)血糖値20mg/dl以下
脳機能の障害が全面となり、
言葉がでない
おかしな振る舞い(ご高齢のかたは認知症と間違われる場合もあります)
歩行障害
d)さらに進行すると
意識障害、けいれん発作→昏睡
インスリン注射、血糖降下薬使用時に
下記の要因が組み合わさって起こることが多いです
a)食事摂取量不足、インスリンを使用したあとの食事摂取時間の遅れ
b)薬の相対的過剰
c)空腹時の激しい運動や労働
d)アルコール
アルコールは肝臓からのブドウ糖産生を抑制します
→食事をせずアルコールのみ摂取したときなどに起こりやすくなります
e)他の疾患
腎不全など
f)運動後(遅延性)の低血糖
長時間の激しい運動《マラソンや山登り)を実施した場合、かなり遅れた時間帯に低血糖が起こる
ことがあります
運動後遷延性に低血糖になる理由:
その1.運動によりインスリン感受性が亢進
その2.運動により消費された筋肉や肝臓のグリコーゲン補充のため、
その回復期に
血中ブドウ糖を利用して筋肉、肝臓においてブドウ糖
→→グリコーゲン(貯蔵糖)を作る作用が亢進し血糖が下がる
まずは早期発見!
a)ご自身で対応できるとき
血糖測定器が手元にあれば、血糖を測定してから対応
器械が手元にないときは、
おかしいなと感じたら、すぐにブドウ糖をなめてみましょう!
ブドウ糖は糖尿病の薬を処方されるとき、調剤薬局で必ずもらってください。
常に身近に携帯し、
いざというときに使用できるようにしましょう。
ブドウ糖でなくてもジュースや飴でもOKですが、ある種のとうにょうびょうのお薬を服用中の場合は、
効き目が遅延することがあります。ブドウ糖そのものがベスト!
低血糖が改善したら、
→食事時間が近ければすぐ食事をする
→食事まで時間が長ければ糖質の多い食品を1~2単位(ご飯、食パンで半分から1膳(枚)、リンゴ半分目安)
b)ご自身で対応できないとき:意識障害があるとき
周囲の人が患者さんにブドウ糖や砂糖水、ジュースを飲ませる
意識がはっきりせず飲めない場合、
ブドウ糖、砂糖をくちびると歯ぐきの間に塗って、
すぐに最寄りの医療機関に運び、ブドウ糖の注射を行う
**備えあれば憂いなし**
糖尿病患者さんは、ご自身のIDカードを携帯し、
家族、友人、親しい同僚、教師などに処置を説明し、協力を求めておくことが必要でしょう
人間の身体は、ほどよいバランス=恒常性(中庸)を守っているのです
極端な状態は生命を脅かすのです
何事もほどほどが良いということです(^^)