2022年11月新刊 4冊 各400円 |
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嵐 | 『合縁奇縁 前編』 | ||||||
『合縁奇縁 中編』 | |||||||
『合縁奇縁 後編』 | |||||||
『合縁奇縁 完結』 | |||||||
翔サト ニノ潤 相葉 |
中国時代劇パロです。取り違えカップルの話になります。都合上、オメガバース設定を使っています。ドラマを知らなくてもオメガバースに詳しくなくても問題なく楽しめる内容になっています。 | 各400円 |
2022年12月新刊4冊 各400円 | |||||||
嵐 | 『合縁奇縁2 前編』 | ||||||
『合縁奇縁2 中編』 | |||||||
『合縁奇縁2 後編』 | |||||||
『合縁奇縁2 完結』 | |||||||
翔サト ニノ潤 相葉 |
中国時代劇パロです。取り違えカップルの話になります。都合上、オメガバース設定を使っています。とにかくラブラブさせたい。>< | 各400円 |
2023年1月新刊4冊 各400円 | |||||||
嵐 | 『合縁奇縁3 前編』 | ||||||
『合縁奇縁3 中編』 | |||||||
『合縁奇縁3 後編』 | |||||||
『合縁奇縁3 完結』 | |||||||
翔サト ニノ潤 相葉 |
中国時代劇パロです。取り違えカップルの話になります。都合上、オメガバース設定を使っています。ちゃんとエッチです。 笑 | 各400円 |
11月新刊「合縁奇縁」 <設定> 潤 親王の息子。男性だが子供が生めるΩ。(ただし、相手はαの男性に限る。高確率でαが生まれるため希少種として珍重されている)名ばかりの皇族で権力も財力もない家のため、政略結婚でお金持ちに嫁ぐことになった。 和也 山賊の幹部。捨て子として山賊の中で育ったが、αであることが判明し、お頭の養子になった。αは優生種で何をやらせても大成するため、尊重されている。αとわかった途端に手のひらを返した大人達の態度を見て、捻くれた。何かと騒動を起こすので、罰として結婚を強制された。 翔 お金持ちの三男でα。長男が亡くなり、異母兄の次男(ダメ男)ではなく三男だがαの翔が家を継ぐことになった。継母とは不仲で家族関係は険悪。親王の息子を娶ることになったが、父親の言いなりになりたくないので結婚したくない。 智 大道芸人。Ωであることを隠して生活している。父親の借金のため身売りすることになった。 雅紀 潤付きの下男。智に潤のふりを続けるように頼む。 |
<立読み> 智はΩであることを隠して生きてきた。 この世には六つの性がある。男女はそれぞれバース性と呼ばれるα・β・Ωに細分化される。ほとんどの人間がβで、優生種であるαは一割にも満たなかった。その数少ないαはいずれも上流階級に属し、権力のほとんどはαたちが掌握している。αに生まれただけで成功は約束されていた。 そのため、権力者であるαは我が子がαであることを望む。しかし、αの子供は簡単には生まれなかった。多数派であるβとの間にはほぼ生まれない。αの子を産む確率がもっとも高いのはΩだ。そのΩはα以上の希少種で数が少ない。特に男性のΩはαの男性と番えばほぼ確実にαの子供を生むため権力者から珍重されていた。 だが生まれて直ぐに判明する男女と違い、バース性は10歳を過ぎて第二次性徴が始まらないと判別出来ない。そのため、智のように本人の意思で自分のバース性を隠して生きるという選択をするものもいた。 智は貧しい庶民の家に生まれた。父親が大道芸人で、智は小さい頃から父親を手伝い、自分も大道芸人になる。そんな自分が希少種のΩだとわかった時にはかなり困惑した。Ωは望めば権力者の番となり贅沢な暮らしが出来る。楽が出来ると一瞬考えたが、直ぐに思い直した。Ωとして生きれば、自由は無くなる。贅沢な暮らしより、自由に生きる方を智は選んだ。 しかし、そんなことを言っていられない状況が生まれる。 智の父は優しいがダメな男だ。博打が好きで借金ばかり作る。母親はとっくの昔に愛想を尽かして出て行った。だが智はそんな父を捨てられない。賭け事が好きな以外は優しくていい父親だ。けれど借金は膨らみ、とうとう返せないほどになってしまった。 父親と共に借金取りに智は捕まる。 借金取りは返せなければ死ねと迫った。それを黙って見ていられなくて、智は口を開く。 「借金はオレが返す」 そう宣言した。 男達はじろりと智を見る。小柄で痩せている智は働き手にもなりそうになかった。 「お前が? どうやって?」 借金取りたちはあざ笑う。智に返せるはずがないと思った。 「オレはΩだ」 智は切り札を出す。それ以外、金になるものは何も持っていなかった。 「何?!」 借金取りの目の色が変わる。 「それは本当か?」 簡単には信じられなかった。 Ωはαよりもっと少ない。滅多にお目にかかれる存在ではなかった。それにバース判定でΩが確定すると、たいていの場合は直ぐに権力者との婚約が決まる。 婚約者が居ないフリーのΩなんてありえなかった。 だが、Ωにはこれといって特別な身体的特徴は無い。智の言葉が事実なのか嘘なのかは調べようがなかった。 「本当だよ。でも、証明書とかはない。」 智は答える。嘘は吐いていないが、本当であることを証明するものは何もなかった。智は役所が行うバース判定を受けていない。バース判定は全ての国民が受けることを義務付けられていた。しかし、そんなのを守るのは生活に余裕がある人間か自分がβ以外であると確信を持っている人間だけだ。有料であるため、智のような芸人はほとんど受けていない。受けてもβであるという判定が出るだけだからお金の無駄だと考える人が多かった。智も自分はβだと思っていたので受けない。だが偶然が重なって自分がΩであることを知った。風邪で寝込んだ時、珍しく博打で買った父が呼んでくれた医者が気付く。 本来、バース判定でαやΩが出たら役所に届けなければいけない。Ωに直ぐに婚約者が決まるのは、届け出た情報が権力者に流れるからだ。 だが、智は権力者に囲われるつもりはない。貧しくても、自由に生きたかった。 智は医者に黙っていてくれるように頼む。医者はいくらかの小金を受け取って、すべてを忘れる約束をした。その約束は今でも守られているらしく、Ωである智を娶ろうとするαは現れていない。このまま、普通の生活が送れると智は思っていた。 証明書が無い理由を智は説明する。 「……」 「……」 借金取りたちは顔を見合わせた。信じていいのか迷う。だが、父親を殺すより智の言葉を信じて智を売った方が儲かるのは確かだ。 しかし、証明書が無いのはネックになる。 「ちょっと待っていろ」 借金取りたちは智と父を縄で縛り、二人を納屋に閉じ込めた。 (助かったのか……?) 智はとりあえず殺されることはなさそうなのを確信する。ほっと肩の力を抜いた。 |
12月新刊「合縁奇縁2」 <設定> 潤 親王の息子。男性だが子供が生めるΩ。(ただし、相手はαの男性に限る)名ばかりの皇族で権力も財力もない家のため、政略結婚でお金持ちに嫁ぐことになった。しかし、人違いで山賊のアジトに連れて行かれてしまう。 和也 山賊の幹部。捨て子として山賊の中で育ったが、αであることが判明し、お頭の養子になった。αは優生種で何をやらせても大成するため、重宝されている。αとわかった途端に手のひらを返した大人達の態度を見て捻くれてしまった。智と結婚するはずだったが、人違いでやって来た潤に一目ぼれし、さっさと自分のものにしてしまおうと強引に婚礼を行った。智と潤が入れ替わっていることには気付いていない。 翔 お金持ちの三男でα。長男が亡くなり、異母兄の次男(ダメ男)ではなく三男だがαの翔が家を継ぐことになった。継母とは不仲で家族関係は険悪。親王の息子を娶ることになったが、父親の言いなりになりたくないので結婚したくない。智と潤が入り替わっていることには気付いていない。 智 大道芸人。Ωであることを隠して生活していた。父親の借金のため身売りすることになる。人違いで翔のところに連れてこられて婚礼を挙げた。 雅紀 潤付きの従者。智に潤のふりを続けるように頼む。 |
<立読み>
翔はなんとか婚姻を避けようとした。 いろいろと秘密がある翔は妻を娶ると都合が悪いことが多い。一緒に暮らして秘密がバレないわけがない。結婚を回避するために出来ることは全てやった。 仕事中に毒を浴びて一時的に視力を失ったことを失明したと偽る。身体的欠陥があれば婚姻を回避できると思った。 だが、その思惑は外れる。 翔が考えている以上に勅旨は威力があり、結婚は避けられなかった。 断れないまま結婚式当日を迎える。結婚式も終え、盛大な宴会が開かれた。 翔は新郎としてその宴会に参加する。たいていの新郎は途中で宴会を抜けて花嫁が待つ部屋に戻るが、翔はあえて最後まで宴会に残った。かなり遅い時間に部屋に戻る。待ちくたびれた花嫁が寝ていることを期待した。 酔い潰れたふりをして、副官に支えられて部屋まで歩く。 「重いからちゃんと歩いてください」 副官は文句を言った。目が見えないのは設定だと知っているから扱いが乱雑になる。手助けなど本当は必要なかった。 部屋では花嫁は慣習どおりに寝台に腰掛けて待っていた。 (そう簡単には逃げられないか) 翔はがっかりする。 「公子様がお待ちです」 副官は囁いて教えた。目が見えないことになっているので、声に出して状況を翔に説明する。それは翔のためではなく、花嫁を欺くためだ。 「これはこれは公子様。まだ起きていたんですね」 翔は思わず皮肉げな言い方をしてしまう。副官は花嫁の隣に翔を座らせた。ぺこりと一礼し、立ち去る。 翔は隣に座る花嫁を見た。顔がベールで隠れているので、表情が見えない。何を考えているのか読めなかった。 (せめてベールがなければ……) 相手の顔を見ながら話そうと思ってベールに手を伸ばすと、露骨に避けられた。この結婚を望んでいないのは自分だけではないのかもしれないと翔は気づく。 見えていないことになっている翔は何も気づいていないふりをして、空中で手を彷徨わせた。ベールに触れる。 「ベールをつけたままで息苦しくないですか?」 問いかけた。 「新郎が取るまでベールは被っていなければいけないと言われました」 花嫁―智―は答えた。 「どうせ見えないのに」 くくっと翔は笑う。それは自嘲気味に智には聞こえた。翔はベールを掴んで引く。智の顔が顕になった。 (家から出てこない深窓の令息だと聞いていたが、その割りには日に焼けているように見える) 智の顔を見てそう思ったが、もちろんそんなことを口には出さない。目は見えていないことになっているから言えるはずがなかった。 智は見えていないはずの目でじっと見つめられ、居心地が悪い顔をする。見えていないと言われても、凝視されるのは気分のいいことではなかった。 「……その目は治らないのですか?」 つい好奇心から聞いてしまう。 「さあ、どうでしょう? 治るかも知れないが、時間はかかるそうです」 翔はしれっと嘘を吐く。対処が早かったので、毒による視力低下は直ぐに治った。3日後にはいつもと変わらないくらいまで回復する。だが失明しても婚姻には何の影響もないと知った後も、翔は見えないふりを続けた。あえて弱点を作ることで、敵をおびき出そうとする。目が見えない翔に相手は油断するだろう。 「こんな不具合がある身体では公子の夫には相応しくないでしょう。もし、離縁を望むなら……」 翔は下手に出て、相手から離婚を切り出してもらおうとした。立場的に翔の方から断るのは無理だが、親王の息子の方からなら切り出せる。しかも身体的欠陥があるというきちんとした離婚事由があった。 「いえ、望みません」 だが翔の思惑とは裏腹に食い気味に拒否が返って来る。何故か相手は慌てていた。 (何かが可笑しい) 翔は違和感を覚える。だがその違和感の正体はわからなかった。 「そうですか」 ただため息を吐く。 (離縁を切り出してくれたら良かったのに) 心の底から残念に思った。 「実は、公子様に相談があります」 真面目な声で切り出す。 「何でしょう?」 智は静かに尋ねた。 「実はこの結婚、私の本意ではありません。ですから、貴方を抱くつもりはありません」 翔はきっぱりと宣言する。 「!?」 智はきょとんとした。そのびっくりした顔は直ぐに笑みに替わる。嬉しさを隠し切れないと言う感じで、口元がにやけた。しかしそれを智は隠そうとする。見えていなくても、伝わってしまいそうな気がした。 「わかりました。そうしましょう」 快諾する。うんうんと大きく何度も頷いた。 智は見えていないと思っているが、もちろん小児は見えていた。露骨に安堵した様子に苦笑いが出そうになる。 (やはり向こうもこの結婚は望んでいなかったのか) 良いことのはずなのに、翔は一抹の寂しさを覚えた。何故か胸がもやもやする。 だがそれを気のせいだと翔は無視することにした。 「でも、表面上は円満な夫婦で無いと困ります」 智は告げた。夫婦関係が悪いと噂になると松本府は困るらしい。偉い人はいろんなことに気を遣わないといけないから大変だと、他人事のように智は思った。 「それはこちらも同じです。対外的には、仲のいい夫婦を演じましょう」 翔は手を差し出した。握手を求める。 智は一瞬、戸惑った顔をした。だがその手を掴む。 「わかりました」 大きく頷いた。二人の間で契約が成立する。 翔は問題が一つ解決した気分になっていた。 |
1月新刊『合縁奇縁3』 <設定> 潤 親王の息子。男性だが子供が生めるΩ。(ただし、相手はαの男性に限る)名ばかりの皇族で権力も財力もないが、政略結婚でお金持ちに嫁ぐことになった。しかし、人違いで山賊のアジトに連れて行かれて和也と出会う。 和也 山賊の幹部。捨て子として山賊の中で育った。αであることが判明し、お頭の養子になる。αとわかった途端に手のひらを返した大人達の態度を見て捻くれてしまった。智と結婚するはずだったが、人違いでやって来た潤に一目ぼれし、さっさと自分のものにしてしまう。智と潤が入れ替わっていることに薄々気づいていたが、あえて無視した。 翔 お金持ちの三男でα。長男が亡くなり、異母兄の次男(ダメ男)ではなく三男だがαの翔が家を継ぐことになった。継母とは不仲で家族関係は険悪。潤を娶ることになったが、父親の言いなりになりたくないので結婚したくなかった。智と潤が入り替わっていることを知って、智を選ぶ。 智 大道芸人。Ωであることを隠して生活していた。父親の借金のため身売りすることになる。人違いで翔のところに連れてこられて婚礼を挙げた。 雅紀 潤付きの従者。智に潤のふりを続けるように頼む。潤の乳母の息子で、幼馴染。 |
1月新刊『合縁奇縁3』 <立読み> 智から漂うフェロモンに翔は興奮していた。 (これがΩのフェロモンか) 霞がかかったようにぼんやりする意識の中で、本能だけが冴えていく。欲情がどんどん自分の中で膨らんでいくのがわかった。 その変化は智にも同様に訪れる。 じゅくりと自分の下肢の間から体液があふれてくるのを智は感じた。翔の雄を迎え入れる準備を身体が勝手に始めている。 それはなんとも奇妙な感覚だ。もぞりと智は足を動かす。自分の中から何かが流れ出ることに慣れなかった。 もじもじする智に気付いた翔はそっと智の窄まりに指を忍ばせる。女性のように濡れているそこに驚いた。 (受け入れやすいように身体が出来ているんだな) 心の中で感嘆する。大袈裟に言えば、人体の神秘を感じた。 Ωもαもβも見た目に違いはほとんどない。だから智がΩであるということを意識することが翔にはなかった。むしろ、目に見えて違いがわかる男女の性別の方を意識していたかもしれない。 だが今、智がΩであることをひしひしと翔は感じていた。自分の番だと認識する。それは理性より本能で察知していた。智が欲しくて欲しくてたまらない。 翔は智の中に指を差し入れた。 「あっ……」 智は小さな声を漏らす。じゅくじゅくと何かが溢れかえっていたそこは苦もなくすっと指を飲み込んだ。一本、二本と翔は指の数を増やしていく。 じゅくり。 指を抜き差しすると濡れたいやらしい音が聞こえる。 智はかあっと顔を赤くした。 その恥らう姿がなおさら翔を興奮させる。 「入れていい? 一度、出したい」 甘えた声で翔は強請った。 智の身体が小さく反応する。快楽に濡れた目が翔を見た。 この一線を越えたら戻れなくなることを智は知っている。引き返すなら、今だ。 智の脳裏に雅紀の顔が浮かぶ。 (ごめん) 心の中で雅紀に謝った。彼の主の場所を守ると約束したのに、結果として奪い取ることになってしまう。だがもう翔を手放せない。 智も翔が欲しくてたまらなかった。 「……いいよ」 少しの迷いを切り捨てて智は了承する。 翔はにこりと笑った。 |
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