Tシャツとサンダルの候

高良山に登る。普賢岳を望む。カキ氷記念日を寿ぐ。

BSの『とと姉ちゃん』を見終わると、犬の散歩に出かける。

犬の散歩が終わると、高良山に出かける。

このところの日課である。

いくつかのルートがあるが、昨日はごく一般的な石段ルートだ。

高良大社を越え、奥の宮を目指す。奥の宮から高良山山頂へ。この間ずっと木陰の道が続く。快適である。

天然記念物の孟宗金明竹。

 

ここ最近、高校や大学の合宿でもあっているのか。トレーニング姿の若者が多い。

ふもとから石段を駆け登ってきて、ちょうどこの辺りで疲労困憊になるのか、立ち止まる若者が多い。

思わず手をパンパンと叩いて、

「ほれ、がんばれ。もうちょっとたい!!」

と、ありがたい声援を送ってやった。

 

高良山山頂

標高312mのなんてことない低山だ。

しかし、古代史上、最も重要な山であり、史跡や伝説の宝庫なのだ。

見処満載、毎日登っても飽きることはない。史跡に関してはおいおいと紹介していきたい。

残念ながら山頂からの眺望はほぼない。

辛うじて木々の間から明星山方面を望める程度だ。

 

帰りは尾根道を通り鳳山へむかう。

南北朝時代、懐良親王を奉じた菊池武光が陣したと言われる杉ノ城跡だ。

高良山は南北朝時代も大きく歴史に関わってくるのだ。

 

ポツポツと登ってたら、途中で老夫婦に道を譲られる。

いやいや、私、そんなに早い方ではないんで。どうぞごゆっくり。

だが、尚も先に行けと言われるし、あんまり遠慮してもなんだし、先に進む。

鳳山山頂。

あ、私はこんなヤツだ。

始めての方は、以後お見知りおき願いたい。

 

高良山から島原半島を望むポイントがいくつかある。ここはそのひとつである。

運がいいと雲仙普賢岳を望むことが出来る。

カメラでは全くわからぬが、肉眼ではうっすらと普賢岳の稜線と有明海が見えた。

高良山に登りだして半年ちょっとだが、まだ僅か3回目である。

なかなかお目にかかれぬのだ。

 

さっきの老夫婦が登ってきた。

 

彼方を指さし、

「見えますね。」

 

「あ~、ほんなごつ。今日はpm2,5が少なかばいね。」

 

いずれにせよ貴重な日になった。

何となく良いことがあるような気もしてくるから不思議だ。

高良山の山歩きの楽しみの一つは高良山茶屋『望郷亭』での一休みだ。

ここのオヤジは当たり前だが、高良山の事にはやたら詳しく、たまに話が止まらなくなる。

いつもはここの名物、自家製トコロテンをいただく。

ここのトコロテンはおろしショウガに紅ショウガと、

「カブリ過ぎやろ!」

とツッコみたくなるような薬味が乗っかる。

ところが不思議な事に、これが癖になるほど疲れた体にはぴったりなのだ。

 

しかし、今日の気分はトコロテンではない。

カキ氷だ。

昔ながらのきめが細かいカキ氷を、オヤジの手のひらの形が分かるほどに、ギュッギュと手で圧縮して盛ったやつだ。

オヤジがトイレの後、手を洗ったかどうかは信じるしかない。

 

私は子供のころからカキ氷を食べるのが下手だった。

カキ氷の山を崩壊させ、あらかた皿の外に落としてしまって、ベソをかくタイプだ。

大人になった今、カキ氷ごときで泣くわけにはいかぬ。

慎重に将棋崩しのごとく氷を崩していくも、

 

!!

 

ちょっと待て。

このスプーンは、

もしかしてカレー用のスプーンではないかという疑念がわいた。

このスプーンのせいで山が崩れたら取り返しがつかぬ。

 

ご主人。すまぬが一般的な小さめのスプーンを所望したい。

 

と苦情を言おうとするも、意外とこぼしていない事に気付く。

このスプーンがここのレギュラースタイルなのか、あるいは、私が不器用だという事に何となく気づいたオヤジの親切心かもしれぬ。

ともかくもこのまま食してみた。

 

 

人生で一番上手にカキ氷を食べ終えた記念日となった。

コメント一覧

江島
なるべくこの季節は
今日のメジャーなコースを登るようにはしている。往復で1時間半ぐらいのライトコースだ。
それでも、スズメバチやマムシもいるし、イノシシはうじゃうじゃいるらしい。
スズメバチはすでに4回ほど遭遇したが、他はまだ出会ったことはない。
呑んだくれ牛嶋
中々素晴らしい
毎日、散歩が高良山とは素晴らしい。
来年辺りは走ってるかもしれんな、心太は是非とも賞味したい。
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