失なわれゆく風景

多摩地区周辺の失われた風景。定点撮影。愚問愚答。

オッパケの坂 入間市

2011年01月16日 | 民俗
ぱらぱらと地図(『でか字まっぷ 東京多摩』(昭文社、2008年))を見ていますと、
入間市の「オッパケの坂」という名前が目にとまりました。
目にとまった理由は、多摩市に「おばけ坂」という名の坂があり、
以前にこのブログでとりあげたことがあるからです。

<入間市二本木 オッパケの坂 2010/12/05>

<入間市二本木 オッパケの坂 2010/12/05>
訪れてみますと不老川の谷から金子台へのぼる坂道です。

入間市のサイトに
「元気な入間ふれあい茶ん歩道(さんぽみち)」
http://www.city.iruma.saitama.jp/kankou/genkinairuma.html
というページがあって、
このうちの「狭山茶の歴史を訪ねる」というコースが「オッパケの坂」を通っています。
このコース案内パンフレットには
http://www.city.iruma.saitama.jp/dbps_data/_material_/localhost/210kankyou/300midori/sanpo06.pdf
  
 「ハケ」とは、川に削られてできた川岸の崖のことです。

と書かれています。実にわかりやすい説明です。

私は「ハケ」ときくと
小金井市の
野川沿いの
「はけの道」が
まず思い浮かぶのですが、
こちらはいずれまた別に
とりあげることにします。


<小金井市 2011/01/15>

青梅市の河辺のあたりに
「南白はけ公園」という名前の公園がありました。
近くに「白はけ公園」というのがあるようですので、
このあたりの崖(多摩川沿い)を
「白はけ」と言うのでしょうか?
確かめていません。
<青梅市 2011/01/16>


「はけ」のつく地名は探せばまだたくさんあるでしょう。

さて、多摩市の「おばけ坂」ですが、
『多摩市史 民俗編』などによると
以前はグミの坂といわれていたが、坂に老婆が住んでいて若者を脅したので
おばけ坂といわれるようになった
といった由来が語られています。
しかし、私は「オッパケの坂」を知った今となっては
こちらの「おばけ坂」も
「お」+「ハケ」坂=「おっぱけ」坂
だったのではないかと思うようになったのですが。

老婆が住んでいたということくらいは
あるいはあったかもしれませんが、
「オッパケ」が「お化け」に変わった後になってから
つじつま合わせをした疑い濃厚ではないでしょうか。

で、最後に一句

 おん化けの 正体みたり 「ハケ」の坂 (お粗末)

(了)
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