世捨てられ人 ３

下り坂には

下り坂の風光がある


これは

念仏者で詩人の

榎本栄一さんの詩の一文です



われわれは

人生の旅路で　・・・

下り坂になったら

“こんなところまで落ちてしまった”

と　・・・　七転八倒して

何も見えません



下り坂でしか見えない景色を

・・・　楽しむことです


どん底に落ちたら

どん底でしか味わえない風光を

・・・　楽しみ

・・・　味わうことです


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（4につづく）

世捨てられ人 ２

いかなる状態の中にあろうと

追わず　・・・

逃げず　・・・

ぐずらず　・・・

そこを正念場として

腰を据えて

・・・　受けて立つ



さらに一歩進めて

積極的に

景色として

・・・　楽しんでゆきたいものです


電車の旅も

景色に変化があったほうが

・・・　楽しいように


　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３につづく）

世捨てられ人 １

人生の旅路には

いろいろなことが待っています


喜びも　悲しみも　・・・


こんなはずではなかった

ということも　・・・


できたら

にげだしたいということも　・・・



われわれは

そのことにふりまわされて

一喜一憂し　・・・

追ったり　逃げたり　・・・

助けを求めたり　・・・

のぼせ上ったり　落ちこんだり　・・・


つねに

姿勢が　・・・　崩れっぱなし


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）