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南英世の 「くろねこ日記」

京都画材店巡り

(放光堂)


日本画を習い始めてちょうど半年がたった。春の陽気に誘われて、今日は京都の画材店巡りをした。まず向かったのが烏丸御池にある「放光堂」。店内は撮影禁止だったので玄関だけ撮ってきた。

ここの岩絵具は日本一ともいわれている。発色がいいので、かつては横山大観や梅原龍三郎、現代では千住博氏ら一流の画家がひいきにしていると聞いた。私のごとき日本画の初心者が、恐れ多くもこういう日本一のブランドの岩絵具を購入するのは、バイエルを習っている人間がグランドピアノを購入するようなもの。100年早いといわれても仕方がない。でも、一つ気に入ったのがあった。

次に向かったのが、今習っている日本画教室の先生が30年来ひいきにしているエビスヤ画材店。移転前の京都市立芸術大学があったすぐそばにある。


(正面が昔、京都市立芸術大学があったところ)



(店内には色とりどりの岩絵具が並んでいた)


通常、岩絵具は1両(15g)単位で買う。天然物と人工物(新岩絵具)があり、天然物のほうが高価である。一番高い天然物の「群青」と呼ばれる色は1両5000円以上はする。特に貴重なラピスラズリを原料とする青は1両約2万円する。一般的な岩絵具は1両数百円から1000円前後が多い。

お店の人との雑談も勉強になった。日本画初心者は一般に値段の比較的安い水干絵具(すいひえのぐ)から入る。水干は原料が土だから別々の色を混ぜてもきれいな中間色が出る。しかし、岩絵具はもともとの岩の性質が異なるため、混ぜると色が濁って汚くなることが多いという。そうか、知らなかったあ。だからあんなにたくさんの色の種類があるのだ。

さあ、どこで買おう?
値段が張るだけに、簡単には決められない。
鴨川でコンビニ弁当を食べながらしばし考える。
ヤフオクにも買いたい岩絵具が出品されているし、今日は何も買わないで少し頭を冷やして出直そうか。




私は昔からブランド志向が強い。理由は苦い思い出があるから。
50年近く前、父がレストランを始めるとき、見積もりが安かった名もなき建設会社と契約を結んだ。ところが、石油ショックのあおりを受けて、業者が途中で倒産してしまった。ン千万円という我が家の全財産が絡んでいる。最後は債権譲渡を受けたという暴力団が乗り込んできて非常に怖い思いをした。父が入院していたこともあり、私はその交渉の矢面に立たされた。組長の自宅に行って交渉したこともある。

それ以来、買うときはブランドを重視するようになった。今住んでいるマンションも施工が竹中工務店だから買った。正解だった。

やっぱり日本一の岩絵具がいい!
すぐ、放光堂に戻ってお目当ての岩絵具を買った。
ン万円が飛んだ(笑)。
まあ、いっか。





最近描いた薔薇F6号(右)
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