覚書あれこれ

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『トロイ・ザ・ウォーズ』感想(2)

2007年04月04日 | 映画

以下、見ている最中に殴り書いた心のつぶやき…(例によって私見と偏見に満ち満ちていること請け合い)

※ネタバレが含まれますので要注意!!

(アガメムノン登場時)
 …ん?この役者、どこかで見たことがあると思ったら、映画『ロック・ユー!』で主人公の恋のライバル役やってた人だわ!(アガメムノンの好感度急上昇!)

(テセウスに誘拐される前のヘレネーとポリュデウケースのシーン)
ポ「お前は男の怖さを知らない」
ヘ「お兄様も…?」
ポ「………」
 なぜそこで黙る、ポリュデウケース!!!!
 ……ま、まさ、まさか、こここれは禁断、かつ今流行の
『ぼくは妹に恋をする』…ってやつ…?(動揺)

(穿ちすぎなのかもしれませんが、だってやつの目は恋する男の目だったのですよ!)
(しかし、カストールはどうしたんだ)

(メネラオス登場時)
 メネラオスはいい人そうだなあ…(一安心)

(テセウス登場時)
 え?オデュッセウス?と思って、2回見直し、挙句、字幕をつけて確認してしまいました。テセウスだった。最初はただのスケベ親父かと思ったら、進むにつれ、意外と理性的な(ここ重要)いいやつだった。
ヘレネーのあの「指先に蜂蜜」攻撃に耐え抜くとは、
おぬしこそ天下無双のもののふよ…

(パリスとヘレネーが初めて互いの顔を見るシーン)
 …もうちょっと二人とも美形だったらもっと言う事ないのになあ…

(大人になったカッサンドラー登場シーン)
 『トロイ』の方では出てこなかったカッサンドラーの、狂気ッぷりに大喜びカッサンドラーはこうでないと。

(テセウスとポリュデウケースのシーン)
ええーー!!テセウス死ぬのーー!!!???ここで殺しちゃっていいんかい!!アテナイの国政はどうなる!!嫁が義理の息子に懸想する話は!?
 このような大胆な改変に驚愕する裏で、わたくしはポリュデウケース妹属性疑惑をますます深めておったのでございます…(あんた、やっぱり……)

(諸国の王たちの会合シーン)
 ここで、アキレウスショック第1弾。
 心の中では「お前、ほんとはアイアースのくせしやがって…」と繰り返し唱えておりました。絶対、アキレウスとアイアースという二人の登場人物をくっつけて一人にしてみたに違いないんよ!アメリカ人って、アメリカ人って…(いや、製作会社アメリカだったからさ) 

 次に、オデュッセウスについて。意外な事にいい人そうだったのでかなりびっくりしました。そう、思ったよりいい人そうだった!哲学者みたいでしたよ!!
並み居る男たちがいやらし~い目でヘレネーを眺める中、一人涼しい顔で、ほら、君まで加わらない!とばかりにアガメムノンに「既婚者はわたし達だけだ、わたし達で仕切ろう」と釘を刺す辺り、賢人の風格さえ。
ただ、あのオデュッセウスじゃ放浪の10年間を生き延びれない気がします
…(7年もカリュプソーを満足させられるかどう(以下自粛))

(誰がヘレネーを娶るかを決めるため、王たちの指輪を集め、くじ引きをするシーン)
 あれは十中八九メネラオスの気持ちを察し、また王たちの中で唯一純粋にヘレネーを好きそうな彼にオデュッセウスが目こぼししたのだと思います。わざとメネラオスの指輪がツボに入るように投げたんよ。あの見るからに善人なオデュッセウスならそうする。

(メネラオスがパリスにスパルタの風習を話すくだり)
 …その、キツネに噛まれて死ぬエピソード、最近読んだ記憶があります…。てことは、アイリアノスか悲劇・哲学関連だからギリシアがポリス社会になってからのスパルタの話のはず。ほんとに時代考証あってんのかしら………

(パリスがヘレネーを連れてトロイアへ帰還し、プリアモス、ヘカベー、ヘクトール、カッサンドラーと会うシーン)
 未来が見えてしまうゆえに必死にパリスを押し止めようとするのに今回もまた聞き入れてもらえないカッサンドラー。
 結局ヘレネーの美貌に父と弟が幻惑されてんのを見たときのあの顔がもう、最高に素晴らしい
「ちっ、これだから男ってやつは…」という心の声を確かに聞きましたよ、カッサンドラーさん!

(ギリシア方の軍議シーン)
 わっはっは、なんで黒板!!

 

⇒トロイアに攻め入った辺りから急展開、一気に10年が経ったかと思えば、原作を形ばかりはなぞってた前半とうって変わってとんでもないことに…

(戦闘シーンを見て)
 兜や鎧の形、マントの付け方は『トロイ』の方とよく似ているなあ…

(獄中につながれてしまったカッサンドラーさんに)
 …ホント、この人どこを切っても、どの作品でも気の毒だなあ…。と思いました。その裏で、ぼんやり、「良く考えたら、トロイア戦争は10年続いたってことは、パリスとヘレネーは10年も夫婦生活してたんやなあ」と思い当たり、軽く衝撃を受けました。そら倦怠期もくるわ。10年も一緒におったんやからもう十分やろ。

(パリスとメネラオスの一騎打ち直後)
 メネラオス、いい奴だ~~~!!!

(その後のパリスとヘクトールの会話)
 
ヘクトールもいい奴だ―~-!!

(その直後の衝撃のヘクトールの最期)
 ま、待て!!
 待て待て待てい!!
 なんじゃそりゃーーーー!!!!!!
何度も言うようですが、本当に、このシーンはどうかと思いますよ。場面のよしあし以前に、掛け算を間違った生徒に「…あなた、ひょっとして足し算からして理解してないんじゃ…?」と尋ねたくなるような気持ちになりました。この監督、実はホメロスが嫌いなんじゃ…。
 ああいう処理の仕方だってアリなのかもしれないのですが……ああ、だめ、それでも杜撰過ぎると思ってしまいます。心の狭いわたしを許して!

(木馬のくだり)
 シノーンが「ギリシア人がアテナに奉じたもの」と説明するのですが、ここは『トロイ』の「帰りの航海の無事を祈ってポセイドンに捧げた」とする方が説得力があると思いました。なんといってもポセと馬はかかわりが深いので木馬を捧げることに無理が無い。ですが、「トロイアの城門をくぐらせないように大きく作った」という説明は秀逸だと思いました。これはうまい!

(プリアモスの最期)
 原作の、アキレウスへの懇願、両者の間に流れるあの美しいひとときなどさっぱり無視して、いきなり殺されるプリアモス。しかし、『トロイ』のときも今回もプリアモスを殺すのはアガメムノンなのですよね。一番トロイアに対する野心をもっている人物だから必然なのか。

(アガメムノンの最期)
 す、すげー…(圧倒)。
 しかし、それよりお恥ずかしながら不肖見習いの視線はアガメムノンの尻に釘付けでした…

(そして一番最後のメネラオスとヘレネーのシーン)
「貴方のことは愛せない」
ヘレネーからメネラオスにさらっと吐かれる止めのセリフ。
ひ、ひでえ!この女なんてひでえこと言いやがる(真っ青)!!!
まあ、「貴方について行く」と表明した事である種の和解は成立したんだろうけどさ。
それでも、メネラオスがヘレネーに抱いているのは明らかに恋心なんですよ?仕方ないとはいえ気の毒でした…

以上!お疲れ様でした!見たことのある方は是非とも、アキレウスとアガメムノンについての感想を教えてください。

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