突然の彼女・エピソード2
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その24
カップル喫茶(前編)
●森田卓の視点
昼間だというのに薄暗くてムーディな照明があちらこちらで演出していた。
僕はまりもさんとカウンター席に座って飲み物を注文する。
「森田さん、車じゃないんだし少しくらい飲めるわよね?」
「ええ、まぁ…」
「じゃあ好きなもの頼んで。金額は気にしなくていいから。」
「は、はい。。」
とは言われたけど、平気で高級なお酒なんか頼めやしない。安い焼酎でいいや。でもこんな洋風バーみたいなとこに安酒なんてないかもしれないな。。」
僕はまりもさんに遠慮がちに問いかけた。
「この店に焼酎なんか…あるわけないですよね?アハハ(^□^;A」
まりもさんはなぜかまどろむような笑みで僕に答える。
「あるわよ。このメニューに書いてるから好きなの注文して。」
「あ、そっか。これ見ればいいんですね。すみません。( ̄Д ̄;;」
僕はメニューの焼酎の欄に目が留まった。
「ひえー!(◎0◎)こ…こりゃすごいっ!」
なんと焼酎といってもそんじゃそこらの安酒じゃんくて、僕なんかには絶対手に入らない幻の焼酎銘柄ばかり。。
『森伊蔵』『村尾』『佐藤』『万膳』『百年の孤独』…etc
「す、すごい…これだけの品揃え…そして値段もすごい。。( ̄ー ̄; ヒヤリ」
果たして僕は平気でこんなの頼んでいいんだろうか?
「すいません。私に森伊蔵。彼には…森田さん何か決まった?」
「え?あの…じゃ同じもので。(#^.^#)い、いいんですかね?」
「だから気にしないで。私貧乏じゃないから。」
「はいっ!」
イエーイv(▽ ̄ v)(v ̄▽)v 森伊蔵が飲めるなんて夢のようだぁ~♪
わずか5分後、僕はふわふわ舞い上がるような、とても心地よい気分になっていた。
いい酒とはこういうことを言うのだろう。そう僕はつくづく実感した。
「やっぱり幻の焼酎は違いますねぇ。」
「 (o^-^o) ウフッ そう思う?すきっ腹だからじゃない?」
「それもあるかもしれませんけど、やっぱり森伊蔵のせいですよ。」
「良かった。喜んでもらえて。ごはん食べるのはあとにしましょう。おつまみなら軽く食べてもいいけど。動けなくなるでしょ?」
「は?…な、何かあるんですか?(⌒-⌒;」
「ウフフフ♪森田さんたらっ!」
まりもさんが意味深な横目で僕を見る。
「森田さんさっき、来たことなくても雑誌で読んだことあるとか言ってたじゃない。わかってるクセにw」
「Σ|ll( ̄▽ ̄;)||lええっ?いえいえいえ、僕は雰囲気だけ味わうことができれば充分で…」
「向こうに個室があるから行かない?」
「そ、それはいくらなんでもちょっと…僕はここで…」
そう言いながら僕はまりもさんから目線をそらすと、何気にカウンターの端にいるカップルに目が留まった。
「うわっ!!(゜〇゜;)」
そこにいた男性は、女性の肩を抱き寄せて、耳元を念入りに愛撫し続けていたのだ。
『ダメだ…見れないや。。」
僕は再びまりもさんの方へ目をやる。
「まりもさん、どうして僕をここに?」
「森田さんて真面目そうだから、未経験な場所を体験させてあげるのがお礼かなって思ったのw」
「それにしても大胆ですね。」
「全然。森田さんなら多分大丈夫かなって。」
「え?何でですか?」
「さっきも言ったけど、森田さんの会社の部長さんもハマってるからよw」
「でも部長と僕とでは…」
「いいえ、同じ匂いがするわ( ̄m ̄o)プ」
「えええええええええええ~~~???」
「さ、ほら行くわよ。まわりを見ちゃうと最初は刺激が強いから個室の方がいいのよ。」
「な、なるほど。。(^□^;A じゃそうします。」
案内された室内も照明がほのかな明かりだけだった。
「どう?ムード満点でしょ?」
まりもさんが魅惑の微笑で僕の反応をうかがっている。
「入り口に“PLAY ROOM”って書いてありましたが?( ̄Д ̄;;」
「気にしない気にしない。ここなら落ち着けるでしょ?」
「できますかねぇ?(⌒-⌒;」
「森田さん、すごい汗かいてる。服脱いだら?もっとリラックスしましょ。」
「は、はい。」
まりもさんが僕が上着を脱ぐのを手伝ってくれた。
「すいません。お手数かけちゃって。あとは自分で…あっ。。!」
「シャツも濡れてるから脱がしてあげる。肌にくっついて気持ち悪いでしょ?」
「ええ、まぁ。。」
「安心して。森田さんを襲ったりしないから。(*'‐'*)ウフフフ♪」
「た、頼みます。僕には奥さんがいるのでどうかそれだけは。゜(゜´Д`゜)゜。」
「……もちろんよ。まぁ座って。まだ緊張してるみたいだから肩もんであげる。」
そう言うとまりもさんは座っている僕の背後に周り、両肩をもみ始める。
いいんだろうか?肩もみとはいえ、よく知らない女性と個室に一緒にいるなんて…
ガチヤッ・・・ガチヤッ!!
「ハッ(゜〇゜;)!!な、何を?」
「ごめんなさい。ちょっとだけだから。次はこれね。」
「ええええ??」
僕はあっという間に、後手に手錠をハメられた上に目隠しまでされてしまった。
「ちょっとこれは・・・;^_^A アセ・・・」
「ちょっとした刺激になるでしょ?これ以上は森田さんに絡まないから安心して。」
「か、からまれたら困るんですけど…^_^;」
「目が見えないと何されるかわからなくてドキドキするでしょ?」
「は、はぁ、確かに。。(⌒-⌒;」
「部長も最初はこうだったわ。」
「そう言われても僕はどうリアクションすればいいのか。。^_^;」
「それもそうね。森田さん初めてだし、刺激的過ぎたかしら?」
「刺激というよりも戸惑いの方が^_^;」
「じゃここよりも、オープンルームでみんなとワイワイしましょうか?」
「あ、そんなとこもあるんですか?じゃあその方がにぎやかで良さそうですね。」
「決まりね。すぐ移動しましょ。」
「でもまたこの濡れたシャツ着るの気持ち悪いなぁ。」
「外に出るわけじゃないもの。そのままでいいわよ。」
「しかし…」
「その程度の格好、森田さんだけじゃないもの。」
「(・_・)エッ?」
「さ、行きましょ。」
「ちょとすいませんが……手錠と目隠し外してもらえません?( ̄Д ̄;;」
「あ、ごめんなさい。(*^m^*)ムフッ」
(続く)
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