みりおんの連載ネット小説

ラブコメ、奇想天外etc。一応感動作あり(かも?)

32話 ハプニング

2006年08月30日 23時59分20秒 | F:ネットの恋人
              ネットの恋人
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               第32話
              ハプニング

 「あれぇ?これってもしかして床下収納庫?」
今までキッチンマットに執着していた権現が、一転して床下に興味を移行させる。
「そんなの俺も今まで知らんかったわ。いつもマット敷いてたし。」
と一星がどうでもいいように答える。
「うちにもこんなのあるんだけどよ。おかんがばあちゃんちから分けてもらった『ぬか床』が入ってるようだ。」
「だから俺にそんな話したところで、答えようがないっつーの!」
「・・・ちょっとだけ開けていいか?」
「ダメだ。水飲んだらすぐ帰るんじゃなかったのか?」
「いやいや、収納庫の使い方の参考までに。」
「お前は主婦かよっ!!」
「1分でいいから。いや30秒でもいい。幸村だって知らなかったんなら見たいだろ?」
「別に。」
「ウソだ!俺が帰ったらひとりで見るくせに。」
「見ねぇよ!こんなの。」
「でも知っておく義務があるぞ。ここの家の人間なんだし。」
「ああそうかい。じゃ好きにしろよ。1分だけだぞ。」
「さんきゅ♪」

 一星の許可が下りた以上、もうコソコソする必要はない。
早速、権現京二が平面になっている床下の取っ手の片側を指でグッと押すと、もう片側が浮き上がり、取っ手部分が反転して持ち手になった。
「よし、開けるぞ。」
 そのとき、そばにいたいずみが権現に話しかける。
「一星も見ていいの?まだ私たちだけの秘密にしておいた方が・・」
「今の状況的にそんなの無理だろが。」
「そうだけど・・」
 一星が不思議そうに尋ねる。
「お前誰と話してんだよ!気持ち悪い独りごと言うな。」
「あはは。わりぃ( ̄ー ̄; 」

 権現京二が取っ手を握ってついにフタを持ち上げた。
現場にいる3人が覗き込む前に、すでに中からはまぶしい光がもれて来ていた。
「何だよこれ。センサー照明か?」と一星。
「わからん。。」
 権現と一星は四つんばいの姿勢、そして物理的存在のないいずみは立ったままでゆっくりと上から中を覗き込む。
「ええっ?( ̄□ ̄;)何がどうなってんだ?何でこうなってる?」一星が驚いて声を荒げる。
「中に銀河系があるみたいね・・」といずみ。
「中に銀河系があるみたいだな。」と権現。
「お前、うまい表現だな。まさにそんな感じだ。」と一星。
 いずみが権現をにらむ。
「私の表現、パクらないで!」
「あはは(^^ゞ」
「でもなんだろ?プラネタリウム装置でも作動してるのかな?」
一星が真面目に考えはじめる。
「こんなキッチンの真下にそんなことして何の意味があるんだよ。」
と権現が突っ込みを入れる。
「そりゃ意味はまだわからんけど、とりあえず調べることはできる。」
そう言うと一星は、片腕を中に伸ばして入り口付近の4隅を手探りしてみる。
「何やってんだお前?」
「いや、どっかに電源スイッチらしきものがないかなぁってさ。」
「で、ありそうか?」
「・・・てか。。こん中って、内側の壁がない。。」
「Σ('◇'*エェッ!?マジ?」
「横にも奥にも空間が広がってるようだ。。( ̄ー ̄; ヒヤリ」
「それマジで怖えぇじゃんかよ。」
 そばにいるいずみもかたずを呑んで見続けている。
「できるだけ奥まで手を伸ばしてみるか。」
「気をつけろよ幸村。」
「危なくなったら引っ張りあげて・・・あっ!!」
 一星がそう言いかけた瞬間、彼は床下の空間に引っ張られるように、体ごとすっぽりと中へ落ちて行ってしまった。
「ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!!ウソだろ!」仰天する権現。
 しかしそれは紛れもなく事実。一星は銀河の渦へと消えて行った。

「きゃああああああああああああああああああああ!!!!」

 突然の雄たけびに振り向く権現といずみ。
見るとそこには静子が両頬に手を当てて床下収納庫を見つめながら立っていた。
「なんか胸騒ぎがすると思って様子を見に来たら。。一星~~~!」
静子も自ら床下に飛び込もうとするが、権現によって取り押さえられる。
「ダメですおばさん。何が起こってるか全然わからないんです。少し落ち着きましょう。」
「でも・・でも・・私のせいです。私の。。」
「この収納庫の秘密を何か知ってるんですね?もしそうなら俺たちに教えてくれませんか?」
「俺たちって・・あなたひとりしか。。。あっ!!」
「あって・・僕ひとりの間違いでしたw 気にしないで下さい。」
「いえ、ふたりいるでしょ?そこにいる女の子は誰?」
「(・_・)エッ...?」権現が自分にしか見えないはずのいずみに目をやる。
「おばさん、ひょっとして彼女が見えるんですか?」
「??人がそこにいたら見えるでしょう?」
「ということは・・おばさんも人には見えないものが見えるタイプの人ってことか?」
「いいえ、違うわ。」といずみが話し出す。
「違うってどういうことだ?まさか。。」
「そのまさかよ。私、今ここに普通に存在してる。ほら。」
いずみはそう言うと、水道の蛇口をひねったり、食器棚の扉を開けたりした。
「ね!今までどれも貫通してできなかったことが全てできるわ。」
「じゃあ・・幸村が消えたことで栗山が蘇ったってことか?」
「・・・そうみたい。。」
 静子が再び取り乱しそうになる。
「一星は・・一星はどうなるの?どこ行っちゃったの?母さんはどうすればいいのよっ!!一星ぇぇぇぇ!!(T◇T)」
               (続く)
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4 コメント

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Unknown (birei129)
2006-08-31 00:42:19
いよいよ謎の…考え深い世界へ突入ですね次の展開が今にもまして期待されるところです

お忙しい中、小説をかく事も容易ではないと思いますが、がんばってくださいねっ
Unknown (みりおん)
2006-08-31 09:30:48
☆びれいさん

優しいお言葉ありがとうございます(゜ーÅ)ホロリ

書いてるとけっこう肩こるんですよねw

次の展開を予測されないように考えると

頭を悩ます毎日になりそうです(^□^;A



☆美奈さん

ちょこっと読んでいただけるだけでもありがたいです。

美奈さんの文章力もかなりのものですよ!

さっそく僕も美奈さんの動画、拝見させていただきますね♪
おひさ! (りさ)
2006-08-31 12:35:59
ブログ読んでるよぉ~!

いつも思うけど、続きが気になる~~~~!!



そうそう、ちょっと前からまたブログはじめたんだよ♪ちなみにそこでは「りさ」ではありません(笑)

Unknown (みりおん)
2006-08-31 14:30:35
☆りさ

おおおぉぉぉ!

コメントないといつ来てるかわからんやんけ!w

でもありがとなぁ。

で、何でURL貼らないんだよぉ?w

教えておくんなさいまし!

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