夕暮菜日記

私的日記、教育、社会、音楽、等々について

9.19脱原発6万人集会、大江健三郎の演説文字起こし

2011年09月21日 00時03分01秒 | Weblog
他にもやっている方はいらっしゃるだろうけど、やりたいのでやってみた。

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二つの文章を引いてお話します。
まず第一は、私の先生の渡辺一夫さんの文章です。
「狂気無しでは偉大な事業は成し遂げられないと申す人々もいられます。それは嘘であります。狂気によってなされた事業は必ず荒廃と犠牲を伴います。真に偉大な事業は狂気に捕らえられやすい人間であることを人一倍自覚した人間的な人間によって誠実に地道に為されるものです。」
この文章は今、次のように読み直され得るでしょう。
「原発の電気エネルギー無しでは偉大な事業は成し遂げられないと申す人々もいられます。それは嘘であります。原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴います。」
私が引用します第二の文章は新聞に載っていたものです。
原子力計画を止めていたイタリアがそれを再開するかどうか、国民投票をした。
そして反対が九割を占めました。
それに対して日本の自民党の幹事長がこう語ったそうであります。
「あれだけ大きな事故があったので数段ヒステリー状態になるのは、心情としてわかる。」
偉そうなことを言うものでありますが、元々、イタリアで原子力計画が一旦停止したのは25年前のことです。
チェルノブイリの事故がきっかけでした。
それから長く考え続けられた上で再開するかどうかを国民投票で決める。
そういうことになった。
その段階でフクシマが起こったのであります。
今の自民党の幹事長の談話の締めくくりはこうです。
「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、国民投票で9割が原発反対だから止めましょうという、簡単な問題ではない。」
そう幹事長は言いました。
原発の事故が簡単な問題であるあずはありません。
福島の放射能物質で汚染された広大な面積の土地をどのようにはぎ取るか、どう始末するか。
既に内部被曝している大きい数の子ども達の健康をどう管理するか。
今まさにはっきりしていることは、こうです。
イタリアではもう決して人間の命が原発によっておびやかされることはない。
しかし私ら日本人は、これからさらに原発の事故を恐れなければならない、ということです。
私らは、それに抵抗する、その意思をもっているということを、先のように想像力を持たない政党の幹部とか、また経団連の実力者達に思い知らせる必要があります。
そのために私らに何ができるか。
私らにはこの民主主義の集会、市民のデモしかないのであります。
しっかりやりましょう。
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下の映像をもとに、私が文字に起こした。




ヒロシマ・ノート (岩波新書)
大江 健三郎
岩波書店

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