MID NIGHT-XXX

~眠れない夜のために~

氷室京介というカード

2014-10-19 00:00:00 | Weblog


『KYOSUKE HIMURO×WOWOW 25th Anniversary Special Part3

  -Document of FINAL DESTINATION-』を観た。

観たいような観たくないような複雑な気持ちを抱え、

スクリーンの前に身構えてはみたが、

終始、歯を食いしばりながら氷室の映像を観るというのは、

多分、これが最初で最後となるかもしれないだろう。

そう、まさか問題のシーン、、骨折したシーンまでをもOAするとは誰が予想しただろうか。


1日目当日のリハーサルの中ででの1曲、『WARRIORS』で、

ステージパフォーマンスをイメージしながら、

イントロで軽快に舞台中央に向けステップを踏み歩いた氷室は、

スピーカーの角に足をかけた瞬間、鈍い音と共に画面の下方にへと沈み込んだ。

一切のカット割りは無く、一連のシーンがワンカットで映し出されていたのだ。

演奏はストップし、舞台監督の星野氏が駆け寄る。

スタッフ達が慌てふためく。YT氏の顔がゆがむ。

仰向けに倒れた氷室を取り囲む大勢のスタッフと、

人の隙間から捉えた氷室の姿…。

その一コマをリセット出来ればと願う俺達の思いは、

或いはそこに集められた何枚ものタオルの純白色がそれを現わしたかもしれないだろう。

別なシーンで氷室が語っていたことだけれど、

ライヴ中に客席に向けペットボトルを投げ、

その時にステージにこぼれ落ちる水をスタッフが雑巾で拭うということに対し、

「あれ危ねぇよ(笑)」と感じていたらしい氷室だったが、

なるほどそれには深い意味があったのだと、納得していたのが印象的だった。

しばらくして起き上がり、『WARRIORS』を歌い終え終了したリハだったが、

罅(ひび)が入っているだけなのだと思われたその骨が、

実は折れていたと知ったのは、19日のライヴ、、、

そう、不吉な数字、、

ツアー「49本目」が終わった後の話だった。

1日目に1本の骨を折り2本の骨に罅が入って、

2日目の本番4曲目『Girls Be Glamorous』で、

その罅がボキッと折れ、(合計2本の骨が折れる)

折れた骨が引っかかってコリコリと音を立てていたと語っていたけれど、

絶対安静を譲れない我々凡人には、

到底想像しがたい愕然たる現象だと言えるのではないだろうか。

骨折した痛みを少しでも和らげる為に、

折れて2つに分かれてしまった骨を、自身でその隙間を埋めるかの如く、

脇から押さえこみながら、

終始パフォーマンスを繰り広げ歌う氷室京介に深い感銘を受けた。







『NORTH OF EDEN』はOAされないだろうなと・・、そんな予感はしていた。

あの日、あのライブでその歌を聴いた人ならば分かるとは思うけれど、

最後のオーラス、、、魅せ場、、

独唱ともとれぬ歌唱で声が裏返ってしまった時、

あの日、あの刹那、

「この曲は、今日だけのモノになったか」と俺は頷いた。

あのままOAすることは氷室ならばまずありえないこと。

それでも今日までこのブログでその一切に触れなかったのは、

或いはその裏返った部分だけを1日目と差し替えてでのOAを期待したという、

俺なりの狡い考えがあったからなのだと白状する。

そこまでしても聴きたかった、観たかった1曲だったが、

数年前の横浜アリーナでのアンコール曲、

狂喜乱舞の「ドリーミン」同様、
http://blog.goo.ne.jp/midnight_xxx/e/ee4e915527caa30c0b58e78173cefb64
http://blog.goo.ne.jp/midnight_xxx/e/f9c97b649094cd3e2a49e9c846128035
それらの光景は参加した者のみぞが知る、

それぞれの思い出の中だけに宿る伝説というものまた、

美々しいことなのかもしれない。


書ききれない程の「重さ」が今回のスペシャルにはあったけれど、

『本当は俺の声はジャズ(メロウな曲)に向いているんだと思うけどね…

 それでも氷室京介を貫いてきた』

と語った次なる期待、、

或いは、それは『MIDNIGHT EVE』にも繋がるのかなという大きな希望を残したのは、

俺にとって次の氷室京介を期待出来るそんな特番であったと言えるかもしれない。


ただ、ヒムロック。

俺達はロックを歌わない氷室京介であっても、

それは氷室京介には変わりは無く、

そこにたどり着いてしまったその軌跡にある理由を感じれば、

氷室の中に存在している、

「ロックンロール魂」が永遠であるというのは決して揺るがない事実。

それを以て、これからの氷室がどんな道標を示そうとも、

氷室京介は氷室京介で在り続けるのだと、俺はそう解釈しています。



終わらない、なにかを。













            
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