Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

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マサミ・テラオカとは何者か?? @ 『アナムネシスの光芒へ』

2016年10月11日 09時28分11秒 | EXHIBITION


マサミ・テラオカ『Night vision inquisition』1997 /  相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』p206-207より

「陰湿極まる淫欲に彩られた、禍々しき中性の宗教(魔女)裁判の悪夢が蘇る。」
相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』p208より

マサミ・テラオカの作品は一度だけ観たことがある。
先日相馬さんに、そのことを話した。

実は7年前、香港クリスティーズのオークションを観に行った時
展示会場にこの人の作品があった。
祭壇画の形式で、南蛮美術のような雰囲気
当然会場内では異彩を放ち、周囲をなぎ倒していた。

これ、ここにあっていいのかぁ…と言う感じ。
作家名が日本人だったが全然聞いたことがなくて
「なんじゃこりゃ??(@_@;)」
凄いものが発見されたなぁ、と思っていたが
ご存命だったことをこの本で知った。

クリスティーズ図録『ASIAN CONTEMPORARY ART & CHINESE 20TH CENTURY ART』29 November 2009 , p110-111より
MASAMI TERAOKA 『THE CLOISTERS/ VENUS AND POPE'S WORKOUT』 2004-2006

「そう、アメリカでは草間彌生級に有名なのに日本では全然知られてない」
と、相馬さん。
だからこの機会に是非とも紹介したいと思ったのだと言う。

テラオカは20才でニューヨークに渡り、そのまま帰国しなかった。
現在はハワイで制作活動をしているめちゃくちゃパワフルな90代だそうだ。

マサミ・テラオカ『The cloisters last supper-Madonnna and Gsisha Pieta #5』 
相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』p219より


すでにメジャーなものに乗っかるのではなく、
まだ知られていないものを発掘するという
相馬さんの気概がこの本を希なものしていると思います。


*「寺岡政美」ありました。ーウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E5%B2%A1%E6%94%BF%E7%BE%8E







本書は下記展覧会でも販売されます。
「アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集匣-」展 @不忍画廊
会期:10/14(金)-11/5(土) 日祝休廊 11:00-18:30

【壱ノ匣】『アナムネシス…』 掲載の9作家・原画等によるメイン展示
多賀新/建石修志/山本じん/成田朱希/亀井三千代/池田俊彦/二階武宏/箕輪千絵子/藤田典子
(マサミ・テラオカの作品はありません、残念ながら…)

【弐ノ匣】 幻視者の蒐集匣=ヴィジョネール・コレクション
池田満寿夫/中村宏/門坂流/渡辺千尋/柄澤齊/日和崎尊夫/坂東壮一/城景都/金子国義/古沢岩美/横尾龍彦/
石野守一/Jマーチン/Hヤンセン/Pモリニエ/春画/大野一雄写真/希少本/稀オブジェ…他

【参ノ匣】 ウィーン幻想派に学んだ巨匠・大島哲以(1926~99)の世界





宣伝ばかりになってしまって何なのですが、

本の方はマジに見応えがあります。
是非お越しいただき、原画も本もじっくりとご覧いただけましたら幸いです。
何卒宜しくお願い申し上げます。



相馬俊樹著 『アナムネシスの光芒へー幻景綺論』
芸術新聞社刊、B5変型判 上製 228頁(カラー/モノ)
★3,500円+税