Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

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『アナムネシスの光芒へ』相馬俊樹著 

2016年09月06日 11時03分55秒 | 日記


芸術新聞社のウェブマガジン

「アールエゾテリック」 vol.14 では、
相馬俊樹さんに作品を紹介していただいておりますが、
そのシリーズがこの度、書籍化されることになりました。

発売は今月下旬の予定です。

ところで
「アナムネシス」とは哲学用語で「想起」、とな?

出典はプラトン『メノン』における、ソクラテスとメノンの会話より。
人が未知の事柄を知ろうとするとき、どうやって「知った」ことを理解できるのか。
全くの未知の事柄であれば、知ろうとする手がかりも無く、また知った後での検証もできない。
逆に手がかりがあって知るのであれば、すでに知っていることになり、知ることの意味が問われてしまう…
といったパラドックスに対して
ソクラテスは「想起」という仮説を立てる。
人は魂の中に知識を得ているが、輪廻転生の中でそれを忘れて生まれてくる。
生きている間に、忘れている知識を思い出させる、言い換えるならそれが「知ること」であり
「アナムネシス・想起」ということだそうだ。
その後のキリスト教中心の直線的な西洋思想の中で(ex.死んだら神の国へ行く)
キリスト教以前の輪廻転生という思想は
ネオ・プラトニズムという思想としてルネサンス期に再度復活する。

私たち東洋人にとっては、輪廻転生はいたって身近な思想だと思うけれど
欧米では、受け入れられない事の方が強いのではないだろうか。

★ 「アナムネシスの光芒へー幻想綺論」 相馬俊樹著 芸術新聞社

慶應では、このネオ・プラトニズムと解剖図の関係を卒論にしました。
相当神秘主義的、宇宙的な思想で、ローマカトリック教会が弱体化するルネサンス期に
思想家、文筆家、画家などがサロンに集まり密かに体系化した
それが当時の作品などに影響を及ぼしたそうです。