よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

インフルエンザについて(1)

2010-11-30 18:58:05 | 健康・病気

今年もインフルエンザ流行時期を迎えましたが、皆様はどのように対策をたてていますか?人の多いところには行かない。外出から帰ったら手洗い、うがいをする。マスク着用や防寒対策をしっかいする。など日頃から気をつけるポイントはありますね。

そもそもインフルエンザは、トリを宿主とするウイルスですが、突然変異によりヒトにも感染する能力を獲得したウイルスが、ヒトインフルエンザとしてヒトに感染を引き起こします。感染力や毒性が強いウイルスは大流行をおこし、歴史上でもスペインかぜや香港かぜとして社会生活にも大きな影響を及ぼしました。

種類としては主にA型,B型が知られています。A型の中にもソ連型、香港型などと呼ばれる亜型があり、それらはさらに細かく分かれています。これらは少しずつ変異しながら新たな流行を引き起こしています。昨年世界的に流行した新型インフルエンザはA型の一つです。

これらのインフルエンザウイルスに対抗する手段として開発されたのがワクチンです。ウイルスの感染力・毒性をなくしたウイルスの抜け殻(不活化ワクチン)を接種し、体の免疫反応を惹起してウイルスに対する抗体を産生し、ウイルスが体内で増殖するのを防ぎます。従ってワクチンを接種しておくと感染を抑える効果があり、たとえ感染したとしても軽症で済みます。したがって抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、心臓や肺に基礎疾患がある方にとっては特に接種が勧められています。ただしその効果は接種後約半年です。

ワクチンは毎年その年に流行しそうなウイルスの型を予想して作られています。今年は、新型インフルエンザと従来からの季節型インフルエンザ2種類の計3種類が入っており、昨年のように季節型と新型を別々に接種する必要がありません。ただし、必ずしも予想があたるわけではなく、現在日本で少しずつ感染が確認されているA香港型も入っていますが、交差反応が低いといわれ(微妙にウイルス株が違う?)ワクチンの効果には不安も残ります(一般的にワクチン接種により7割の方はインフルエンザに罹らないと言われています)。

 さて不幸にも感染したらどうなるでしょう・・・・・続きは次回に書きたいと思います。