細野豪志ブログ

衆議院議員 細野豪志の活動報告です

綱領をつくろう

2010-10-11 22:49:31 | 国会活動


民主党に欠けていたものは何か?参議院選挙以降、惨敗の責任を噛みしめながら、考えてきました。

2009年8月30日。我々は、政治史に残る総選挙による政権交代を経験しました。政権交代の最大の要因は、三代続いた短命政権に対する国民の失望と、政策面での行き詰まりでした。地方で顕著となった医療の崩壊、消えた年金問題、そして、改まらないムダ遣い。長く政権を担ってきた自民党は、「小さな政府」を標榜しながら、ムダの排除を怠り、国民の医療・年金の崩壊を招きました。「ムダ遣いをなくして、医療・年金を守る」「国民の生活が第一」という我々の主張が、国民に届いたのは必然でした。これらの総選挙の際の民主党のキャッチフレーズは、目指すべき基本的な方向性として、現在も党内で共有されています。

政権獲得以降、鳩山政権が掲げたもう一つのキャッチは「政治主導」でした。各省においては、政務三役が政策決定を行い、重要事項については、官邸が主導的な役割を果たす。政権獲得以降、試行錯誤を繰り返しながら、我々の目指す体制は整いつつあります。ただ、政策面での結果を求められる政権党のキャッチとしては、政策決定プロセスを指す「政治主導」は、いささか迫力に欠けます。

2010年の参議院選挙では、われわれは、国民に対して説得的なフレーズを掲げることができませんでした。民主党がマニフェストで掲げた「元気な日本を復活させる」「強い経済(成長戦略)、強い財政、強い社会保障」は、経済成長を最優先課題としてきた自民党と同一視される結果を招き、消費税の拙速な提案と相まって、国民から拒絶されました。

野党時代の民主党に、成長戦略が決定的に欠けていたことは、率直に認めなければなりません。「国民の生活が第一」から導き出される安定した社会保障を持続させるためにも、参議院選挙のマニフェストに成長戦略を前面に掲げたことは間違っていたとは思いません。政治の世界に、「たら、れば」は禁物ですが、「国民の生活が第一」という旗印を引き続き掲げ、その手段として成長戦略の重要性を訴えていれば、国民の受け止め方も違ったかも知れません。たとえ企業の成長に資するとしても、派遣労働者の範囲拡大のような政策は採らないなど、自民党との差別化も可能でした。


そうして見ていくと、衆議院選挙で掲げた「国民の生活が第一」が、民主党が掲げ続けられるただ一つのキャッチフレーズということになります。わかりやすいキャッチではありますが、言葉としては少々浅すぎます。その上位概念として、今こそ綱領を策定すべきではないかとの考えに至りました。

綱領に不可欠な「歴史観」。「地域主権」「地域社会の再生」「新しい公共」、そして外交における「東アジア共同体」「日米同盟の深化」。示すべき理念は、すでに提示されています。綱領策定においては、歴代代表はもちろん、代表候補である中堅幹部、将来を担う若手もメンバーに加えて原案をつくり、地方組織を含めた全党を挙げた議論を行う必要があります。徹底した議論を通じて、政党の屋台骨ともいうべき綱領を策定することで、長期政権を担いうる政党へと脱皮したい。今の私の率直な願いです。


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