みどりいろのたからばこ

大切な人・好きなもの・やりたいこと・・・かけがえのない日々を綴っています。

私のあしながおじさん

2010-12-16 | 日記
何年かおきに不思議な出会いがあるものです
その一人が「桑野さん」という方です。

まだアオイが2歳か3歳だった頃。
私がちょっと落ち込みながら帰省先の実家から埼玉に戻っている新幹線の中でその人に出会いました。

きっかけはなんてことないんです。
二人がけの席にアオイと座っていたら新大阪あたりで車内が混んできたので、アオイを膝にのせてから通路の一番近くにいたおじさんに声をかけたんです。
「1つ席あいてるんでよかったらどうぞ。」と。
当たり前のことをしたまでなのですがおじさんはとても喜んで私たちの隣に腰掛けました。
「いや~助かりました。ありがとう。ほんとにありがとう。」
と何度もお礼を言うおじさま
聞いてみると「体調がすぐれないところ、仕事の出張で東京から名古屋に行かなければならないのに、地震の影響で下りの新幹線が止まっているので、羽田から飛行機で関空まで飛んで、上りの新幹線に乗ったところ」だということでした

それは大変でしたねぇというところからお仕事の内容を少し伺うことになったり、アオイが静かに座っていることを褒めていただいたりして、そうしているうちに私の沈んでいた心も少し和らいできました。

田舎から関東に出てきた私は、そこで暮らす数年の間に、目から鱗の発見や田舎娘ならではの嫌な思いも少なからず経験していました。
昔からの親しい友達はいないし、気の許せる友人と呼べる何人かはアオイを通じて知り合ったママ友だけ・・・
せっかく帰省したのに頼っていた母親とちょっと折り合いが悪くなって、そのまま実家をあとにしたところだったので、本当に泣き出しそうな気持ちでアオイを抱いていたところでした。

人との出会い、危険回避、何か起きたときの対処法・・・
桑野さんのお仕事はそういったことを扱っているためか、話し方も穏やかでやさしさの溢れたお顔をされていました。
見ず知らずの人には警戒心が強まっていた私ですが、そのときは自分の処遇をぽつりぽつりとお話したような気がします。

上りの新幹線も徐行運転を繰り返していましたが、そのぶんたくさんおしゃべりできて話しているうちにとても救われました。
桑野さんは名古屋で手を振って無事に下車、私たちは予定より3時間遅れで東京駅につきました。


それから数年、桑野さんは毎年クリスマスの時期にプレゼントを贈ってくださいます。
奥様からのお礼の手紙と、アオイが大好きな絵本をいただいたこともあります。
今年はモロゾフの詰め合わせが届きました。

会ったのは1度きりなのですが、ふと桑野さんとの出会いを思い出し、何かおいしそうなものやステキなものを見つけたら桑野さんにどうかな??と送ってみたりします。
もしまたどこかでお会いできたらちゃんとしゃべれるかな

きっとこの先もずっと私の心の支えでいてくれる桑野さん。
「私のあしながおじさん」だとこっそり思っているのです。